エレファントヘッド

著者 :
  • KADOKAWA
3.70
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本棚登録 : 1953
感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041141786

作品紹介・あらすじ

精神科医としてはたらく象山(きさやま)は、過去の影におびえながら、愛すべき家族とともに暮らしていた。しかし、謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。

感想・レビュー・書評

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  • 超推し★5 奇想天外の発想力と濃密ロジック、海馬と脳幹をかき回す本格ミステリ #エレファントヘッド

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ひとことで言うとバケモノ。

    何とかと天才は紙一重っていうけど、これを書いた白井先生の脳みそを垣間見たい。そして何度も校正校閲した皆さん、編集者の皆さんを褒めたい。さすがプロ。

    白井先生の才能と毒素が思う存分に発揮されている名作ですね。覚悟して挑め!というより、むしろ読む麻薬だと思ってエンジョイするのが吉です。

    ストーリーや展開は楽しみを奪ってしまうので言えません。家族思いの医者の物語、以上。

    これまで同様の着眼点、発想の作品はなくはないんでしょうが、これを上回るものは少ないだろうという素晴らしい出来です。

    白井先生と言えばグロと緻密すぎるロジックですが、どちらも最高の域。
    ロジックの半端ないエグさ、ねぇこれ矛盾ないんですか… 濃厚すぎて、わかんないです。しかも何度も何度も何度も何度も何度も何度も、はぁ????という論理展開。でも納得できちゃう(気がする)。そして終盤の解法なんて、奇才ぶり&白井先生っぷりが大爆発してます。

    伏線もすげーところから切り込んでくるんだよなぁ、さすがに気づかないですよ。もう完敗だし、無理だし、脳髄とけてくる。

    また読ませるのが上手なの、最初の数ページでもう驚愕ですよ。
    なかなかのストーリーですから、軸足をしっかりさせないと読者を置いてけぼりにしちゃうんでしょうが、これが丁寧に書かれているんですよ。でもいつもの雑っぽさとグロさもあって先生の魅力が伝わってくる。心情描写もしっかり描かれていて、感情移入したり、全くできなかったりするんです(どっちなんだ)。

    まさに次郎系ラーメンや激辛カレーのように、この作品でしか味わえない鬼ウマ絶品料理でしたね。

    と…、限りなく内容には触れず、熱い想いだけでレビューを書いたつもりです。年間ランクが楽しみな本作、皆さんもぜひぜひ楽しでください。

    ■ぜっさん推しポイント
    人間の美しさや汚らしさ、優しさや冷たさ、上品であり下品で、超絶知的でもあり馬鹿馬鹿しくもある。もはや芸術作品なんですよね。でも純文というのではなく、思いっきりエンタメなんですよ。

    これまでも色んなミステリーを楽しんできましたが、こんなトンデモな出会いがあるから止められないんですよね。

  • 謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!
    と帯に書かれたら何も感想がかけない‥
    前作『名探偵のいけにえ』が面白く、多重解決ミステリーを欲したがそこにSF要素を加わっており大満足

    あり得ない(?)設定で犯人は自明
    こんな設定よく考えたものだ

    中二・ヲタク気質なネーミングワードはグロを和らげる中和剤になってるかと

    おすすめはしないがインパクトは凄い
    あ゙ー語りたい

    琴線メモ
    ■ネコの大脳化指数を一とすると、アフリカゾウは一・三。ゴリラは一・五から一・八。チンパンジーですら二・二から二・五です。ところがわたしたち人間の大脳化指数は、七・四から七・八にまで達します

    ■なぜ、何の躊躇もなく、キャンプランドのお姉さんにコカコカライムをもらうことができたんでしょうか

  • 秋の夜長!

    はい、さん、し♪
    あ〜きのよ〜な〜が〜に〜♪
    て〜る〜や〜ま〜も〜みぃ〜じ〜♪
    夕日だバカタレ!

    秋と言えばもちろん読書の秋ですよね!
    みなさん読書に勤しんでらっしゃるようで予約待ちの順番が回ってくるのが早い、早い
    なんかごっそり来て嬉しい悲鳴

    そしてもう一つ秋と言えばautumn544akiさんです
    というわけで秋さん超推しの『エレファントカシマシ』じゃなかった『エレファントヘッド』を読んでみましたよ!

