月光スイッチ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 610
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943326

作品紹介・あらすじ

たとえば、月の光を灯すように、世界を少しだけ変えるスイッチがあるのかもしれない-。夏、恋人セイちゃんとの期間限定・新婚生活(仮)が始まった。ちょっぴり後ろめたいけど、確実に幸せな日々。その中で出会う不思議な人々、不穏なこころの波立ち。こんなことずっと続くわけないってわかってるけど、本当にあなたのこと、愛してるんだよ-ままならない思いを抱えて真摯に生きる彼女と、彼女に似たあなたのための物語。

感想・レビュー・書評

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  • 父に溺愛されて育った娘は異性を見る目が厳しくなるらしい。ひとりっ子で両親、特に父の溺愛っぷりはネタになるほど、そのせいかどうかは不明だが親しい女友達には「男にキツい」と言われる…。

    独占欲も強い方なので、二股や不倫には元より興味もない。わざわざ暴く気はないので、浮気するなら隠し通して欲しいと願う。だから、この本のセイちゃんみたいな男性は大嫌いだ。

    妻の里帰り出産を利用して、愛人を家に連れ込むような男。それでも妻を愛していて、息子の誕生を心待ちにするあまり愛人に名前を相談してしまう男。遊び人にしては詰めが甘いっ!

    香織はなんでこんな男を好きになっちゃったんだか。30手前の危うい時期なのに…ちょっとくらいお金持ちで料理上手で甘やかしてくれたって、、、と、ついお説教したくなってしまうけどそれが恋なんだよなぁ。

    自分の立場に罪悪感を噛み締めて、相手のずるさも、「新婚生活(仮)」がほんとは「新婚生活(偽)」なのも分かっていて、だけど一緒にいたい。

    解説の西加奈子さんと同じく、香織のこと愚かだなーと思うけど、どこかこの愚かさが放っておけないと言うか、結局この手の女子は意外にすんなり結婚していくような気がする。なんとなく。

    ガチガチで理詰めの女なんて可愛くないよなぁ、と我が身を省みる…。

  • 読了

  • 不倫もの。
    しかも最悪な事に里帰り出産の間に同棲しちゃうっていう話。そんな偽りの新婚生活を描いているが最後に修羅場があるもののドロドロしておらず常にふんわりとしている。
    しかし香織はなぜ働かないのだろう。趣味に没頭するでも無いし。お金持ちの男に囲われてはいるけれど、バイト君にいつも暇だねって言われるぐらいなのに。待ってる時間が愛おしいと思うには時間有り余りすぎでしょうよ。そんな女のどこがいいのだろうか。きっと正論を言わず待っててくれるのならばだれでも良いんだろうなぁ。セイちゃんの浅さや香織の考えてはいるのに行動に起こさなさにびっくり。
    猫のお世話をしているご婦人が一番素敵だったなぁ。
    あの姉弟も。

  • 金持ちの主人公と、不倫をし続けるヒロインの物語。主人公の妻が妊娠で、帰郷して出産するという形となりヒロインと(仮)新婚生活が始まる。ヒロインは、その間に様々な人と出会い、人それぞれの生き方を感じ取っていく。結末は、”不倫”をしている時点で、どのような結末を迎えるかは書かなくとも分かるだろう。

  • 2011年読了

  • 実際はけっこうえぐい話をしてるんだけど、ほわっと読める本。

    愛とか恋とかって難しいよね。

  • 奥さんが里帰りしている間だけの、疑似新婚生活。
    不倫なんだけど、描かれているのは何気ない日常で、ドロドロした感じがない。
    ちょっとしたことに感じる幸せ。
    店子たちとのかかわり。
    しかし、穏やかな生活の中にも、波はある。
    その描き方がうまかった。
    何か一歩を踏み出せた感じで、読後感は爽やか。

  • 香織って、只者ではないと感じたね。

    恋や男に目が眩んでしまっているはずなのに、自分がそのような状態であることを醒めて自覚している。そのくせ、その状況が自分に及ぼす悲しみや寂しさ、どうしようもない敗北感などの影響にも普通に晒されてる。いわば「感情の波に翻弄されながら、翻弄されている自分を画用紙に写しとる」なんて離れ業をやってのけているような。

    自分の中から起こる願いや衝動に対しておとなしく従いつつ。その結果による自分の感情の起伏を予期しながらもそのまま受け止めつつ。次の瞬間には、それをすっかり消化してしまい、私たちが気づく頃には、少し素敵に成長している。

    日常のよくある風景からはちょっぴりズレた、何気に癖のある日常らしき日々で出会う人たちの出すエネルギーをまともにくらいながら、のたうちまわることもなく、深手を負うこともなく淡々と成長してゆく香織。男性にこんな女性を描けるものとは知らなかった。

    違和感はひとつだけ。囲われていたにしても、香織はなぜ働いていなかったのだろうか。ただセイちゃんを待つ、ということは、何にもない時間を何にもしないでやり過ごすということだから…普通は耐えられそうもないのに。

    だからこそ、の香織なのかもしれないね。うん。

  • 好きな雰囲気の本だった。
    不倫の話だけどドロドロしていないので
    あまり抵抗なく読めました。
    主人公のふわふわした感じ、セイちゃんの愚かさ。
    恋って理屈じゃどうにもならない。
    二人の周りの人たちも、それぞれに頑張って
    生きていて、暖かくて。
    人間らしい部分が共感できた。

  • 作者の性別が分からないまま読み始め、男性だと知った時には本当にびっくりしました。
    男性でこの主人公のような人生を書けるのはスゴイなと思ったのが一番の感想です。

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