- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043520282
作品紹介・あらすじ
あの倫太郎が中学生になった。不登校、暴力・・・厳しい子供たちのいまをじっくりかつ朗らかに描き出す必読の小説。
感想・レビュー・書評
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この時の教育事情と、現在の教育事情は違うものだとわかっていつつも、やはり惹かれてしまう、灰谷さんの教育観が透ける。
久しぶりに続きを読んでみて、一人の大人として、教育者として襟を正したくなる。
今回のお話では、倫太郎の友人、タケヤンの家庭事情が明らかになります。
思った以上にもつれているように思える家庭。
ですが、倫太郎やフランケンの、家庭のあり方、タケヤンの姿勢、男女関係の捉え方が、世間の常識とはまた違ったところにあるのがとても面白い。
リエの不登校の問題も浮上。
今時の不登校とは違うが、お節介と親切の違いは深く考えさせられる。
結局、根本的解決にはならなくても、誰かがなにかを言ってくれる、そういったきっかけのあるかないかは大きいのではないかと感じた。
こうあるべきという世間の倫理観から離れて、人として相手に何ができるかを真摯に自分に問いかける倫太郎の姿は、人としてどうあるべきかを読んでいる人に問いかけるようです。
よくこんなに人間的な魅力ある人を描けるなぁと、毎回感心します。
今回のお話でも、先生ではない大人が、子供を子供扱いせず、自分の生き方をおおらかに子供に見せつけます。
そのことが子供たちの気持ちを揺り動かす。
人間的にこいつはダメだと思える大人にも、その変化の兆しをしっかりと描き、その人を見捨ててしまわない。
なによりも、子供に向ける言葉が、大人のこちらにも響いてくる。
泣ける、切ない、そういう感傷的な「感動」ではなく、こちらも教えられる思いとなる、自分を見直したくなるような、心動かされる「感動」がある。
だらしなくしない、人とは真心を込めて付き合う、そういった至極当たり前のことが、心の奥の方で、腹落ちするような感覚になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登録番号:0142340、請求記号:J913.6/H15/2-1
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このシリーズは本当に素晴らしい作品だと思う。親になる人、教師を志す人はぜひ読んだ方がいい。
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- 幼年編では夫婦の会話がおもしろかったけど、少年編では芽衣と潤子の話がおもしろい。大きな組織の歯車になっている自分の旦那たちを見て、男女格差があるからこそ、自分たち女の強さがあるという視点。意識すらしたことなかったけど確かに、と思った。そしてこれを男の作者が書いてるのもまたいい。作家という、歯車になりきらない立ち位置だからこそ、冷静に物事を見られるのかも。
- 倫太郎とフランケンは相変わらず大人で、宿題を写したアズサに対しての言動とか、お節介と親切の違いとか、読んでいるこっちが勉強させられる。
- 倫太郎がリエの部屋の前で話しかけるシーン。イケメンすぎて…。小学校入りたての頃、先生に怒られそうな倫太郎をリエが泣きながらかばおうとした話も、それをしっかりと「お前に借りがある」と覚えてる倫太郎も、泣かせてくる。 -
主人公の倫太郎が幼少期から成長する姿を色々な人との関わりを通して描かれている。人との関わりの中で成長すること、人との繋がりの大切さを実感する。連作ものだが、是非読んで欲しい。
(選定年度:2016~) -
やんちゃな主人公倫太郎やその友だち、彼らを取り巻く大人たちを通して、大人は子どもにどう向き合ったらよいのかを教えてくれます。人間としての必読書!といっても過言ではありません。
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小学5年生になっても優れた感覚、感性を維持する倫太郎。
人の気持ちを汲んで行動に移すことは、おせっかいになるのか?それとも親切なのか?
その微妙なラインを見極める時に、なかなかこれ!と言いづらい部分があるが、それを見極める過程が大事なのではないか。
あっという間に読み終わるが、たくさんの感性に気づかされ、また自分に足りないものが浮かび上がってくる。
これは小説ではない。 -
小学5年生の倫太郎と、倫太郎を取り巻く人々の物語。
それぞれの家族の複雑な事情、学級で起こった「事件」など、小学生の子どもを持つ身には、他人事とは思えないどきどきの展開でした。
いろんな事情を抱えながらも、豊かな人間関係の中でのびやかに成長していく子どもたちが愛おしく思えました。
「いえでぼうや」のような本屋さん、あったらきっと入り浸っちゃうだろうな、、。 -
子どもを育てるのは、親だけじゃないんだよね。
友達や先生、身近な大人等々…。関わる一人ひとりが子どもに影響を与えるんだなぁ…。
ぜひ、一度は読んでもらいたいシリーズです。 -
自分で考え、行動をするようになってきたこども達の成長が感じられます。昔はこどもだった大人達は、こども達に何をすべきだろうと、読んでいて考えさせられます。