怪談

  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041126066

作品紹介・あらすじ

「聞いていただこう、ホーイチ・ジ・イヤーレスの物語を──」円城塔
作家・円城塔が、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」を直訳!

ダン・ノ・ウラの戦いの物語を──最も悲哀の深いくだりであるから  (「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」)
オ・ジョチューは振り返り、そうして袖を下ろすと手で顔を撫でてみせ──  (「ムジナ」)
スライド式のスクリーンを開け、そうして彼は見たのだったが、ランタンの光に照らし出された五人の寝姿には──首がなかった!  (「ロクロ・クビ」)

日本という未知の国の物語を、英語読者に向けて語るハーンの流儀を再現すると、日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音となり、読み手の前に呪文のように放り出され、全てが説明されるわけでもない。当然これは、英語読者にとって「読みやすい物語」ではなく「驚異の書」として受け止められたことだろう。(「訳者あとがき」)

1904年に英・米国で発表された「KWAIDAN」には、遥かかなたの異国「JAPAN」の物語が描かれた。
当時、本書を手にした読者は何を感じたのだろうか……。
円城塔が白日の下に晒す、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」の真の姿!

感想・レビュー・書評

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  • ほん3さんのレビューを見てなんじゃコリャ!?wと気になった一冊です
    図書館に行ったらあったのでそのまま図書館で時間を潰しながら完読
    読んでみてもやっぱりなんじゃコリャ!?wです

    『ミミ・ナシ・ホーイチ』『ダン・ノ・ウラ』
    『陽の方へ回る花は ヒ・マワリ』

    そして最高なのはやっぱり
    『サムライは自らのロングソードを抜く』
    ですねwww
    ほん3さんのレビューのこの一文がどーしても気になってこの本を手に取ったようなものですw


    訳者あとがきに以下の文章がありました

    日本という未知の国の物語を、英語読者に向けて語るハーンの流儀を再現すると、日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音となり、読み手の前に呪文のように放り出され、全てが説明されるわけでもない。当然これは、英語読者にとって「読みやすい物語」ではなく「驚異の書」として受け止められたことだろう。

    英語読者だけでなく日本語読者にも「驚異の書」でしたw

    ホン・サン・サン、オモシロイ・ホン、ショウカイ、アリガトウゴザイマス(^^)ワラ

    • 1Q84O1さん
      こんばんは♪

      もう卑弥呼とロングソードが気になって気になってですよw

      読んでて思いました
      日本語(漢字)は大事だなとw
      カタカナだと違和...
      こんばんは♪

      もう卑弥呼とロングソードが気になって気になってですよw

      読んでて思いました
      日本語(漢字)は大事だなとw
      カタカナだと違和感ありまくりですw
      2022/12/22
  • 小泉八雲記念館 | Lafcadio Hearn Memorial Museum
    https://www.hearn-museum-matsue.jp/hearn.html

    小泉八雲のおすすめ代表作5選!西洋生まれの作家が日本を描く | ホンシェルジュ
    https://honcierge.jp/articles/shelf_story/3020

    「怪談」 円城 塔[文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322202000842/

  • ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「怪談」を新しいアプローチから訳出した本で、新鮮な読後感を得た。新しいアプローチとは、異国人であるハーンが日本の怪談に接し、それを欧米の人々に語ろうとした感動と驚きを伝えようとしている点だ。要するに、外国人は日本の怪談をどう読んだか、ということが分かる。そのため、人名や地名はカタカナ表記(芳一はホーイチ、壇ノ浦はダン・ノ・ウラなど)にして、英語表記の名詞はあえてそのままにしてある(縁側はベランダ、刀はロングソードなど)。その結果、読者は日本の物語なのに、どこか異国の話を、たとえばアラビアン・ナイトの一節を読んでいるような気にさせられる。何度も読んだ「怪談」とは、まったく別の本のように思えた。

  • 日本で親しまれている小泉八雲の「怪談」は、そもそもはラフカディオ・ハーンの「KWAIDAN」であるという、当たり前だけど見過ごしがちなとこに目をつけた円城塔がすごい。

    ホーイチはヘイケグレイブヤードでビワを激しくプレイし、
    雪嵐の中、藁製レインコートを着た少年はコテージでユキ・オンナに襲われ、
    オ・ジョチューに化けたゴブリンに遭遇した男は深夜営業のソバ・スタンドに逃げ込み、
    老いたサムライは桜の木の下でハラキリの儀式をする。

    どこの国の話だかとんとわからないけど日本の話ではあるまい。

    後半の「虫の研究」と二部構成になってたのを覚えていなかった。
    こちらも興味深い。

  • 円城塔の新訳版。一部の単語をカタカナで綴り呪文のように見せることで不思議な異化効果を生んでいる。つまりは「当時の英語読者のように読む」ための訳し方。すごい。翻訳ってこんなことも出来るのか。稀有な読書体験を堪能しました。

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著者プロフィール

原作:ラフカディオ・ハーン
一八五〇年、ギリシャ生まれの英国人。アメリカで新聞記者として活動したのち、一八九〇年、日本文化への憧れから、島根県の松江中学に英語教師として赴任。松江出身の小泉セツと結婚ののち帰化し、小泉八雲を名乗る。熊本五高・東京帝国大学などで教鞭をとりつつ、日本研究を海外に向け紹介した。著書に『知られぬ日本の面影』『心』『怪談』など。

「2019年 『BL古典セレクション③ 怪談 奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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