    いやーすごい!
    すごすぎます!
    この設定で多重推理やりますか
    もう複雑すぎるくらいに入り組んだ状況を提示しといて鮮やかに紐解いてみせる
    感服です
    昔の武士は十四歳くらいでってそれは元服

    ただね〜
    ここまでグロくする必要ないじゃんて思ってしまってね〜
    あまりどぎついグロは苦手なんよ
    いやそれが白井智之さんの色なんだろうけどさ
    あとやっぱり人が記号のようなんよな〜
    どうしても受け入れ難い設定というか状況があって
    すごい!すごいんだけどわいはもう白井智之さんはいいやって思っちゃいました
    と言いつつまた秋さんが超推ししてたら簡単に覆るでしょう

    • autumn522akiさん
      ひまわりめろんさん、こんちわです
      推し作品を読んでくれたなんてマジ嬉しいっ ありがとうございます~

      そして素晴らしいレビュー。
      そ...
      ひまわりめろんさん、こんちわです
      推し作品を読んでくれたなんてマジ嬉しいっ ありがとうございます~

      そして素晴らしいレビュー。
      そうなんです、このアクの強さ、バケモノ感、もはや変態。でも迫りくるスゴ味。たまにはこんなお料理もいいでしょ。
      2023/10/12
    • ひまわりめろんさん
      秋さんおはようございます!

      いやーすごかったです
      白井智之さんは『名探偵のいけにえ』についで二冊目(記録見返したら『名探偵のいけにえ』も秋...
      秋さんおはようございます!

      いやーすごかったです
      白井智之さんは『名探偵のいけにえ』についで二冊目(記録見返したら『名探偵のいけにえ』も秋さん推しで読んでましたw)なんですが多重推理得意なんですかね
      他に読んで確かめたいって気持ちもあるんですが、やっぱりきつグロは苦手で…
      反面グロが大丈夫というか好きな人は絶対読むべき一冊ですよね

      あまり詳しくは書けないんであれですが、実はこの設定って多重推理がやりたくて思いついた設定なんじゃないかと思ってます
      多重推理のための多重世界
      (多重世界はけっこう前半から動き出すからギリネタバレセーフということで)

      秋さんの推しはいつもチェックしてるんで、また読みたくなるレビューおなーしゃす
      2023/10/12
    • autumn522akiさん
      わかるー、自分もその着想から組み立てたと思ってます。
      にしても、ここまで綿密に仕上げるんですから、鬼スゴなんすよね~

      チェックしてく...
      わかるー、自分もその着想から組み立てたと思ってます。
      にしても、ここまで綿密に仕上げるんですから、鬼スゴなんすよね~

      チェックしてくれているなんて、ホントありがとうございますmm
      これからもどうぞよろしくです!
      2023/10/13
  • これは…奇抜すぎて予想できないミステリー!!
    すごいな〜〜、著者さん頭いいなー!!
    すごく複雑なのに、説明が上手なので付いていけた。

    面白いの。設定も、キャラクターも。
    でも…気持ち悪いよね!!!
    慣れていないので、不意に出てくるグロい描写に「わーお…」と思いつつ、するりと読み切ってしまいました。

  •  「名探偵のいけにえ」はすっごく好き!でも「名探偵のはらわた」はちょっと…という私ですが、この作品を読んでみました。白井智之さんの作品って、読んでてザワザワしますよねぇ…この作品は、でもザワザワくらいでは収まりませんでした(汗)。

     “ストーリーもトリックもロジックもネタバレ厳禁”らしいので…、レビューしようがないじゃない!でもねぇ~私はこの作品、読んでいてすごく混乱してしまったんです。読み始めからちょっとわかりにくい感じだったんで、メモ片手に読み込んでみたんですが…それでも、ちゃんと理解できた感じがしなくて…。でも読んでいる間は、ドキドキが止まりませんでした。そして迎えたエンディング…その先が気になってしまう展開になって…白井智之さんの作品って、グロいけど、上手なんですよねぇ…。

     ということで、個人的な感想…私的には「名探偵のいけにえ」の方が好きで、「名探偵のはらわた」よりはこの作品の方が好きかな…って感じました。あと、やっぱり、登場人物の漢字がなかなか馴染みがなく、読むのに苦労したのは‥この作品だけではないですよねぇ(汗)。

    • かなさん
      しじみさん、おはようございます!
      この作品、しじみさんの次男さんのところにあるのですか??
      しじみさんの次男さんも、本好きなんですね♪
      ...
      しじみさん、おはようございます!
      この作品、しじみさんの次男さんのところにあるのですか??
      しじみさんの次男さんも、本好きなんですね♪

      この作品というか、白井智之さんの作品は
      とにかくグロくって、たくさんの人が死んじゃいます…
      (あぁ…朝からごめんなさい(汗))
      そういうの、苦手な人もいますものねぇ…。
      そして、この作品はけっこう、読んでいて混乱しちゃうんです。
      でも、なんとなくこうかな~という着地点にたどり着けたので
      まぁ…よし!かなって、思い読みましたよ。
      2023/11/01
    • ヒボさん
      グロイのに免疫できてるヒボですσ(・ω・`)

      私好みの作品ってことですね(笑)
      グロイのに免疫できてるヒボですσ(・ω・`)

