粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 552
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043913039

感想・レビュー・書評

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  • 粘膜シリーズ第三弾。
    戦時下を舞台に山奥でひっそり暮らす兄弟とカフェで女給として働く一人の美女。三角関係の恋路は戦争をきっかけに大きく動き出す。ナムールへの出向命令、現地で出会う爬虫人、そして時折現れる黒い影の正体は何なのか? ホラー、グロテスク、SFそしてラブロマンスを加えた物語はとんでもないラストへ。

    まともな話だと思ったんですよね途中までは、そしたらいきなり異空間から黒い影があらわれるんだからびっくりしちゃう。河童と蜥蜴はまだ説明がつく存在だったんですけど今回はいよいよ分からない。そして舞台はまたもや戦時下最前線のナムールへ、話もぐちゃぐちゃだし体もぐちゃぐちゃになったところで盛大なネタバラシ。

  • 粘膜シリーズも第3弾目を読み終えた。前作までの異様な世界を引き継ぎつつ、物語は多少奥深くなった気がする。いずれにしろ常人には思いつかないような話だけど。

  • こんなん読んでいいのか

  • ネタバレあり注意






    粘膜シリーズ3作目。グロさは粘膜人間と比べたら控え目だが、ギャグテイストもあり、新規キャラクターも魅力があり、個人的に一番楽しく読めた。前作キャラも脇役として登場しており、世界観が拡がっていく感じも面白い。
    「黒助」の暴力性が上がっていく点も、そういうことかと悲しくもあり。

  • なんか純愛ものだった!中盤ダレすぎじゃない?へモやんが癒し系な分、亀吉の底知れなさが怖い。

  • 豚を何から何まで愛するへもやんと言う老人とクラス二人の兄弟。
    双子の兄弟はゆず子と言う「タイガア」の喫茶店の女給に夢中で口説き落とすことを考えるも玉砕し続けて悩む。
    付け加えて弟は、突如異空間から現れる謎の黒いものに暴行を受けることにも悩んでいる。
    見栄を捨て、兄が素直に自分たちが慎ましく養豚をしていることを話すと、ゆず子と距離が縮まった。叔父が養豚をやっていたため、罪悪感を覚えたらしい。
    さらにゆず子に言い寄っていたヤクザにしつこく迫られていたところを助け、二人は恋仲同然となる。
    だが、ヤクザにゆず子が誘拐され、兄弟二人が助けに行くも、弟が拷問を受ける。
    ゆず子が機転を利かし、なんとか窮地を脱出し、ヤクザ二人を殺害するも、戦争の招集例がかかる。
    船の撃沈、戦地での強襲、その後脱走を目論み、上官とヤクザの下っ端に処刑されようもなるも、巨大サソリのおかげで助かり、さらには蜥蜴人間に出会い、なんとか日本に帰る二人。
    だが、ゆず子と兄が結ばれていることを知ると弟は消える。
    戻ってくると、かつて自分たちの父を死に追いやった詐欺師が戻ってきたことを知り、弟は凶行に走る。
    弟が詐欺師を殺し、自身と兄を呪い、ゆず子を犯し、二人は殺しあう。
    死んだ兄は、神に祈ると、兄は黒い何かに代わり、進んだ先には7歳の弟がいる。

    ホラーと聞いて読んだのですが、冒頭から変態爺さんが出たり、突如なんの前振りもなく現れる黒い人物(?)が出てきたり、普通に頭が蜥蜴の人間が出てきたりと、かなりシュールさを感じます。
    荒唐無稽なのですが、風景や人物同士のやりとりなど状況の描写自体はしっかりしており、一人一人のセリフも頭の中で音声で聞こえるくらい自然なので、一気に読み終えました。
    黒助が出てくるシーンはどうしてもコメディにしか思えませんが、面白かったです。
    粘膜シリーズとあるらしいですが、第三弾の今作だけでも読めました。

  • やっと読み終わった…。面白くない訳ではないけど時間かかった。
    今回のナイスキャラはやっぱりヘモやん!

  • んんん・・・正直もっとぶっ飛ばして頂きたかった!

  • 粘膜シリーズ第3弾。
    今回も名脇役=濃いいキャラクターが出てきてくれて
    嬉しいですね。

  • 飴村行流エンターテイメント、粘膜シリーズ三作目。
    今回は恋愛エッセンスや、宗教感まで持ってきた。
    そして、シリーズ、壱作目『粘膜人間』の吉太郎様。弐作目『粘膜蜥蜴』のナムール国の爬虫人、病院の死体置き場の徳一。と点が線となった。なので、通して読むことをお勧めします。
    『粘膜蜥蜴』第参章の雪麻呂と富蔵の漫才然とした会話が、今回はツッコミ磨太吉、中ボケ矢太吉、大ボケヘモやんで展開される第壱章。
    同じく『粘膜蜥蜴』同様、南国ナムールで展開される、冒険活劇的第弐章。
    そして、クライマックス、第参章。
    文章のドライブ感とでも言うべき、テンポの良さは相変わらず抜群。450p超も何のその。さらに、今回はヘモやん筆頭に、亀吉等々登場キャラ、それぞれの個性が素晴らしく立っている。
    ★評価がイマイチ伸びなかったのは、コレまでの破天荒とも言える程の展開があまり感じられなかった。そして、オチが個人的好みで前作を越えられなかったかな?の二点によるもの。
    情報によると粘膜シリーズ、次作はスピンオフ的短編集とか?!また、近いうちに、手を出しちゃうんだろぅな……。

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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