新訳 ロミオとジュリエット (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042106159

感想・レビュー・書評

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  • 「あぁロミオ、あなたはどうしてロミオなの」
     このフレーズは誰もが知ってる(そういやなんで有名なんやろ?)けど、ちゃんと読んだのは初めて。ザ・悲劇みたいなん想像してたけど、意外にダジャレや罵詈雑言も飛び交うんやね。ふふって笑かされることになるとは思っていなかった。邦訳もすごく練られているのか、読み心地よく、あっという間に読めてしまった。
     もともとはイタリアのバンデッロが書いた『ノヴェッレ』をシェイクスピアが英訳したもの。16世紀のイタリアらしく、知性や理屈をすっ飛ばした一目惚れから始まり、駆け抜けるように時間が飛び去る。家同士の愛憎が生んだ悲劇、ということであるが、解説にもあったように現代にも民族・人種・国家間、さまざまな対立があり、この世から愛憎がなくなる日はこないであろうことを考えれば、長く語り継がれるのは当然なのかも。
     これで明後日のバレエの予習はばっちりだ!楽しみ!

  • 最後の大公の裁きに感動した!

  • ジャケット良いね。金子国義。
    訳もおもしろい。リズムがある。

  • 初めてこういう類の本を読んだ。

    キャピュレット家主催の宴会の場で出会ったロミオとジュリエットが一目惚れした。

    紳士淑女の極みのような人格が、互いを想うときには言葉も振舞いも取り乱してしまう様が印象的であった。

    その互いの身分とのギャップから、どれほど好きなのかを読者に印象づけていた。

    しかし何故お互いに好きになったのか?その背景が理解できなかった。

    「モンタギュー家とキャピュレット家の和解」「平和はいいことだ(争いはくだらない)」という結論ありきで紡がれた物語という印象を拭いきれず、創作とはいえ、作者の作為を感じざるをえないのが残念であった。

    そして最後の「モンタギュー家とキャピュレット家の和解」についても、一見するとハッピーエンドのように思われる。

    しかし、これは「身近な者を失いたくない」「身近なものを失うことで初めてその残酷さを知る」という、あまりにも露骨な自己本位の表れであり、手放しに喜べる話ではないのではないか。

    もちろんこの物語は悲劇に分類にされているわけだから、美談として捉えるのはそもそも間違っているのかもしれない。

    しかしこのような観点からも、物語を捉えることも必要ではないだろうか。

    全体を通しては、平安時代のような言い回しの回りくどさを感じて、「一体何なんだこいつらは」と思い、ふと平安時代の文学にも通ずるところがあると感じた。

    しかしそれは、慎みとは真逆の精神によるもので、自己顕示やナルシスト、皮肉といった、日本ではあまり褒められない動機によるものであると感じた。

    また、あとがきの部分に「リアリズムを否定することで現れる醍醐味」のようなことが語られていたが、全くそのとおりであると思う。

    そして、あえてリアリズムの視点で以って、そこから見えてくる矛盾を見出し、それを受け止めることで感じる面白さというものもあると考える。

    そもそもリアリズムの視点に立てばあのような言い回しなどありえなないが、あの非現実性が文学の可能性を広げ、読者に楽しみを提供してくれているのだと思う。

  • ロミオが惚れっぽい女好きな若者として現れたのがまず意外。
    女好きな性格にはジュリエットと出会う前まで本当の恋を知らなかったからだと強調するためという意味があるらしい。

    しかし、冒頭の美人を讃える偽の恋の場面と、ジュリエットを讃える真実の恋の場面のろみの想いの違いが分からない。
    愛する2人のやりとりのなかに「これこそが真実の恋だ!」と思える瞬間が見つからず、腑に落ちないまま読み終わってしまった。そもそも真実の愛って何かもよくわからないけど。
    でもまぁ源氏物語みたいに、恋多き男が真実の恋を語る物語は他にもたくさんあるので気にしなくてもいいかも。

    13歳で世間知らずなジュリエットにとっては、初めて自分の世界に現れた身内以外の男性がロミオだったはず。
    恋する当人は大真面目なんだろうけど、なんかもう真実の愛というか、ただ初めて見る男性だからかっこよく見えただけとか、ただの若気の至りじゃないの?という気すらしてくる。

    2人の恋愛に感じたのは、人間の愚かさというか、若さに対しての呆れというか、もっと良い方法がありそうなのに悲劇に酔ってドタバタと死なれてしまい、愛の美しさに泣きくれる前に呆気にとられてしまう。
    でも何故か登場人物の若い愚かさは許せてしまい嫌いにはなれない。

  • 授業でレポートを書くために読みました。
    何となく話は知ってたけどちゃんと読んだのは初めて。

    もっと悲劇的なイメージだったけど、以外と下ネタか多くてびっくり(笑)

    しかも、出会って何日目でこの展開にいったの、これ?
    色々と、驚きの連続でした。

  • 大学時代にゼミの発表課題として選択した作品。

    テラスでの「あぁロミオ、あなたはどうしてロミオなの」は超有名な台詞ですが、元々ソネットを多用している作品なのでこれ以外にも美しいフレーズは沢山出てきます。

    日本でも舞台などで公演されている「ウエストサイド物語」はこのロミオとジュリエットが元になっている作品。

  • レオナルド・ディカプリオの主演映画『ロミオとジュリエット』を見ながら、対照させて本文を読んでみた。

    いやまったくほれぼれしてしまうくらい、原典に忠実に映画が作られていて、非常に楽しめました。

    映画も、翻訳本も。

    シェイクスピア翻訳と言えば数々の名訳珍訳が出ていますが、この角川文庫の新訳版は、とても読みやすいです。

    巻末解説が鴻上尚史さんで、シェイクスピアが取っつきにくいと感じている人ほど、一度は読んでおきたい解説です。

  • タイトルだけは聞いたことがあった。
    劇口調だが、重要な所は分かったし参考になった。

  • 借本。
    翻訳者の違いを感じたくて借りてみました。
    読みやすくて、わかりやすくて、面白い。
    言葉遊びが凄い!

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著者プロフィール

1564-1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた。その作品の言語的豊かさ、演劇的世界観・人間像は現代においてもなお、魅力を放ち続けている。

「2019年 『ヘンリー五世 シェイクスピア全集30巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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