彼女はそこにいる

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041134511

作品紹介・あらすじ

第1話「あの子はついてない」
母と共に庭付きの一軒家へ引っ越してきた中学生の茜里。妹の面倒を見ながら、新しい学校に馴染んでゆく茜里だが、家の中で奇妙なことが起こり始める。知らない髪の毛が落ちている。TVが勝手に消える。誰もいないトイレで水が流れる。ささやかだが気になる出来事の連続に戸惑う茜里。ある夜カーテンを開けると、庭に見知らぬ男性の姿が――。
第2話「その家には何もない」
不動産仲介会社に勤める朝見は、大学の先輩でフリーライターの高田に「曰わく付きの物件」を紹介して欲しいと頼まれる。次々に貸借人が入れ替わる家の話をすると、「内覧したい」という高田に押し切られて現地へ向かうことに。そこは最近まで中学生の娘と母親が暮らしていた庭付きの一軒家だった。
第3話「そこにはいない」
その家にはなぜ人が居つかないのか? 新たな住人をきっかけに、過去の「ある事件」が浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 毎日暑いですが、皆さま体調を崩されたりしていませんか。
    私は冷たい物のとりすぎで胃の調子が悪く、夜エアコンをかけたまま寝ているせいか体がだるいです。
    夏バテですね。



    さて『花束は毒』で驚かせてくれた織守きょうやさん。
    作家名とホラーという情報だけで図書館にリクエストしました。


    家にまつわるホラーらしいというのがすぐわかり、中学生の新野茜里と母親がその家に引っ越してきて、家に不審な疑惑を抱く場面。
    茜里が、学校の霊感のあるおばあちゃんのいる友だちの美波ちゃんと「こっくりさん」を始めるのがもの凄くベタでありきたりな展開な気がしてそこで「もう読まないで返却しよう」と思い一度投げました。

    でも、我慢して読んでいくと、いわくつきの家に新しい借り手と称して高田という記者が現れ、謎を解いていくと家に霊的なものは何もなく、全部科学で証明できそうになります。

    そして、その辺まで読むとたいていの人は一番怪しい人物に気づくと思います。
    一話、二話はそこまでで、三話目になると、怪しい人物の語りになります。

    なぜ怪しい人物が家を霊的に怪しく見せるような小細工をしたのかという話になります。


    やっぱりあれでした。(私は気づかなかったけれど)
    そして、この話はホラーではないです。
    全然怖くないです。
    犯人が一番怖い思いをしているのを笑いながら読む、コメディタッチともいえる裏ホラー(そんな言葉あるのか?)でした。(正しくはミステリーでしょう)。

    • まことさん
      傍らに珈琲を。さん、こんばんは♪

      ご心配ありがとうございます。
      以前、内科でもらった漢方薬のおかげで、胃の調子はなんとか、回復してきました...
      傍らに珈琲を。さん、こんばんは♪

      ご心配ありがとうございます。
      以前、内科でもらった漢方薬のおかげで、胃の調子はなんとか、回復してきました。

      傍らに珈琲を。さんは、手作りジンジャーシロップなんですね!
      からだによさそうな感じがします。
      傍らに珈琲を。さんも、体調管理して、ジンジャーシロップで、夏を乗り気ってください。

      今年は今までにない、酷暑ですね。
      台風も、近づいているらしいし、停電、怖いですね!
      エアコンが切れたらと思うと、恐怖です。
      ペットボトルを凍らせておくと、役に立つと、テレビで、いっていたので、用意しておこうと、思っています。

      夏は、ホラーやミステリー、いいですね。
      京極夏彦さんは、私も好きです。
      今、一冊、積んでいる本があるけど、長さを考えると、ちょっと、躊躇してしまいます。(^^ゞ
      2023/08/09
    • 傍らに珈琲を。さん
      まことさん、お返事ありがとうです♪

      体調へのお気遣い、有難う御座います。
      ですね、ですね、お互い元気に夏を乗り切りましょ!
      ペットボトル、...
      まことさん、お返事ありがとうです♪

      体調へのお気遣い、有難う御座います。
      ですね、ですね、お互い元気に夏を乗り切りましょ!
      ペットボトル、同じ恐怖感を抱いていて、既にペットボトルを凍らせております。
      あと、無理した皺寄せが秋にやってこないようにしなければ!

