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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044006372
作品紹介・あらすじ
『源氏物語』第一帖・桐壺巻を70章にわけ、可能な限り歴史的資料を提示しながら物語と照合。物語の背景を求めるだけではなく、一歩踏み込んだ物語の楽しみ方を提案する。
感想・レビュー・書評
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一気に読もうと思っていたので、しばらく源氏物語系統が続きます、ご容赦。
で、まずは桐壺からと思い、この一冊。
角川ソフィア文庫、強し。
物語全体の注釈を扱えば、ボリュームがすごいことになるから、どこ扱う? そりゃ、桐壺でしょ!ということで、『源氏物語』の小宇宙たる桐壺巻をかなり丁寧に解説してくれています。
ありがたい。
桐壺を単に悲劇のヒロインとして見るではなく、裏返すと、その悲劇のヒロイン性を強かさとも重ねながら描いておられる所も、面白い。
現代の結婚観とはかけ離れて…などいなくて、令和の今でさえ、ある立場の方が誰と結婚なさるかということは、秩序の対象なんだなぁと思うのです。
お金ということも大きいだろうけど、私たちがそこに「関係」している意識が働くんだなぁと。
後宮の憎悪が、宮中の男性官僚に、そして都に住む人々に及び、不安に揺れる様。
一人の男のタブーからの、恐ろしい幕開け。
てか、紫式部、これ書いて無事だったんだね…。
そんなわけで、まだ光源氏が台頭する前であるのに、いや個人的にはこれがあるから本編が、面白く読めるのだと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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