      私好みの作品ってことですね(笑)
      2023/11/01
    • かなさん
      ヒボさん、おはようございます!
      えぇ!ヒボさんなら、
      グロイの、どんとこいっ!
      (*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウ...
      ヒボさん、おはようございます!
      えぇ!ヒボさんなら、
      グロイの、どんとこいっ!
      (*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
      大丈夫、です。
      いつか、そのうち…気が向いたときに
      チャレンジしてみてくださいね。
      2023/11/02
  •  昨年味わった『名探偵のいけにえ』の、緻密に考え抜かれ畳み掛けるような推理劇の面白さを思い出し、本書を手にしました。

     本作は、精神科医・象山とその家族を中心とした物語なのですが、残念ながら、(私の読みが浅い為でしょうが)だいぶ読み進めても困惑が拭いきれませんでした。
     おそらくその困惑の要因は、時間を遡行し、複数の自分が登場する設定と目まぐるしく変化する展開かと感じました。どういう方向へ進むのか見当もつかず、物語の全体像や輪郭がつかみにくい印象でした。あと、グロさ加減も関係あるかな‥。

     ミステリーファンの方には、構想やアイディア、伏線と多重推理・論理の凄さが、ビシバシと伝わってくるんでしょうね。悲しいかな、ただただ、私の理解を超越していただけなのか、ちょっと置いてけぼりを食らってしまった感じで残念でした。

     最終的には読中の困惑が解消され、そういうことかと驚天動地のカラクリだったのですが‥。この著者の豊か過ぎるくらいの想像力や構成力はどこからくるのかと、感嘆する他ないです。

    • かなさん
      本とコさん、こんばんは!
      レビュー読ませてもらって
      私とおんなじ!!と思ってコメントしました。
      この作品、私もちょっとついていくのが大...
      本とコさん、こんばんは!
      レビュー読ませてもらって
      私とおんなじ!!と思ってコメントしました。
      この作品、私もちょっとついていくのが大変でした(^-^;
      そして、かなりグロかったし…
      でも「名探偵のいけにえ」は結構好きなんですけどね…。
      2023/11/15
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      かなさん、こんばんは〜♪
      嬉しいコメントありがとうございます( ; ; )
      やっぱり嗜好ってありますよねー
      モヤモヤした読後感でも、共感で...
      かなさん、こんばんは〜♪
      嬉しいコメントありがとうございます( ; ; )
      やっぱり嗜好ってありますよねー
      モヤモヤした読後感でも、共感できる方の存在は
      有り難いです‥感謝(^^)
      2023/11/15
  • ミステリー書評
    読書レベル 中級
    ボリューム 381頁
    ストーリー ★★★★★★!
    読みやすさ ★★★
    トリック  ★★★★★★!
    伏線・展開 ★★★★★★!
    知識・教養 ★★★
    読後の余韻 ★★★★
    一言感想:多重解決モノが好きな方、伏線回収多めが好きな方、特殊設定モノが好きな方、グロい描写も問題ないよ!という方にオススメの作品です。

    今年のミステリ部門No.1(私の個人ランキング)になりました!

    これは凄すぎる、、、何度も何度も唸り声が漏れてしまう作品でした。読後も「こんな設定をよく思い付くなー」と溜め息が漏れてしまいました。同著者の「名探偵のいけにえ」も読みましたが、多重解決の度合いがさらに濃くなっております。また、伏線も非常に多く無駄もなく、「この描写も伏線だったのか、、、」と何度も唸りました。ちなみにプロローグは、いったい何が起きているのか全く理解出来ませんが、とにかくそのまま読み進める事をオススメします。「なんか意味不明な話だなー」と、プロローグで読むのをやめてしまうと本当に勿体無いです(笑。

  • 精神科医が精神病に罹りやすいのは統計的にみても知られた話だそうです。
    ミイラ取りがミイラになる、ということですね。

    表紙からもわかる様に、本書はとても不可思議で、雲をつかむような物語でした。

    主人公が精神科医なので、精神病の患者も出てきます。
    精神病の患者なので、その人が言っている事が本当なのか、幻想なのかがまずわからなくて、頭が混乱してしまいます。

    物語の途中から主人公にもある出来事が起き、更に一層話が複雑になっていき、愚鈍な私は理解するのを止めてしまいました。

    ミステリーとしては、伏線を回収し、真実に辿り着き、スッキリとしました。

  • ネタバレしたくないし、万人にオススメもできない、ジレンマの一冊です。
    映像化したら性的表現&暴力表現等で18禁は確かでしょうか。
    軽いギャグを交えたテンポのよい文章なのに、内容は薄暗く不穏な空気をまとっています。そのちぐはぐな感じに多少違和感を感じながら読み進めると、物語は想定外の方向へ暴走していきます。えーこれも謎解き?戸惑いなからも一気に最後まで読んでしまいました。
    5時間前の私なら星5つつけてたかも⁉️

  • エグい。
    設定がぶっ飛んでいるからかなかなか内容が難しい。こんな死に方ある?とか思ってたが読み終わってみると緻密に計算された小説だと思った。

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著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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