もっとヘンな論文 (角川文庫)

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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044006266

作品紹介・あらすじ

珍論文ハンターのサンキュータツオが、人生の貴重な時間の多くを一見無駄な研究に費やしている研究者たちの大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する、知的エンターテインメント本。

【目次】
はじめに
一本目  プロ野球選手と結婚する方法
二本目  「追いかけてくるもの」研究
三本目  徹底調査! 縄文時代の栗サイズ
四本目  かぐや姫のおじいさんは何歳か
五本目  大人が本気でカブトムシ観察
六本目  競艇場のユルさについて
七本目  前世の記憶をもつ子ども
番外編  偉大な街の研究者
八本目  鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか
九本目  花札の図像学的考察
十本目 その1 「坊っちゃん」と瀬戸内航路
十本目 その2 「坊っちゃん」と瀬戸内航路 後日譚
番外編  「坊っちゃん」と瀬戸内航路 全文
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 「ヘンな論文」の続編
    変わった研究内容の論文に所々ツッコミを入れつつ、面白おかしく紹介している


    ・プロ野球選手と結婚する方法
    ・「追いかけてくるもの」研究
    ・徹底調査!縄文時代の栗サイズ
    ・かぐや姫のおじいさんは何歳か
    ・お色気論文大集合
    ・大人が本気でカブトムシ観察
    ・競艇場のユルさについて
    ・前世の記憶をもつ子ども
    ・偉大な街の研究者
    ・鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか
    ・花札の図像学的考察
    ・『坊っちゃん』と瀬戸内航路
    ・後日譚


    今回は理系的アプローチの論文が前作よりももっと少ない
    理系で一見してヘンな研究も結構あるんですけどねぇ
    わさびの刺激で人を起こす研究とか
    ただ、これはイグノーベル賞を獲ったやつなので、このシリーズで取り上げるのは不適

    でも、走れメロスの速度とかは既にネットでバズったし
    プロ野球選手と結婚する方法も、そこそこ知名度はある気がする

    今作は論文の紹介の方に力が入れられていて、ツッコミのキレが前作程ではないような……


    今回は文系の研究の意義について、何となく理解した

    どれだけニッチな研究であっても、論文がなければ歴史の中で消えてしまう
    資料を残すためにも、研究の記録は後世のために必要という事ですね

    ただまぁ、かぐや姫のおじいさんが発言が盛っていたというのはともかく
    その前提として一次資料の文章の正確性の検証が必要だと思うんですがね
    素人の意見ですが……

  • タイトル通り著者が選ぶ“ヘンな論文”の紹介。好きなものをどう学問にしていくかのヒントがつまっています。
    以下、一部抜粋

    *プロ野球選手と結婚する方法
    恋愛ではなく結婚。なかなか興味深い分析。情報収集能力がすごい…

    *「追いかけてくるもの」研究
    高速などであり得ない速さで追いかけてくる老婆。そんな話聞いたことありませんか?

    *鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか
    7人がかりで実に10421冊のマンガを読んで検証。

    *方手袋研究
    片方だけ落ちている手袋の研究…そんな研究があること自体驚きでした!
    「雪どけこんにちは系」「雨に唄えば系」「ガードレール系」「三角コーン系」など分類のネーミングも面白い。

    論文の内容もインパクトがあり面白く興味深いが、著者の絶妙な突っ込みと解説も面白い。
    所々自分の突っ込みと重なってて笑えた。
    世の中には色々なことに興味を持って研究してる人がいるんですねぇ。
    研究の世界は奥深く面白かった♪

  • ヘンといえばヘンだけど、着眼点が秀逸!
    カブトムシ研究なんて、深くて、妙に感心してしまった。
    ひとつのことをこれほどの熱量をもって突き詰められる情熱に、アッパレ!
    うらやましくさえ思う。

  • 前編『ヘンな論文』も庶民的で楽しめましたが、こちらは『もっと‥』ヘンなと言うよりスゴい論文ばかり。研究者の執念が伝わってきます。論文ってこうあるべき!論文を検証してるサンキュータツオさんのコメントもすばらしい。
    特に『坊ちゃんと瀬戸内航路』。①調べる②形にする③発信する 文化の継承とはこうあるべきなんだろうな。

