イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 195
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044004989

作品紹介・あらすじ

活弁士が紙芝居屋へ転身、貸本屋はいまのコンビニより多かった……激動の時代を支え、高度経済成長と合理化の末に消えていった数々の仕事の記録。収入、料金、業務内容まで。全115種イラスト付きで紹介!

感想・レビュー・書評

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  • 昭和の時代、主に戦後以降当時の社会を支えるためにあった仕事だが、今では無くなってしまった仕事を集めた書籍。イラストがついているので、どんな仕事だったのか想像しやすくなっている。当時の価格帯も掲載されているが、当時の経済状況の知識が無いので、冒頭に記載がある簡単な賃金・物価の変遷表から想像するか、本格的に調べてみるしかない。これもまた楽しいのですが・・
    消えてしまった仕事についても、一つ一つ考察することも楽しいと思った。いろんな妄想をするのが、楽しいのだ。
    例えば、なぜ、その仕事が消えてしまったのか?もし、その仕事が現在の進歩したインフラやテクノロジーを使えたとしたら、今でも仕事として存在できるか?
    当時の消費者と現在の消費者のニーズの変化はどのようなものか?
    などなど、消えた仕事から、現在にふさわしい新しい仕事が生まれるかもしれないという視点で繰り広げる妄想が楽しかった。

  • 自分の記憶の中にある仕事もあった。昭和の幅が広いことを改めて感じた。

  • (大八車等)押し屋、袋物師(袋作り)、棒屋(某作り)、桶(作り)屋、氷(売り)屋、代書屋、屑(集め)屋…
    細かく存在してたんだなぁ
    書かれた114種の職業は、過去を振り返り未来を考えさせてくれる。

    読んでいくと気付くのが、当時はめんどくさいしがらみ(社会的ルール)は少なく、実益が最優先で、
    その時代に有益となるサービスを思いついたら仕事となり、定着していったように思われる。
    そして、当時若者が7年もかけて修行して職業として成し得ていた事が、高度経済成長によってガラッと状況が変わる事により継続性は20年もなかったように思える。
    なんて残酷なんだと思った。

    この本では日本が貧しかった時代に必要に応じて発生していった仕事達が書かれているが
    個人的に、ではアメリカではどうだったのだろう?と思った。
    気付いたら産業革命後になっていて、日本とはまったく違う歴史があると思う。
    気になるなぁ。


    知っていた仕事は、
    エレベーターガール
    氷屋
    畳屋
    ポン菓子屋
    靴磨き屋
    金魚屋
    チンドン屋
    駄菓子屋
    電話交換手

    興味深かったのは、
    新聞社伝書鳩係
    赤帽
    おばけ暦売り
    天皇陛下の写真売り
    水芸人
    バスガール
    マネキンガール
    文選工


    114の職業達はどれも興味深いもので、これらの仕事が生まれた背景や関連事も含めて、本当に勉強になる。

    マジで、この本買って良かった!(>_<)
    今後、何度も読み返したいと思います(O_O)

  • お金をもらえることを仕事というならば、名前もつかずに行われたり多くの人が存在も知らない仕事も合わせると、仕事というのはこれまでもこれからも無数に生まれては消えるのだろう。
    そんな中で、多くの人からお金をもらえてそれを継続できて名前がついた仕事は、おそらく仕事全体の中ではエリート?と呼べるのかもしれない。

    本書では昭和の時代のそんなエリートな仕事が紹介されている。

    赤帽、押し屋、カストリ雑誌、新聞社伝書鳩係、木地師、おばけ暦売り、疳の虫の薬売り、荒物屋、天皇の写真売り、泣きばい•つぶ屋• はりだし、テン屋、サンドイッチマン、のぞきからくり
    などなど
    本書の仕事の中で自分が実際に見たことのある仕事はほとんどないが、仕事だけでなく当時の風俗や文化も合わせて感じられ、昭和の頃を思い出し懐かしい気持ちになれた。

  • 高度経済成長と合理化の末に消えていった数々の仕事うぃ収入、料金、業務内容までイラスト付きで紹介。

  • 絶滅職業のイラスト付き本で職業にも消費期限がある事が伺える。淘汰された形であるが職業の多様性が無くなった社会は詰まらなそうにも思える。
    今から100年後にはYouTuberとかどういう扱いに分類されているのか気になるところではある。

  • ふむ

  • 文庫王国から。自分より1-2回り上の人にとって、郷愁をそそる魅力的な本かもしれないけど、この中の殆どについてリアルタイムでの経験がない身からしたら、懐かしさの点でのくすぐりは全くない。各業種に対する紹介文は、あくまで紹介文として機能するだけで、物語的魅力がある訳ではないから、必然的にレファレンス的ニュアンスが強くなる。近代史に触れる際、参考文献として傍らにあるとちょっと便利かも、というくらい。

  • 昭和というとまた地続きのような気持ちでいたが、自動化、機械化された現代の仕事からすると、こんなことまで仕事として存在していたことに、隔世の感があった。
    そして、AI化が進む今、そんなことが単独の仕事として成り立ってたのね、と後世に言われる仕事もたくさん出てくるのだろう。
    どんな仕事をシテでもたくましく生き抜いた昭和の時代に比べて、今は仕事の選択になんとも言えない閉塞感があるように感じた。

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著者プロフィール

澤宮優(さわみや・ゆう) ノンフィクション作家。1964年、熊本県生まれ。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。主な著書に、『バッティングピッチャー』、『炭鉱町に咲いた原貢野球』、『昭和十八年 幻の箱根駅伝』(以上、集英社文庫)、『世紀の落球』(中公新書ラクレ)、『イップス』(KADOKAWA)、『戦国廃城紀行』(河出文庫)、『暴れ川と生きる』(忘羊社)、『集団就職』(弦書房)など多数。

「2023年 『「二十四の瞳」からのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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