\2024年本屋大賞/大賞は宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』に決定!

こんにちは、ブクログ通信です。

今年で21回目を迎える「2024年本屋大賞」の結果発表が、4月10日に行われました。
今年「いちばん!売りたい本」と全国書店員が選んだ大賞タイトルは、

宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』です!

おめでとうございます!

その他のランキング順位は、以下でご紹介いたします。
各作品のレビューも掲載していますので、併せてチェックしてみてくださいね。

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
津村記久子『水車小屋のネネ』
塩田武士『存在のすべてを』
夏川草介『スピノザの診察室』
多崎礼『レーエンデ国物語』
川上未映子『黄色い家』
青山美智子『リカバリー・カバヒコ』
凪良ゆう『星を編む』
知念実希人『放課後ミステリクラブ』
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』
ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』
井上夢人『プラスティック』

2024年本屋大賞作

1位 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』

成瀬は天下を取りにいく
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく
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内容紹介

中二の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、200歳まで生きると宣言。今日も我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない!

宮島未奈さんの作品一覧

最高主人公爆誕!現るとか誕生とかではないのです。本当に爆誕という言葉を使いたくなるような、どこまでも自分に忠実で、周りに影響を与えていて、実力と魅力に溢れている最高な人物です。主人公の成瀬もいいのですが、私的には相方の島崎にも注目で、成瀬のやることすることに付き合ってくれています。一見どこにでもいるような人物に見えますが、彼女も十分狂っていると思います(笑)肩の力を抜いて是非リラックスして見られてください。

まるすけさんのレビュー

2位 津村記久子『水車小屋のネネ』

水車小屋のネネ
津村記久子『水車小屋のネネ
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内容紹介

母親とその恋人から逃れ、姉妹二人で暮らすことを決めた18歳の理佐と8歳の律は、とある町にたどり着く。蕎麦屋で働くことになった二人は、蕎麦粉を引く水車小屋の番人・ネネと出会った。ネネは人としゃべることが得意な賢いヨウムだ。ネネと仲良くなり、蕎麦屋の店主夫婦に見守られ、律の担任の藤沢先生や画家の杉子さんら周囲の人との交流を経て、姉妹は成長してゆく……。

津村記久子さんの作品一覧

とても良かった。関わる人々とネネと寄り添いながら巡る人生に、胸がじんわり熱くなった。周りの人から良くしてもらえたからこそ、次は自分が周りの人に良くしてあげたいって思える巡りはとても大切なこと。想いを伝えて受け継いで繋いでって大きな輪に広げていく。優しい気持ちになれる大作だった。ネネの言葉遊びや歌声、聞いてみたい、、!

Kanaeさんのレビュー

3位 塩田武士『存在のすべてを』

存在のすべてを
塩田武士『存在のすべてを
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内容紹介

平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる——。

塩田武士さんの作品一覧

面白かった。大作です。前代未聞の二児同時誘拐から始まり。事件から30年経ち。被害者の今を知った当時の担当記者が事件の真相を追う。芸術、愛、家族の物語。空白の3年間を知った時、涙がこぼれた。緻密な構成、人物描写、風景描写、ストーリーの緩急。圧巻でした。

まいまいさんのレビュー

4位 夏川草介『スピノザの診察室』

スピノザの診察室
夏川草介『スピノザの診察室
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内容紹介

京都の町中の地域病院で働く内科医の雄町哲郎は、30代後半に差し掛かった時に最愛の妹を亡くし、一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得た。かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。

夏川草介さんの作品一覧

命と患者と向き合うお医者さんたち。原田病院の4人の医師たちはかっこいいなあ。お医者さんも同じ人間だから、その葛藤や苦しみは計り知れないけれど、誇りを持ってお仕事してほしいな…

マユさんのレビュー

5位 多崎礼『レーエンデ国物語』

レーエンデ国物語
多崎礼『レーエンデ国物語
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内容紹介

母を失った領主の娘・ユリアは、親族から逃げ出すように冒険の旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタン。ユリアはレーエンデに魅了され、やがて帰るべき場所を得た。そんな時、建国の始祖の予言書が争乱を引き起こし、レーエンデを守るためユリアは戦いの渦中へと足を踏み入れる。

多崎礼さんの作品一覧

王道ファンタジーって帯に紹介されてたけど、ファンタジー慣れしてない自分にとっては、え!え!そんな!そんな…の連続で、びっくりしながら読んだ。感情が揺さぶられて、美しさと切なさで胸がいっぱいになった。これが王道!?ファンタジー小説ってすごーい!!

ラーメン職人さんのレビュー

6位 川上未映子『黄色い家』

黄色い家 (単行本)
川上未映子『黄色い家 (単行本)
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内容紹介

17歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか?

