もういちど走り出そう (角川文庫 か 36-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 285
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043648030

感想・レビュー・書評

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  • ミドルエイジが青春を取り戻そうとする話だったと思う。歯医者と不倫する話だっけ...(曖昧な記憶)

  • 巷では『一瞬の風になれ』といった"走る"小説が話題のようです。それでという訳ではないのですが、自身が800mの選手だった川島誠さんの小説です。もっとも"走る"ことは背景としてしか描かれてませんが(ちなみに表題は再出発の意味です)
    文体に凝ってますね。でも、それが少し上滑りしてるようです。
    どろどろしたテーマなのですが、ごくさらりと、冷静に扱っています。都会的といえばそうかもしれませんが、特に妻などの女性の側からの視点の欠如が気になります。結果としてなんだか物足りないものになってしまいました。

  • 「彼女が単に、とても植物園にいることを楽しめるということ。それ自体を私はうらやましく思った。
    なぜなら、私の場合は、同じくらいの喜びを得ようとするなら、四〇〇メートル・ハードルをしなければならないのだ。」
    なんだかここが好き。鞠子という名前も可愛くて好き。

    はじめは文体に慣れなかったが段々と楽しめた。
    読んでる最中はそんなに古い小説だと思っていなかったが最後の方で出てきたインプラントの記述を見て奥付を開いてみると1994年刊行でびっくり。文体も昔の本だからなのかな。
    この作者の最近の小説を読んでみたいと思った。

    あと、題名がダサいと思う。

  • 全然スポーツ青春ものじゃなかった。
    本の紹介ページに騙された気分。

  • 35歳の主人公。
    妻は美人でスタイルもよく、娘はもちろん(なぜもちろん?)可愛らしい。
    普通の歯科医院より3倍も多く設備やデザインにお金をかけた個人歯科医院を経営し、丘の中腹に建つゴージャスなマンションでは、後付けで工事してもらって寝室で有線放送も聞けるんだってさ。
    主人公の車はボルボ、妻の車はプジョー。
    本人はスポーツマンで、金もセンスもある。
    とことんいけ好かない奴ではないか。

    で、妻が、いつの間にか小説を書いていて、新人賞を受賞し、売れっ子として活躍しだしたところから夫婦の歯車が狂いだす。

    それのどこが挫折なんですか?
    甘ったれるのもいい加減にしろ。
    確かに妻の書く小説は、過激な性描写が多く、私小説のように読めなくもないとなると心穏やかでいられないのはわかるけど。
    なんだか自分が被害者のように傷ついたアピールをするのは気に入らん。
    悉く、何が何でも気にくわない。

    でもこの話、挫折を知らないこの主人公の話ではなく、ごく普通の暮らしをしているごく普通の35歳の人間なら、ごく普通にこういう経験はあるんじゃないだろうか。
    ある程度成功したと思える自分の人生が、実は非常に不安定なものであり、簡単に失敗に転じてしまうかもしれないという不安。
    仕事に対するものか家族に対するものか、絶対と思っていたものが絶対じゃないとわかってしまうこと。

    そこで一度立ち止まった主人公が、もう一度夫婦で向き合って、また走り出そうという話。
    しかし、互いの不倫を追及することもないまま、二人でエイズ検査を受けてチャラにするって心理がよくわからない。
    うーんんん。(-"-)

  • くせになる文体。

  • 800の続編ともいうべき内容です。今度は400ハードルでインターハイ3位という成績を収めたことがある29歳の歯科医という設定です。底抜けに明るい雰囲気は共通しています。歯科医の奥さんが小説を書いて新人賞を獲得というのは、「残虐記」と符合しており面白かったです。その奥さんが書いた内容を巡っての微妙な「嫉妬心」みたいなものは、確かにそうです。ついつい主人公を著者に重ねて読んでしまうという習性が私たちにはありそうですか

  • 性的描写が割と多く出てくる作品。

  • 元ハードル選手の中年歯科医。夫婦生活。

  • 最近読んでいた川島誠とは一味ちがう。でも主人公の歯科医もかつてインターハイハードル選手だった。幸せな家庭。妻が小説で新人賞を取るまでは。
    年を取ると軽く、速くは走れない。でも、意味をたくさん背負って走るんだ、もう一度。

  • わたしとはほとんど共通点のない主人公になぜか共感してしまう不思議な小説です。川島誠さんの陸上競技を扱いかたが大好きです。

  • なんとなく東野圭吾風……いや、実際は知らんのだが……。(笑)

  • 400mハードルでインターハイ3位の経歴を持つ35歳の歯科医の挫折と再生を描く。同作者による「800」のあの高校生(どっちかというと広瀬のほうかな?)が大人になった時の話と思って読んでも面白いかも? 走りの話は、ほんのスパイス程度。でも小説としては、いい出来です。

    • YAJさん
      「800」が登場人物に合わせ若々しい表現で満たされていたのに対し、同じ一人称の文章でも年相応に落ち着きを見せる。上手いな、と思わされる。各章...
      「800」が登場人物に合わせ若々しい表現で満たされていたのに対し、同じ一人称の文章でも年相応に落ち着きを見せる。上手いな、と思わされる。各章につけられた、陸上専門用語のタイトル(LSD、ストライド、コーナリング、インタヴァルなど)が、それぞれ意味を持つところも巧み。「800」と続けて読むといいと思います。
      2010/06/02
  • もう一度青春を!!おじさんになっても青春に向かっていく姿勢がよかった。

  • 文庫版で読んでみた。

    前回同様、んーちょっと20代の、しかも女である私には理解できないことも多い。

    ただ、最後の重松清さんの解説を読んで、ふーんそんなもんかと納得してみた。

  • 主人公は中年歯科医。

    800の作者 川島誠が、

    同じ陸上を題材にして、過去から現在、そして未来への

    夫婦の関係を描き出している。



    陸上競技に関する描写が、相変わらずリアルで綺麗。



    が、他はセックスの描写ばかりで辟易した。

    終わり方はきれいだと思うので、途中で飽きても根気づよく読んでほしい。

    でも時間の無駄だから読み始めない方が良いだろう。

  • 子供が初めて飲むコーヒーのような感じ?の読後感だったのを覚えてます。高校生の頃に読みましたが、その頃は何度も読み返してました。ラストというより中盤のどろどろした苦い感じが、今までの「川島さん=青春」という私の中の図式を崩したからかなあと思います。

  • 08/8/14 ★☆
    主人公の男がキモかったのしか覚えてない。

  • おとなのサラッとした小説。夫婦の再生。

  • 2007/08/13

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著者プロフィール

川島誠 東京都出身。京都大学文学部アメリカ文学科卒。「電話がなっている」でデビュー。子どもから大人への端境期にある少年少女の生と性を見つめ、鋭く描く才能をもつ。初めて思春期の少年の青春を書いた「800」は各誌で絶賛され、映画化された。著書に「ロッカーズ」「

「2005年 『夏のこどもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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