本当にまじめな作品。
医師という視点で真っ向勝負しています。
と、言うか医師という職業は
あこがれるものだけれども
なってしまうとどこか冷めた
視点になってしまうようです。
表題作がその際たるものでしょう。
彼はもう、肉親の死を悟っていたのです。
だけれども、それを分かち合えるものはいない…
そんな中、手術のときは
どうしても情がわくのでしょうね。
思わぬ行動をとるのですから。
最後に出てくる「霙」も
やるせなさを覚えます。
どうしても、弱者に対する偏見
蔑視はなくならないでしょうね。
そう、人が持つ醜い感情「優越感」が
邪魔をするのですから…