- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041114889
作品紹介・あらすじ
人はそれぞれの星を持っている。病気の少女のため、地の果てに棲む火守の許を訪れたサシャは、火守の老人と共に少女の星を探す過酷な旅に出る--。世界的SF作家が放つ、心に沁みるハートウォーミングストーリー。
感想・レビュー・書評
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世界的ベストセラー『三体』の劉慈欣の今のところ唯一の童話作品。
iPadを使って、電車の中で一気に書き上げたのだそう。
どうして、ひとは病気になったり、死んだりするんだろう?
月って、触るとどんな感じなんだろう?
太陽が、東から西へ移動するのはどうして?
誰もが子供のころの疑問に思った事柄が、人気作家・劉慈欣のイマジネーションの力を借りて、想像の先を垣間見させてもらったたようなそんな気になってしまう。
芯を貫くストーリーが清々しい。
愛するヒオリが日に日に弱って行くのを看過できず、青年サシャは東の孤島に住む「火守」と呼ばれる老人に会いに行く。
この世界では皆、空に自分の星を持っていて、その星が弱ってくると病気になったり死んだりするのだ。
「火守」は、この世界でただひとり、星の位置が書かれた本を持っている。
サシャは「火守」に頼んでヒオリの星のところまで連れていってもらおうというのだ―――。
西村ツチカさんのイラストが静謐な世界にマッチしている。
訳は池澤春菜さん。 -
中国のSF作家である劉慈欣による童話です。
ヒオリの命を救うために、サシャは世界の果てで隠遁生活を営む火守を訪ねます。
夜空に輝く星は人の数あり、各々の星を磨き直せば体も回復すると火守は語ります。
三日月へロケットを飛ばしロープを引っ掛けるシーンは、幻想的かつ科学的で素敵な雰囲気でした。
火守にヒオリを救ってもらう見返りにサシャは仕事を引き継ぐ約束をしますが、ヒオリが回復した後に心変わりはしないでしょうか…。
世界観、文章、絵、全てが温かい一冊です。 -
サシャは恋人を助けるため,火守のいる東の孤島へやって来た。火守だけが空に上がり命の星を治す事ができる。火守の仕事を引き継ぎ,一生島で暮らすのは過酷だと思う。三日月の船が幻想的。
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病気の恋人を治すため、サシャは火守の元へ赴く。
なんとあの「三体」の劉慈欣の児童書・絵物語です。日本版では西村ツチカさんが絵を描いているので、原書ではどのような雰囲気なのかちょっと興味がありますね。
ストーリーは月や星を行くとてもメルヘンな仕上がりで最後はふっと切なくて、他の作品で読み慣れた劉の印象はあまり感じられません。それでもところどころSF作家だなあ、と思わせる描写があったりして面白かったです。
この世界観を支えるのはなんと言っても西村ツチカさんの絵で、静謐な世界観を美しい、独特のタッチで描き出しています。西村さんといえば映画化もされた「極北百貨店のコンシェルジュさん」などの著作がありますが、その独特ながら図抜けた画力と画風は唯一無二といえます。
そんな西村さんと劉慈欣のコラボした本なんて見逃せるはずはないのです。劉のやさしい世界観と西村さんの圧倒的画力をぜひご堪能ください。-
2024/02/27
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三体シリーズが大好きなのに、この本は全く知りませんでした・・・絵も凄く素敵ですね!
素敵な本を紹介してくださってありがとうございます!三体シリーズが大好きなのに、この本は全く知りませんでした・・・絵も凄く素敵ですね!
素敵な本を紹介してくださってありがとうございます!2024/03/20 -
コメントありがとうございます。他の劉慈欣の作品と全然違う雰囲気で楽しめると思います。さっと読めちゃうので機会がありましたらぜひどうぞ♪コメントありがとうございます。他の劉慈欣の作品と全然違う雰囲気で楽しめると思います。さっと読めちゃうので機会がありましたらぜひどうぞ♪2024/03/20
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劉慈欣『火守』発売を記念し、劉慈欣先生の直筆サイン書籍が当たるハッシュタグ感想キャンペーンを実施いたします!|株式会社KADOKAWAのプレ...劉慈欣『火守』発売を記念し、劉慈欣先生の直筆サイン書籍が当たるハッシュタグ感想キャンペーンを実施いたします!|株式会社KADOKAWAのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000009741.000007006.html2021/12/21 -
「火守」劉慈欣著 池澤春菜訳 西村ツチカ絵|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/arti...「火守」劉慈欣著 池澤春菜訳 西村ツチカ絵|日刊ゲンダイDIGITAL
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/3007282022/02/02
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中華SFの大作『三体』の劉慈欣による、今のところ唯一の童話、だそうです。
挿絵たっぷり、余白たっぷりの絵本の体裁で70ページほど、短ければ数十分もあれば簡単に読み終わってしまう1冊ですが、余韻も感じる素敵な1冊でした。
こういう「夢(夜見る方です)」のような展開を、綺麗にして世に出す、というのは物語としてとってもプリミティブな営みで、短い読書体験ながら、普段と違う脳の部分が刺激されるようで、心が洗われるような気持ちになりました。
1日の色々が全部落ち着いた夜に、ウイスキーかブランデーか赤ワインでも飲みながら、ゆったり読んでいくと、その日の寝付きが良くなりそうな気がします(笑
ただ本著、どう見ても大人向けのパッケージングではあるのですが、ストーリー的には子ども向けでも良いのでは?とも思いました。もちろん、本著は本著のままで、大人向けの1冊として素敵だと思うのですが。
言い回しも平易に直す必要が出てきちゃうとは思いますが、こういうストーリーに子どもの頃から触れるコトで、何らかの化学反応を引き起こせるような気がします。
ただ、それで若年層に売れるの?と言われると急に自信が無くなるので、KADOKAWAさんの判断はきっと正しいんだろうな...。
あらためて翻訳も、絵も装丁も素晴らしい1冊でした。 -
2019年4月北京聯合出版公司刊の烧火工 THE FIRE KEEPERを翻訳して、2021年12月KADOKAWA刊。童話。火守という仕事が明らかになっていく過程が楽しい。こんなに童話童話した話だとは想像もできませんでした。お話にマッチした西村ツチカさんの絵が良いです。原著も絵が素敵なようで、機会があれば見てみたいです。
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ブク友さんのレビューを見て興味を持ちました。
西村ツチカさんの絵が本当に素晴らしい!
眩暈がするような奥行を感じさせるきらめく星空、ゆらめく炎、太陽の光を受けて輝く海…とても繊細なタッチで描かれています。静かに胸に沁み入るような読後感はこの絵があってこそ、でしょう。
死ぬほど好きな恋人と一緒にいられなくても、ヒオリの健康と引き換えに離別を選んだサシャ。彼にとって恋人と過ごした日々は生涯の美しい思い出になるでしょう。一方健康を取り戻したヒオリは、遠く離れたサシャだけを思い続けることができるでしょうか(きっと無理)。
なんとか丸く収まる方法はなかったのか。
例えば火守と3人で暮らすとか(もっと無理)。
ヒオリが元気で生きていてくれれば自分はどうなってもかまわない、というサシャの献身的な愛がわかってない私は、強欲で未熟者です…。
大人の童話、大好きです。久々に立原えりかさんの童話集を読み返したくなりました。 -
『三体』の著者による童話だそうで、SFとファンタジーによる素晴らしい物語でした。
月を舟にして星の海を漕いでいく場面は幻想的でとてもよかったです。
子どもの頃、アニメのエンディングで、月でブランコする場面があったと思うのですが、あれは何てアニメだったっけ…