- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042750086
作品紹介・あらすじ
ある日、著名な作家のもとを妻が去った。作家はその後も成功を重ね、新しい恋愛も始めたが、当惑は止まない。彼女は誘拐されたのか、それとも単に結婚生活に飽きたのか。答えを求め、作家は旅に出る。フランスからスペイン、クロアチア。数々の不思議な出会いに導かれ、ついには中央アジアの平原へ。風吹きすさぶその地で、作家が触れる愛の真実と運命の力とは-。コエーリョの半自伝的小説。
感想・レビュー・書評
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失踪した妻を探し求め、真実の愛へとたどり着くある作家の話。『ザーヒル』とは、盲目的に意識が囚われてしまう存在のこと。この作家にとってのザーヒルは、彼の元を去った妻であった。しかし聖なる存在と交信できるという不思議な青年と出会うことによって、彼の心はだんだんと浄化されていく。コエーリョも経験したという宗教儀式や巡礼などがこの話の大事な骨格になっている。そのため、内容的にはすぐには受け入れがたい部分もあるが、著者独特の冒険仕立てのストーリーがこの話のスパイスとなっていると思われる。
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いつものパウロ節はきいているけれど、ちょっと長くて発散的。なので「ベロニカは死ぬ事にした」か「11分間」、「ブリーダ」のほうがおすすめ
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死と対面しながら、生きていく事。
ちょうど読んでいる時に
スティブジョブズが亡くなって、より考えさせられた。 -
愛した女性とジャンヌダルク。セックスと神。小説と小説家。世界の終わりと世界の終わりみたいなところ。アルメニアとパリ。物語とエネルギー。
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失踪した妻を探す主人公の物語。切なさが残る感じである。夫婦の溝がちょっとずつ深くなっていることに気がつかなかった主人公。妻の心の痛みに同感した。
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今までのパウロ・コエーリョの本の中で、読み終わるのに一番時間が掛かったし辛かった。一緒に右往左往して、悩んで考えて、どんづまりからでも突き抜ける事はできると感じられたので、読後感は良い。慰めのようなハッピーエンドではない所に安心もできた。
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著者の自伝的小説。本人を想起させるキャラクターを設定することによって、リアリティを創出。
カザフスタンのテングルという文化は興味深いものがあり、「神はステップのどこにでもいる」という宗教観と、「来歴(ザーヒル)から解放されるために、来歴を語る」という野心的な試みは、何かしらの示唆を与えてくれる。 -
「11分間」と併せて同時読み中。
テーマは同じでも味付けが違う。
読みかけでどこへいったーーー