群青に沈め (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 53
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944163

作品紹介・あらすじ

1945年、夏。特攻要員の宣言をされた僕が配属されたのは、「伏龍隊」。機雷を持って海に潜り、敵上陸艇を爆破して自らも海の藻屑となる任務だ。来るべき「死」へ向かって訓練を重ねる日々。そんな中でも日常は続いてゆく。友情、上官への反目、海のきらめき、カレーの味…だが、ある日の訓練中、僕の前で友人が死んだ。そして、戦況は悪化の一途を辿り…。比類ないみずみずしさで描かれる、新時代の戦争文学。

感想・レビュー・書評

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  • P329

  • 解説にもあったけれど、珍しいタイプの戦争小説。
    戦地も戦闘シーンもないのに、戦争の犠牲者が増えていく…
    戦争が終わっても犠牲者が出る。
    なんとも、何にも納得もスッキリもしないけれど、こういう感覚がとても大事なんだと思いました。
    2015/4/7読了

  • 簡易潜水服で海に潜り、敵の大型上陸用船艇が頭上を通過する瞬間に棒機雷で爆破する――。
    その特攻要員として「伏龍隊」に配属された僕、浅沼遼一。17歳。
    訓練を受けるべく海軍工作学校に出向いたものの、装備はお粗末、武器は粗悪品、作戦が無謀なら訓練さえ無謀。そして上官からのいじめ。
    戦局への不安と、米軍の上陸から家族を守るために死ぬという決意と、ひもじく辛く惨めな日々。 
    そのころ僕らは本当はなにも知らなかった。
    「お国のために」と高らかに言いながら、その先には避けがたい死が待つこと。
    そして戦地に出ずして死んでしまう、そんな無念があること。
    親孝行のつもりで死地へと望んで向かうことが、どんなに親不孝なことかも。

    『お母さん、さようなら』

    人生には、後戻りできなくなる選択の瞬間がある。
    この群青の海に沈み、敵舟艇と刺し違えて散るのが、今の僕らの忘れてはならない任務なのだ。
    けれど現実には、貧相な装備で無茶な訓練を強いられ、その挙句の事故で戦地に出ずして次々と死んでゆく友人たちの姿があった。
    本当に怖いのは、意味のない死なのに。
    誰か答えて欲しい、あの戦争は、一体なんだったのか――?

    多くの作品にとりあげられ、その悲惨な記憶を今に伝える「神風特別攻撃隊」、『出口のない海』などで描かれた人間魚雷「回天」。
    この作品では、それらと同じように太平洋戦争末期、秘密裏に編成され、しかし実戦に投入されることなく終戦を迎えた忘れられた特攻部隊「伏龍隊」に配属された少年兵たちの、訓練に明け暮れる毎日を描く。
    いずれ来る「死」への思い。母や幼い弟妹たちを守りたい気持ち。かけがえのない仲間や友人たちとの日々。大人たちに思うこと。
    重くなりがちな題材を扱っていますが、毎日が戦争だった、そんな時代を少年らしい率直な言葉で伝えてくれている、読みやすい一冊です。

  • 現代が舞台の小説を読んでいるような感じでした。
    文章の感じと主人公の気持ちの揺れ動き方が。

    伏龍隊というものの存在を私は初めて知りました。
    読みやすい文章だし、そういった意味で、若い子向けにはよいきっかけ?になる本かなあって思いました。

  • 15点。
    もっと事前勉強してから書きましょう。

  • 重苦しいテーマを、
    重苦しくない軽いタッチで描いているのは、
    万人受けというか、
    戦争アレルギーの若い人も受け入れやすくていいのかも、
    と、思わなくもないけれども、
    ワタシ的にはこの軽さが不快。

    新しいとか、瑞々しいとかいう評価はどうなんだ??
    納得いかないんですけど。

    あえて伏龍に目を向けたことには敬意を評しますがね。

  • 終戦間際の予科練上がりの特攻隊員たちの日常。
    日常の感情が淡々と描かれ、ストーリー的に派手な起伏はない。
    次第に戦争というものに疑問を持ち始める過程がリアルではあるが、なにせ淡々としているために、迫ってくるものがない。
    主人公が少年だから文体が簡易なのだろうか?他の作品もこうなのだろうか?
    戦争の無意味さは確かに描かれているのだが、むしろ少年の成長物語。
    なんとも期待はずれでした。

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著者プロフィール

熊谷 達也(くまがい たつや)
1958年仙台市生まれ。東京電機大学理工学部卒業。中学校教諭、保険代理店業を経て、'97年「ウエンカムイの爪」で小説すばる新人賞を受賞。2000年には『漂泊の牙』で新田次郎賞を、'04年『邂逅の森』で山本周五郎賞に続き直木賞も受賞。同一作品での両賞同時受賞は史上初の快挙。近年は宮城県気仙沼市がモデルの三陸の架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」を書き続けており、同シリーズには『リアスの子』『微睡みの海』『ティーンズ・エッジ・ロックンロール』『潮の音、空の青、海の詩』『希望の海 仙河海叙景』がある。

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