はじまりの歌をさがす旅 (角川文庫 か 42-3)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043748037

感想・レビュー・書評

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  • 曽祖父の遺産を巡る旅というだけでワクワクする。そこに音楽があるならなおさら。
    隼人にとってはとんだミステリーツアー、しかも過酷な砂漠でのサバイバルというわけだが、みんな何かを隠していてなかなかどう転ぶかわからない。
    そして、無事? 旅が終わった後にも幾波乱もあり、盛りだくさんな内容だったが、肝心のアボリジニ関連の部分が難しい。政治が絡んだ途端に胡散臭くなるからだ。
    誰を信用していいのか、着地点はどこなのかだんだん怪しくなりながらの大団円。

  • 後半のストーリーの広がり方に特徴がある作家だなぁと改めて思った。そこまで広がるか、と思ってついていけない部分もあったけれど、民族特有の歌とか、それを大切にして大昔から受け継いできた人たちからしたら、歌の力って強大なのかな、と。
    興味深くて面白かった。

  • この人の作品もいっぱい読んでおります。性善説の人で読後感が非常に良い作家です。
    主人公が少年のほうが良いかんじの作品になっていると思います。
    多分作者が凄く良いヤツで、書いてると無茶苦茶良いヤツになっちゃうから、それで主人公が少しガキっぽくなっちゃうんじゃないかな?と思っております。

    今回も主人公は凄く良いヤツです。
    この作品は若いサラリーマン(元ストリートミュージシャン)が、自分の曽祖父の足跡をオーストラリアで辿る、っていう話です。
    曽祖父はオーストラリアでアボリジニと暮らし、そのうちアボリジニの英雄となった人で、その子孫(主人公の親戚ですね)と一緒にオーストラリアの砂漠を旅します。
    その際に、大地に残っている歌を、さまざまなエピソードと一緒に探していって、その果てには…、というストーリーです。

    旅で何で歌?とも思うのですが、知らない国を旅していくと、いろいろな歌が入ってきます。
    耳に入ってくるだけではなく、身体に入ってくるというかんじです。
    知らない言葉のリズムもそうですし、街の騒音、夜の虫の声、空気の流れる音、いろいろな音がリズムになって入ってきます。
    それだけじゃなくて、旅をしている間の自分のエピソードも、なんとなく一つの音楽として身体に入ってきます。

    ストーリーではこういうかんじではないですが、なんとなく良く分かるようなかんじがします。

    作品自体は、最後がなんとなくタルくなってしまいましたが、途中の旅のシーンは、非常に楽しめました。
    なんか、オーストラリアにも行ってみたくなりました。
    ソングラインをたどる旅は、おっさんにはハード過ぎますが…。

  • 赤い砂漠がみえるようだった。
    解説では冒険小説とされていたが、ファンタジーやらサスペンスチックなところやら、人種問題やら色々詰め込まれていて凄かった。
    神話や歌の中で生活している世界もあるんやなぁ、と。

  • 主人公はミュージシャン志望のサラリーマン。ある日見知らぬ黒人女性からオーストラリアに移住していた曾祖父が死んだこと、遺産を相続するためには『ザ・ゲーム』に参加しなければならないことを知らされる。
    やがてアボリジニの伝承「ソングライン」に魅せられた主人公は、『ザ・ゲーム』の参加を決意する・・・。


    筆力は相変わらず健在。ただ「夏のロケット」や「リスクテイカー」と比較してしまうと若干落ちるか。

    あとがきに書かれているが、作者自身がミュージシャンであるため、少々歌の力に引きずられてしまった感がある。
    もっと細部を書き込んで、ストーリー的には前半部分だけで終わらせた方が面白かったかも。

  • 壮大なスケール感のある作品。中心に『うた』が据えられいるが、冒険要素も強い。

  • まだ一回しか読んでいないが、砂漠で放り出されるあたりからついていけなくなって、結局ストーリーが入ってこなかった。
    川端裕人作品は、最終的に面白いので、いつかじっくり再読したいと思います。

  • 未読。今一番尊敬する人が読んでて自分も読みたくなった。

  • テーマはおもしろい。読み始めは自分もオーストラリアでアボリジニの足跡を辿る旅に出たくなった。でもなぁ、最後はなんかむりやりドタバタというか、収集がつけにくくなってしまった感じ。最近「自分の言葉を残す」ということの意味を考えていた時期でもあって、このブクログを始めようという動機づけにはなった。

  • 行ったことのないオーストラリアを旅し、会ったことのないアボリジニと会うことができた。
    歌って何か初めて考えたかも。
    途中から加速してきて一気に読めた。
    ボリューム的にも十分満足できるくらい詰まってた。

  • 音楽と冒険が好きなら読むべし!

  • 音楽に深い理解や、関心がある方には面白いかも。私にはちょっと分かりませんでしたソングライン。

  • ドラクエを並行してやっていたからか、
    妙にマッチして砂漠の「ソングライン」を
    楽しく読めた。
    面白かった。

  • この著者の本は大好きだ。本当に面白い。売れないストリートミュージシャンがギターを持ってオーストラリアの砂漠を冒険する旅などという話をどこから思いつくのだか不思議。キャラクターも面白いのに、毎回緻密な取材が反映されていて知的好奇心が刺激される。アボリジニにまつわる話、核開発にまつわる話が筋の中に無理なく使われていて、スピード感や爽快感もあり、ミステリっぽい部分もある。いい時間を過ごせた。

  • 川端さんの小説に外れはありません。
    この小説もぐいぐい引き込まれました。
    朝の電車でもう少しで乗り越すところでした。

    アボリジニに関係する話。
    『ソングライン』という書籍を読みたくなった。

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著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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