愛がなんだ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 556
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043726042

感想・レビュー・書評

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  • 皆んなが一度はテルコと同じ想い
    を抱いた事があると思う。
    恋は盲目と言う言葉があるが、テルコは
    まさに恋の奴隷なのだ。
    恋は時にハッピーで、またある時は
    どうしようもなく残酷だ。
    テルコの行動は第三者から見れば、
    限りなくストーカーに近く、報われない
    恋だと誰もがテルコに説教したくなる。
    テルコもマモちゃんもすみれさんも
    ナカハラ君も、孤独で自分の世界しか
    無いのかも知れない。
    唯一、葉子はテルコの良き親友でこんな
    友達がいたらいいなーと思った。
    テルコの選んだ恋の道は、石ころだらけ
    の道かも知れないけれどテルコは
    泣き笑いを浮かべて膝を擦り剥きながら
    一人歩いていくのだろうなー。
    なぜかテルコを思うと涙腺が緩くなるのは
    なぜだろう。

  • 映画を観て面白かったので読んだ。映画を観た後だからかもしれないが、活字から情景が見事に浮かんできて、さすが角田さんだと思った。

  • 人にはダメなとこも、どうしようもなくそうしてしまうこともあるよね、とは思う!けど、ストーカーこわいよ、と恐怖が蘇る方が勝ってしまったかも。

  • テルコは自分かもしれない。テルコのように我を忘れて、出会った男を運命の人だと思い、自分の生活を投げ打ってまで彼に時間を捧げるかもしれない。でもそれは、きっと、自分がないからこそ他人に自分を委ねるのかもしれない。
    テルコ、どんだけよ、と思いながらも読んでいる女の人の心は少しだけでもチクリと痛む。あぁこの感情、私の心に少しでも抱いたことがあると誰もが思うかもしれない。それは少しも恥じることではないし、当たり前の感情かもしれない、それくらいテルコの心は私たち女子の心を映している。

  • ★★~★★★の間くらいかな?
    主人公、テルちゃんの気持ちを理解できそうで、理解できなかった。
    でもその純粋に想い続ける気持ちには脱帽(^-^;

  • 急に読みたくなって『愛がなんだ』再読しました。

    グーグルで検索すると

    「愛がなんだ 気持ち悪い」
    「愛がなんだ きつい」
    「愛がなんだ 意味がわからない」
    「愛がなんだ クズ」

    みたいな検索ワードが関連で上がってきてて、多くの人がこの物語にドン引きしていることが伺えます。

    うん、わかります。

    普通に考えて、テルちゃんやばいし、マモちゃんクズだと思います。

    なんだこいつら、意味わわかんねーって思うのが普通の感覚だと思います。

    葉子もナカハラもすみれさんも、出てくる登場人物、それぞれどうしようもなくて。

    じゃあ、なんでこんな途方もなくグダグダの生産性もないラブストーリーを思い出して読みたくなるのか?

    それは、たまにはかっこ悪いものを読みたいからだと思います。

    テルちゃんも、マモちゃんも、ナカハラも、葉子も、すみれさんも、かっこ悪さ丸出しなんですよね…

    そこに衒いがないというか、自分のかっこ悪さに対して正直というか。


    “私を捉えて離さないものは、たぶん恋ではない。きっと愛でもないのだろう。私の抱えている執着の正体が、いったいなんなのかわからない。けれどそんなことは、もうとっくにどうでもよくなっている。しょう油とんこつでも味噌コーンでも、純粋でも不純でも。”(P211)

    という言葉がある。

    ここが、愛がなんだって作品の根幹にあるメッセージだと思う。

    恋でもなくて、愛でもなくて、でも、強烈に執着しているものの正体がわからないとテルちゃんは思っているけれど、

    再読して、テルちゃんは「かっこ悪さ」に執着しているんだと今だったら思う。

    テルちゃんは、マモちゃんのかっこ悪さが愛おしいのだと思う。

    そのだらしない不完全な人間らしさの側にたまらなく居たいのだと思う。

    それは、生産的じゃないし、恋でもないし、愛でもない。

    そんなことはどうでもよくて、ただ生きていく上でのかっこ悪さを手放したくないのだと思う。

    快適さを求めて、なんでもスマートになっていってしまう中で、この『愛がなんだ』っていう物語の非スマートさが染み込んできた。

    ところで角田さん、文章がうますぎる。会話のニュアンスが愛おしすぎる。やっぱ文才ありすぎる。

    ただ、こんなグダグダな生活はしたくない。

    スマートな恋や愛だって大事。

    それでも、普段はそう思うからこそ、ふとした休みに『愛がなんだ』を再読したくなったのかも知れません。

  • 再読。
    何年か前に映画を見て、雰囲気が好きで本も読んだ。
    久しぶりになんとなく読みたくなって読んだ。

    作品がすごく好きなんだけど、島本理生さんの解説も好き。
    かっこわるい姿は、時として、すごくわずらわしくもあるけど、それと同時にどこか愛しくもあったりする。なぜならそんなふうにかっこわるい姿こそ、生身の人間らしさであり、自分らしさというものなのだから。
    この作品の、テルちゃんのどうしようもない感じを嫌いになれない理由を、島本さんが的確に書いていると思う。

    テルちゃんのことを見ていると、あ〜こういう子いるよな〜と思うし、自分はまともに働いててまだまだ捨てたもんじゃないなとも思うし、自分を含めすべてがどうでも良くなるような一生懸命な恋をしてみたいなとも思う。
    そういうの全部含めて、色んな女性に響く作品だと思う。男性が読んだらどんな感想を抱くのか聞いてみたい!

    そして、何より『愛がなんだ』というタイトルが好き。どういう意味?って言われるとうまく表現出来ないけど、そのうまく表現出来ない気持ちも全部含めてこの作品なのかなと。

  • 映像を見てから原作をよんだのですが、これのすごいところって初版2003年なんだよね。全然古くない。今の時代でも等身大なところだと思う。本当読んでてうわーって思う登場人物しかいなくて、すみれだけがむしろ1番まともなような気もするけど、テルコに見せつけてるのであればそれはまたひんまがってるか。

  • もうやめてってなりました

  • 恋愛がゲームだとしたら好きになった方が負けだと思っていたが、これは性格なのだと気づいた。好きになったら自分を見失う破滅するほどに激しい恋。恋に恋する。そんな瞬間。この映画を2019年のGWくらいに見て、原作を絶対に読みたいと思った。映画も素晴らしいが文字になると、それはそれで、またいい。こういう恋をしている時が、実は一番幸せな時なんだよね。いい作品でした。おすすめです。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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