      京極先生、お好きなんですね。
      嬉し~♪
      1冊が分厚いですよね、よ~く分かるのでニンマリしてしまいました。
      2023/08/09
    • まことさん
      傍らに珈琲を。さん♪

      ペットボトル、既に凍らせていましたか。素早い!
      今年は酷暑ですが、このまま地球温暖化が進み、また来年もその次も...
      傍らに珈琲を。さん♪

      ペットボトル、既に凍らせていましたか。素早い!
      今年は酷暑ですが、このまま地球温暖化が進み、また来年もその次もとなるのかなあと思い不安ですね。

      京極さんは『書楼弔堂』のシリーズの破暁をこの春読んだまま、次を積んでいます。
      傍らに珈琲を。さんの、京極さんのレビュー楽しみにしています。
      2023/08/10
  • 早々に退去してしまう一軒家の賃貸物件、関わった人々の群像劇&ホラーミステリー #彼女はそこにいる

    ■きっと読みたくなるレビュー
    これはチャレンジングな作品ですね。この物語の組み方はあまり見たことがない。序盤、思った以上に進行が早くて、どんな結末を迎えるのか不思議だったんですが、読み進めていくとナルホドな仕掛けが待っていました。

    本作は全三章から構成されていますが、面白い工夫がされています。詳しくは言いませんので是非読んでみてほしい。でも全体としてはエンタメ小説として形を成しているところが素晴らしく、技あり一本でしたね。

    また本作は、キャラクターにセンスを感じますね~
    どこかで見たような身近なキャラばかりで、人間関係も会話もスタンダードなんです。でも実は…みたいなところの匙加減が絶妙ですね。
    日常と非日常の狭間にあるリアルさと薄暗さがヒタヒタと伝わってくるのよ。怖い…

    〇あの子はついていない
    家族が賃貸物件に引っ越してきてからの物語。家族に不可解なことが起こり始めて…
    ストーリーやギミックとしては想定範囲内ではあるものの、なにより家族の関係性に胸を打たれる。

    〇その家には何もない
    不動産屋とその友人が、賃貸物件の謎めいた現象を調べていくと…
    二人の人間性や価値観のズレ、掛け合いが面白く、するすると読んでしまいまいました。高田のキャラはいいですね~、ぜひ別の作品でも登場してほしい。

    〇そこにはいない
    終章、この家にまつわる出来事が描かれてゆく…
    その人がそうなりますよね、という予想できた展開ではありますが、これが思った以上に熱かった。この家や関わっていた人間たちの真の闇が見えてくる。
    特にメイン登場人物二人の距離感が深く描かれ、不安定な怖さを煽ってきますね。

    ■きっと共感できる書評
    亡くなった母が、私に良く言っていたことがあります。
    我が家は祖母から引き継いだ大事な土地で、なによりも大切にしたいのだと。

    私も家族を持ち、自宅を購入したのですが、住宅ローン完済のために働き続ける毎日です。年齢を重ねてくると少しずつ人生の終わりを意識し始めてしまう。できれば家族にはずっとこの家で暮らしてほしい。

    なんとなく母の気持ちが理解でき、実家の暮らした幼かった日々を思い出したのでした。

  • 人が居つかない家というものは存在する。というのに興味を感じて手に取った本。
    ホラー満載かと思ったが、そうでもない。
    短編3話あり、これがひとつの家に関連した物語だった。

    第1話 あの子はついてない〜中学生の茜里は母と中古の一軒家に引っ越してくる。この家で、知らない髪の毛が落ちていたり、突然テレビが消えたり、ついたり、夜中にトイレの水が流れたり、庭の花壇に顔のしみが…茜里だけが気になっているのか?

    第2話 その家には何もない〜不動産仲介業者の朝見はフリーライターの高田に「曰くつきの物件」を紹介してほしいと頼まれる。
    最近まで中学生の娘と母親が暮らしていた一軒家は、短い期間に次々と賃借人が入れ替わるのだと話をする。
    その家を内覧し、過去に住んでいた賃借人のことを調べていくうちに…。

    第3話 そこにはいない〜新たな住人が引っ越してきた。彼はやっと、というかついに住むことができたと、今までのことをひとり語りする。


    2話からこれは誰の仕業なのかというのが、見えてくる。そしてとうとう正体を現すのは3話で、やっぱりそうなのか…と。
    だがこういう結果とは想定できなかった。
    そして、どうするのか?と思っていたら大家さん登場なのである。
    いゃ〜、大家さんが妙に明るいのが怖いのである。

  • 記憶屋が好きで読み始めた織守きょうや作品。
    率直な感想は??
    家系のホラーかと読み始めて、もうひとつホラーに
    寄りきらず、2章では結果が見えてきて…………
    最終章では、やはりそのまま……??
    幽霊より人間が怖いということか……
    自分の読解力、文章からの汲み取りが足らないのか
    何だかもうひとつでした。残念。

  • その家にはなぜ人が居つかないのか…
    やって来た住人が早々に引っ越してしまう一軒家
    その理由は一体!?


    あなたの家は大丈夫?
    いろいろな怪現象が起こったりしませんか?

    例えば…、
    テレビがいつのまに勝手についている
    深夜トイレの水が勝手に流れる
    バスタブに見知らぬ髪の毛が大量に落ちている
    ブレーカーボックスを開けると髪の毛がからまっている

    こんな怪現象が起こる家は怖いですよね

    けど、これらがもし人為的に行われているとしたら…( ゚д゚)ハッ!

