- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041704073
作品紹介・あらすじ
自分の創作折り紙の個展会場で江戸期の手法で折られた蜻蛉を見つける華村。その夜、弟子の女性が殺され、現場にも紙の蜻蛉が落ちていた。少女の体に蘇った江戸の人形師・泉目吉が解き明かす四つの事件。
感想・レビュー・書評
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これまた再読。
怜ちゃんが江戸言葉で喋りだすとテンションあがる。ずっと目吉先生でいてほしい程。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドールズシリーズ第2弾。
1990年、中央文庫で購入。検索画像が中央文庫でみつからず、こちらで登録。
中篇4作。紙の蜻蛉はTVドラマ化されたはず。
お化け蝋燭…などは今思えば岡本綺堂、半七シリーズを思い出すし、だまし絵はその後のだまし絵歌麿を連想させる。
あれから30年。30年後の視点で読み返してみよう。 -
「ドールズ」に続く短編集。キャラの存在が定着したこともあってか、一作目の不気味さは薄れた気がします。
目吉いいなあ。それぞれの事件を解決するのだけれど、その解決のしかたが素晴らしい。限りなく優しい解決のしかただと思います。これはやはり彼にしかできないことなのでしょうね。犯人を暴いて糾弾したところで何もならない。犯人の心を解きほぐすことこそが本当の解決だという気がします。
お気に入りは「鬼火」。これ、犯人の情念がものすごく怖いですよ。なのに解決は優しくて。一気に穏やかな気分になれました。 -
短編集なので気軽に読めた。が、ドールズを読んでいないと設定がまるでわからないので本としては優しくない。軽いミステリー集なのだがどの事件も犯人がサイコパスなんだがただの一般人なんだか気質のようなものがはっきりしない感じはある。短編で無理にいい話として纏めている感はあるなぁ。この著者のストーリーテリングの力なんだろうけど捲る手は止まらない感じの本なので面白かったのは面白かったです。次作の「ドールズ闇から招く声」が長編な事もあり、書き込んだ方が深みが出て良いのだろうな。
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仙台で個展を開いていた創作折り紙の第一人者・華村研は、何者かが江戸期の手法で見事に折り上げた“紙の蜻蛉”を会場で見つける。その夜、弟子の女性が殺され、現場にはまたも紙の蜻蛉が落ちていた。華村を凌駕するほどの技の持ち主は誰か。彼が探し当てたのは、八歳の無邪気な少女・怜だった。しかも怜の身体には、江戸の天才人形師・泉目吉が甦っていた―。あらゆる仕掛け物から、はては人情の裏側にまで通じた比類なき名キャラクター、目吉先生が鮮やかに謎を解き明かす四つの事件。「紙の蜻蛉」「お化け蝋燭」「鬼火」「だまし絵」を収録。
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もう少し怖い内容かと思っていたけれど、実際には目吉が自分の正体を明かすことで人の悩みを解決するような人情話の色が濃くなってきた。
現在置かれている状況を正しく認識した目吉が見せる江戸への郷愁や技術力、出現するタイミングの絶妙さやぶっきらぼうなようで優しい言動など、最初の頃の異物感は消えてすっかり魅力的な存在へと変わりました。
最終的には消えてしまうだろうと予想するものの、しばらくはこの世界を楽しみたいです。
惜しむらくはタイトルと装丁です。このホラー感がなければもっと多くの人に読まれる作品になったと思う。 -
前世の人格(江戸の人形師?)が少女の中に存在して…というちょっぴりファンタジーなお話。2作目から読んでしまったのですが、それでも面白かった(*´∀`*)短編集ではなくガッツリ長編で読みたい★2015.05.13読了
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前作のドールズと比べるとホラー要素は全くと言って良いほどありません。
前作では長編でしたが今回は連続短編。
少女の中に甦った江戸時代に生きた男。
その男が現代の事件を解決していきます。
とっつき易さは今作の方が断然上ですね。
短編になっても面白さは衰えません。
次作もセンセーの活躍を期待して読み進めようと思います。