  • 世の中の一見「ヘンな」論文を紹介するエッセイ、第二弾。
    カブトムシの起き上がり方、競艇場の人々の観察、漱石の旅の経路考察など、そこに目をつけたかというニッチなものがリスペクトと共に紹介されています。
    何か抱いた疑問を一身に、時に執念深く突き詰めた先人たちの結晶を垣間見られてとても面白かったです。

    あとがきの「どれだけ孤独な人たちなのだろう。」という一文にふふっとなりました。
    論文を読んで見出してもらえるというのは、研究者たちにとってはとても嬉しいことだっただろうなあ。

  • 最終章の漱石関連研究が圧巻。
    おもしろく、かつ研究のあり方に誠実で、科学コミュニケーションの上質な見本だと思う。

  • 世の中には、大学の偉い方だろうが、野生の方だろうが、変わった研究する方々がおられるんだなあ。面白かった。
    メロスが徒歩だった衝撃。
    しかも、中学生の論文だったのも衝撃。
    友人救う気あったんじゃろうか、あいつ。

  • 究極のエンターテインメントに絶句

  • 前巻に引き続き、ちょっとへんてこでそんなことを研究する人がいるんだという驚きと強い熱量を感じる論文たちが紹介されている。

    まだまだたくさんある知らない世界たち。今回は特に在野の研究者ってすごい!と思わされるものだらけ。

    どれもが「論文」なので、タイトルがいかにキャッチーであっても、中身はある程度しっかり情報収集して分析されている。その生真面目さとのギャップも面白さの1つだと思う。

    また、論文のタイトルはその内容を凝縮したもので、タイトルを見ただけで内容が把握できるイメージだったが、「追いかけてくるもの」「方手袋」といったキーワードを使われると、難しい言葉では無いのに専門外すぎて分からなかった。どういうこと?どれのこと?と疑問符でいっぱい。内容を知って納得とともに収集された情報には驚いた。

    最後を飾る「『坊っちゃん』と瀬戸内航路」の話はもう本当に西村京太郎のミステリ小説のようで、一歩ずつ地道に謎を解き明かしていく姿にワクワクが止まらなかった。前巻も今回も、最後の話は一冊のなかでも特に熱くて、読み終えた時に最高の気分になる。それから、人生についても少しばかり思いを馳せてしまう。

    紹介されているものの中には、今までの研究の歴史がある中でこれを研究するのはこういう立ち位置っぽい、そしてこういう意味があるんじゃなかろうか、という話もあって、ちょっと変わったテーマで単純に内容が面白い以外に、研究自体の奥深い面白さも垣間見ることができた。

    世の中には特別な設備が無いとできない研究もあるが、本書を読むとそれ以外にも研究できるテーマはたくさんあると気付かされる。在野の研究者たちは思っているより身近にいるのかもしれない。

    学生時に研究テーマを決める際、「新規性」は絶対だった。しかし、「世の中にやっている人がたくさんいることでもいいし、それで一番にならなくてもいい」と言われると、物凄くハードルが下がってもっと気軽に取り組んで良いものに思えてくる。いつでも誰でもどんなことを研究しても良いのだ。お誘いが上手い。

  • 本当は1から読みたかったけど、借りられなかったからこちらの方から読んでみた。
    取り扱ってる論文のテーマもまとめかたも面白い。でもところどころ筆者の考えが古いのか単純に私と考えが合わないだけかもしれないけど、少し読んでて違和感というか不快に感じる部分もあった。
    論文って自分の研究分野以外触れることないから他分野でこんなことも研究されてるんだっていう発見にもなったから、1の方も読んでみたい。
    最初に取り扱った野球選手と結婚する方法の論文面白すぎた。夢があるようなないような。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。漫才師「米粒写経」として活躍する一方、一橋大学・早稲田大学・成城大学で非常勤講師もつとめる。早稲田大学第一文学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。文学修士。日本初の学者芸人。ラジオのレギュラー出演のほか、雑誌連載も多数。主な著書に『これやこの サンキュータツオ随筆集』『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』『ヘンな論文』『もっとヘンな論文』(以上、KADOKAWA)など。

「2021年 『まちカドかがく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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