    どの程度怖いと感じるかは人それぞれだが、見えない幽霊や怪現象が怖いか、何者かが人為的に行っている悪意が怖いか、どっちだ!

    • 1Q84O1さん
      人が取り憑かれて…
      怖いことを言ってる…(;´Д`)
      人が取り憑かれて…
      怖いことを言ってる…(;´Д`)
      2023/12/05
    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      いやぁ…怖いですね!
      人為的なのは悪意がそこに存在するし…
      それも怖いけど
      悪意が関係ないの...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      いやぁ…怖いですね!
      人為的なのは悪意がそこに存在するし…
      それも怖いけど
      悪意が関係ないのも怖いっ!!
      何より、この作品の表紙が怖いです(*_*;
      2023/12/11
    • 1Q84O1さん
      かなさん、おはようございます!
      心霊現象は見えると怖いかも…
      けど私は見えないし感じないから一安心ですw
      なので、やっぱり人為的が怖いのかも...
      かなさん、おはようございます!
      心霊現象は見えると怖いかも…
      けど私は見えないし感じないから一安心ですw
      なので、やっぱり人為的が怖いのかも…
      表紙、確かによく見ると…((((;゚Д゚))))
      2023/12/11
  • 図書館で何となく手に取った本。
    ホラー?ミステリー?
    3章からなるこの小説は賃貸の一軒家で短期間で入居者が代わっている。途中で真相は何となくわかったためか3章では惰性で読んでたものだから、終盤のある場面でゾッとした。1番怖い人はあの人だ。

  • ミソはそこ⁇の一冊。

    居るの?居ないの?どっちなの⁇
    ストーリー展開からある程度の予想はつきやすいけれど、ぞくッと感もそれなりに盛り込まれていたホラーミステリだったかな。

    一話目から三話目まで順序よくリードされる構成。

    一話目は怪異てんこ盛りで震えさせながらの、違和感が導く案の定と残る怪異のモヤモヤ。
    二話目はそのモヤモヤがテキパキと処理されていく感じ。
    そして三話目へ。

    滑らかな導きがもたらした真相に理解不能、身勝手さを感じたところに突然それは来た。

    このストーリーのミソはそこ⁇そこだったのか。
    これ、一番嫌なパターン。

    • まことさん
      くるたんさん、こんばんは♪

      暑中お見舞い申し上げます。
      毎日、暑いですが、お元気でしょうか。
      今年はくるたんさんと共読本、少なくて残念です...
      くるたんさん、こんばんは♪

      暑中お見舞い申し上げます。
      毎日、暑いですが、お元気でしょうか。
      今年はくるたんさんと共読本、少なくて残念です。
      この作品と、小林由香さんと、『ヨモツイクサ』くらいしかないですね。
      こないだ、読まれていた、新潮ミステリー大賞の作品、読んでみたいなと思ったけど、今、図書館予約満員で…。
      この作品はやっぱり、ホラーでもあるんですね。
      私は、おばけはでないから、普通のミステリーだと思ってしまい、ちょっとふざけたレビューになってしまいました。
      2023/08/11
    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪

      ありがとうございます♡

      ほんと、最近共読少ないかも。こちら、いわゆる人怖ホラーってやつですね。
      でも一話目の人...
      まことさん♪こんばんは♪

      ありがとうございます♡

      ほんと、最近共読少ないかも。こちら、いわゆる人怖ホラーってやつですね。
      でも一話目の人形といい、きちんとしたホラーもあって、私は一話目のテイストでいってほしかったです(^^;;

      キツネ狩り、ぜひ読んでみてくださいね♬
      警察小説も特殊の風が吹いてきた、って感じです✩⡱

      まことさんも暑さに負けず、体調に気をつけてお過ごしくださいね✩⡱
      2023/08/11
  • 3章からなる事故物件ではないけど、なぜか人がいつくことはない住居を舞台にしたホラー小説。

    個人的には第1章の引きが面白くて、どんどん読み進めた感はあったのですが、結末に近づいてくると、求めてた展開と少し違ったような感じがして、少し評価は落ちたのかなと。

    著者の本といえば「花束は毒」などが浮かびますが、本作もゾクっとする展開になっていて、若干の後味の悪さもあって、この猛暑の中読むのにはある意味良かったのかなと。

  • 一軒家で続く怪現象。関係者の三つの物語から浮かび上がる存在とは…?
    著者初のホラーミステリ。

    連作短編。幽霊に恐怖というよりは儚げなものを感じました。存在そのものが物悲しいような…

  • ★3.5
    ホラーミステリー調。
    もっと怖い方に振り切れるか、もっと論理的に解決するか…といった方が好み。
    最後の幕切れも、え、そうなの?それでいいの?
    方向性のまだ掴めない、第一章が一番楽しめる。

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著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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