川上未映子さんの作品一覧

主人公花は、昔一緒に暮らしていた黄美子さんが捕まったニュースを見て、これまでの過去20年を回想する。この物語には、いわゆる「普通の暮らし」をしている人は出てこない。みんな何かを抱えている。読み進めるにつれ、苦しくて苦しくて…。重くて苦しいけど、このラストは私は好きです。「お金は人を幸せにするのか」深く考えさせられました。心が安定している時に読むことをお勧めしたい。

kanaさんのレビュー

7位 青山美智子『リカバリー・カバヒコ』

リカバリー・カバヒコ (文芸書・小説)
青山美智子『リカバリー・カバヒコ (文芸書・小説)
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内容紹介

公園の古びたカバの遊具「カバヒコ」。彼に触れると、治したいところが回復するという——。「大丈夫。私たちはきっとリカバリーできる。」誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山美智子さんワールドの真骨頂。

青山美智子さんの作品一覧

人と人がつながって、自分の居場所ができていく、よくもわるくも。強いということは、弱いということがわかることなんだろうなぁ。強がって、意地を張っても、大切なものは見えてこない。リカバリーの本当の意味とは、こうことなんだなぁ。

マスターヨーダさんのレビュー

8位 凪良ゆう『星を編む』

星を編む
凪良ゆう『星を編む
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内容紹介

2023年「本屋大賞」受賞『汝、星のごとく』の続編!花火のように煌めいて、届かぬ星を見上げて、海のように見守って、いつでもそこには愛があった——。愛の果て、そして、その先を描く、新しい愛の物語。

凪良ゆうさんの作品一覧

「汝、星のごとく」で行き場を失いジタバタしていた感情たちが今作で収まるべきところに収まり、ほっと一息。お気に入りの人物だった北原先生のエピソードも、前作ではあまり好きになれなかった二階堂さんの編集者としてのプライドをかけたエピソードも良かった。暁海の飲む瞳子さん特製リモンチェッロが何とも美味しそうだった。

りょうさんのレビュー

9位 知念実希人『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』

放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件(ライツ社)
知念実希人『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件(ライツ社)
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内容紹介

夜の学校。プールにはなたれた金魚。だれが、なんのために?4年1組、辻堂天馬・柚木陸・神山美鈴、通称「ミステリトリオ」が先生の依頼で動き出す!「ぼくは読者に挑戦する」。名探偵辻堂天馬の挑戦に、キミはこたえられるか——?

知念実希人さんの作品一覧

児童書と思っていたけど本屋大賞だし話題になってるしと思い読みました。登場人物のキャラもたってて童心に帰りわくわくしながら読みました。大人が読んでも面白い!

睦月さんのレビュー

10位 小川哲『君が手にするはずだった黄金について』

君が手にするはずだった黄金について
小川哲『君が手にするはずだった黄金について
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内容紹介

著者自身を彷彿とさせる「僕」が、承認欲求に囚われた人々と遭遇する連作短編集。青山の占い師や、80億円を動かす金融トレーダー。彼らはどこまで嘘をついているのか?いや、嘘を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか?大注目の直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々を描き切る。

小川哲さんの作品一覧

これはエッセイなのか?小説なのか?そして、あなたも私も何者なのか?選べなかった過去も、選んだ現在も、これから選ぶ未来も、どんな形であっても自分なのか?無数の可能世界に思いを巡らせながら、生きている。多くを知ることによって、可能世界が広がることが豊かさなのかな。そんなことを考えました。

おにぎりさんのレビュー

翻訳小説部門

1位 ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』

ようこそ、ヒュナム洞書店へ
ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ
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内容紹介

ソウル市内の住宅街にできた「ヒュナム洞書店」は、会社を辞めたヨンジュが立ち上げたものだ。書店にやってくるのは、就活に失敗したアルバイター、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者、無気力な高校生とその母、ネットでブログが炎上した作家などなど……。それぞれに悩みを抱えた人々が、今日もヒュナム洞書店で出会う。心温まる韓国のベストセラー小説!

ファン・ボルムさんの作品一覧

閑静な住宅街に書店を構えた何やら訳ありな主人公、この書店に集まる登場人物たち。年齢も性別もばらばらだけれど、常に、将来(就職)のために今を我慢して過ごしてきたり、常に準備して生きてきたり、その果てに、これでいいのか?と思うようになった人たちと、現代の町の本屋さん。登場人物がみんないい人たちで、それぞれがお互いに少しずつ傷を癒していく過程が描かれる。全てに愛を感じるわ。

harinezuminamiさんのレビュー

発掘部門/超発掘本!

井上夢人『プラスティック』

プラスティック (講談社文庫)
井上夢人『プラスティック (講談社文庫)
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内容紹介

54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる!謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。

井上夢人さんの作品一覧

フロッピイに保存されていた向井洵子によって書かれた奇妙な日記から物語は始まります。かなり昔に書かれた小説なので、フロッピイやワープロなどが出てくるのは時代を感じますが、物語には古臭さは全く感じません。とは言っても、結末というか、からくりは誰もが早い段階で気付くと思います。それがわかってもなお、先へ先へと読み進めさせられるすごい小説です。フロッピイに保存された様々な人物が語るファイルを読んでいくうちに、もやがかかったようだった謎の事象がどんどん明らかになっていき、読む手が止まらなくなることと思います。最後の54番目のファイルには、一体どんな言葉が綴られるのでしょうか。

こむぎさんのレビュー


本屋大賞(ほんやたいしょう)とは

「本屋大賞」(ほんやたいしょう)とは2004年に設立された、書店員有志で組織するNPO法人「本屋大賞実行委員会」が運営する文学賞。キャッチコピーは「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」。一般の文学賞とは異なり作家・文学者は選考に加わらず、「新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。過去一年の間、参加書店員が読み「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。また「本屋大賞」は発掘部門も設け、過去に出版された本のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと書店員が思った本を選ぶ。

https://www.hontai.or.jp/index.html