- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043829019
感想・レビュー・書評
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D機関シリーズの最新作がまだ借りることができないので
図書館で借りる。柳広司の三冊目。
ロスアラモスで発生した奇妙な殺人事件を取り巻く闇と狂気の物語。
ノンフィクションではあるが、科学者たちの奇人ぶりと
彼らが抱え込む闇と狂気は真実に近いものがあると思う。
狂気に落ちなければ、自分たちが生み出したモノがその後の世界を
作り出したということのプレッシャーから逃れることはできないだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっと難しい。
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おどろおどろしい世界観。
原爆を開発した研究所の孕む狂気。
暗く、怖い小説です。 -
2011年110冊目
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読んだのが2011年初頭。その後に311が起きた。。
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これは、重い。ハンパなく重たい。
原子爆弾を作り出してしまったこと、作る過程に喜びを感じてしまったこと、実際に落とすという行為をしてしまったこと、落とすことで戦争を終わらせることができたのかもしれないという考え方。
どこからが間違っているのか、はたまた間違いなのか?はっきり言って答えなんて出ません。
ややファンタジー要素を盛り込みつつ展開してるけど、正直なとこ、これはほんとに考えさせられました。
最後の一文読んで、ぞくっとした。 -
この小説は、ある外国人が柳広司に持ち込んだものだという。
作者はあの原爆の父ロバート・オッペンハイマー、そして、ジャンルは「ミステリ」だ。
主人公イザドア・ラビは優秀な科学であり、オッペンハイマーの友人である。
舞台は、1945年8月のロスアラモス。戦勝記念パーティーで浮かれる基地内で、
殺人事件が起きる。その調査を、責任者オッペンハイマーは、ラビに依頼した。
舞台と登場人物を把握した時点で、
「これは絶対きっちり説教をしてくれる作品だ」とおもい購入しました。
昔の日本映画みたいな、泥臭く主義や主張を叫んでくる作品が意外と好きだったりするんです。
そして予想通りの重いテーマ。
日本人にとって、エンターテイメントにはなり得ないテーマですが、
ミステリの体裁をとっているからか、ぐいぐいと引き込まれる展開と筆致でした。