百戦百勝 働き一両・考え五両 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 168
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041310144

作品紹介・あらすじ

春山豆二は生まれついての利発さと大きな福耳から得た耳学問から徐々に財をなしてゆく。株世界に規則性を見出し、新情報を得て百戦百勝。”相場の神様”といわれた人物をモデルにした痛快小説。

感想・レビュー・書評

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  • 山種証券、そして山種美術館の創始者で、相場師山崎種二をモデルにした小説。波瀾万丈過ぎて、痛快で面白く、映画でも観てる気分で読むのが止まらずあっという間に読了。
    主人公の人間像の面白さに加え次々起こる相場の混乱や天災、歴史的事件や戦争。。と言った時代の流れに翻弄されながら生きる姿は想像を超えるものだった。
    兜町、茅場町、日本橋、深川。。。と自分に縁のある土地が舞台である上、最初は偽物をつかまされたものの美術品の収集を始め、山種美術館設立に至るところまで描かれており、本当に最後まで面白かった。
    主人公もさる事ながら、妻冬子がまた良い。お嬢様育ちならではの天真爛漫、能天気な性格と発言かと思いきや、肝の座った動じない態度、言動で内需の功を大いに発揮しており、主人公が影に日向に助けられこの妻あっての成功と言っても過言ではないと思わせるものもあった。妻に頭が上がらない主人公と妻の会話に思わず笑ってしまうし、妻が夫におねだりする時、どんな突拍子もない要求が出るかと楽しみにしてしまうのも、この小説の面白さの一つだった。

  • 初城山三郎。実際にモデルになる方がいるようで、面白かった。働き一両、考え五両。なるほどです。

  • 知略に富んだ相場の神様、実在の人物を描いた風ですね。勝負に勝つには情報が大事を地で生きた人のようです。ささやかに株をやってる身としてはその考え方も大いに勉強になりました。おおおとこて喧嘩っ早いと書かれているが、冬子さんやお安さんと話すときには「......」が多く、豪快な人柄よりは女性に弱い可愛らしい人物を感じさせ、その人柄に惹かれます。
    浮気の話がよく出てくるが、実在人物なのにいいのかな、といらぬ心配をしていまう。
    冬子さん、安さんをはじめ、好敵手の面々も味わい深いキャラ満載で最後まで飽きさせません。

  • 全勝

  • 2012/10/10〜

  • 破天荒な相場師の小説。
    相場の仕組みが全然分からない僕でもかなり引き込まれました。
    情報を大切にして必ずリスクヘッジをする。
    どんな仕事にも通じる肝です。

  • 冬子の素敵さが半端なかった。
    豆二にとって幸運の女神なんだと思った。

  • 戦前・戦後を駆け抜けた相場師の話。舞台は古いが分かりやすく痛快である。いつの時代も情報が最も重要。働き一両・考え五両、正確なマーケティングが成功には必要である。

  • 山種の話。働き一両、考え五両。そして、待ち十両と続く。

  • 一気に読んでしまえる本。
    豆二という主人公の性格がとても肉食系男子っぽい。笑

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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