カインの傲慢 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041119846

感想・レビュー・書評

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  • あー!また悩ましい展開と結末…もやもやとした気持ちが残る読後感
    どうしても助けたいという気持ちは理解できてもやり方に賛同はできない。前作と同じく、状況からそうすることを選ぶしかない人たちをターゲットに搾取しているとしか思えないから
    移植手術数を増やすには色々な問題がある、それを何とか出来れば、とは思うものの…本当に難しい
    犬養さん、どんどん追い詰められているように感じてつらい。警察官としての仕事を貫き通せるのか少し不安になる…

  • 最後考えさせられた。自分の娘が同じ状況だったら、今までのことは果たして正義だったのか?ただ、その過程で二人の子どもが亡くなってるのも事実である。うーん難しい。

  • 死ぬとわかってる人から臓器を貰い誰かを助けることは悪いことなのか、とか倫理的な問題を考えさせる。
    犬養刑事は罪悪感を抱く必要ないと思うけど、移植が必要な娘がいることを考えると、複雑なんだろうな。

  • 犬養隼人シリーズ五作目
    今作も警察医療ミステリとして魅力を存分に発揮している

    やはりシリーズを通して言えることだが法整備の不十分さ、諸外国と比べての死生観、文化の違いから来る考え方の相違等、社会派ミステリとしての側面も強い

    ただ今作のラストは暗く、また犯人が一気に小物臭めいた感じになったのがなんだかなぁ
    犬養との当初のやり取りでは大物ぶりを発揮していたがラストで結局は「犬養が殺した」的ニュアンスは詭弁以外の何物でもないのでは?

  • 理屈も手口も傲慢そのものだったなあ。

  • 臓器を抜き取られ傷口を雑に縫合された死体が、都内で相次いで発見された。司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった1人は中国からやってきたばかりだと判明する。彼らの身にいったい何が起こったのか。臓器売買、貧困家庭、非行少年…。いくつもの社会問題が複雑に絡み合う事件に、孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が挑む。人気警察医療ミステリシリーズ第5弾!

  • 目の前に現れた事件は解決しこれ以上はもう追えないが一瞬垣間見えた闇は深くまた事件となるまで静かに世に横たわる。
    みな己の強い信念があるが故、罪の意識が低い。その信念の是非は根本の倫理が違うのだから噛み合うことがないのが全てを物語っているように思う。

  • Amazonの紹介より
    命の値段を考えたことがありますか? 警察医療ミステリ!
    臓器を抜き取られ傷口を雑に縫合された死体が、都内で相次いで発見された。司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった一人は中国からやってきたばかりだと判明する。彼らの身にいったい何が起こったのか。
    臓器売買、貧困家庭、非行少年……。いくつもの社会問題が複雑に絡み合う事件に、孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が挑む。社会派×どんでん返しの人気警察医療ミステリシリーズ第5弾!


    シリーズ第5弾。個人的にはシリーズとしては「ドクター・デスの遺産」のみ読んだ事があるだけなのですが、普通に楽しめました。より警察における犬養と高千穂の立ち位置や活躍をもっと知りたい方には、シリーズ一作目から読むことをお勧めします。

    どんでん返しといったミステリーとしての面白みだけでなく、「命とは何なのか」色んな社会問題が絡み合って、考えさせられました。
    生活による貧困が招く悲劇。悲劇の末に臓器を売買するというなかなかの重いテーマでした。遠い存在だと思っていた臓器売買が、すぐ近くに迫っているとは驚きと共に今後どうしていかなければいけないのか考えさせられました。

    大人達の表向きは「正義」、裏では「身勝手」な考え方に憤りを感じつつも、もしも関係者と思うと…複雑な気持ちで心が苦しかったです。
    周りに回って、「罪」も無い子供にまで影響を及ぼすことに何かできたんじゃないかと悔やんでしまいます。

    借金をしないためにどうすればいいのか。倒産や解雇といったものはともかく、自分自身の欲望で借金を招かないでいただきたいと思います。

    社会問題に切り込むだけでなく、中山さんお得意のどんでん返しも面白かったです。展開というよりは犯人が誰なのか?に驚きでした。

    最後の展開では、犯人逮捕でスッキリしたかと思いきや、命の尊さとして、犬養とある人物との対話に重くのし掛かりました。命のために奔走する人達。それが、例え一線を超えてでも救いたい気持ちもわかります。果たして、それは当事者が知った時、どう思うのか。

    色んな意味で、深く考えさせられた作品でした。

  • 刑事犬養隼人シリーズは全て読んでいる。
    最後のどんでん返しが良かった…!
    ちょっと読後感は悪めかもしれないけれども…
    臓器移植法に関してとても考えさせられる作品。

  • 夜ふかしになるほど先が気になる展開。犯人は最後の最後まで分からず不意をつかれた。
    貧困、臓器売買…本当に水面下で行われていてもおかしくない犯罪。臓器移植でつながる命。現在の日本の体制についても考えさせれる内容だった。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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