- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044006853
作品紹介・あらすじ
「これからぼくは君に、少し長い手紙を書こうと思う。そして何人かのぼくの人生を変えてくれた人物と言葉を、君に伝えることができたらと願っている。
もちろんぼくにとって重要だった人が、君にもそうなるとは限らない。でも、ぼくがその人というよりも人間そのものを信頼したように、君にとっても信頼できる人間が、今日までの長い歴史のなかには必ずいることを伝えられればと思う」(本文より)
サン=テグジュペリ、石牟礼道子、岡倉天心、神谷美恵子、吉野源三郎、リルケ、ミル、小林秀雄、河合速雄、フランクル、そして「コトバ」を紡ぐ詩人たち――。自らの人生を変えた本、言葉、そして人間について、未来の読者に向けて綴る、全12篇の手紙。
【目次】
小さなひと
春の使者
言葉の花束
悲しみの弦
コペル君と網目の法則
愛と「生きがい」
コトバのちから
自由の危機
いつくしみの手仕事
「空」の世界と「いのち」のちから
読書の扉
愛しいひと
おわりに
参考文献/ブックガイド
感想・レビュー・書評
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若年層に向けて書かれた本だと思いますが大人が読んでも大変心に染みる言葉がたくさんありました。
大変読みごたえがあり、二百数ページの本ですがじっくり読んだので三日かかりました。
人によってこの本で大事だと思うところはさまざまあると思いますが、私がメモしたところを少しだけ書いておきます。
私も自分だけの一冊をみつけたいと思いました。
○「読書とは、信頼する人間と交わる楽しみであった」(伊藤仁斎)
本はいかに多く読むかが問題ではない。むしろ、どうやって「読み終わらない本」に出会うかが問題。
仁斎が『論語』を見つけたように、ぼくたちも「わたしの古典」を見つけて行かなくてはならない。
○「人は心からも血を流します」(高橋巌)
言葉で世界が変わるなんて、大げさに聞こえるかもしれない。でもほんとうだ。言葉は世界を変え得る。むしろ、言葉こそ、世界の在りようを根底から変える「ちから」を持っている。
○これからの時代、人を死に追いやるのは、病より孤独だという研究がある。言葉との波長が合いづらいこともある。エッセイを読むことも、一篇の詩を受け容れることも、むずかしく感じることがある。そんなときは、目にしている言葉を全部、読もうなどしなくていい。そのとき、ほんとうに必要な言葉を摂りいれればそれでいい。
○高村光太郎は詩は人間が「書く」のではなく、人間から「生まれてくる」ものだという。人間の力で「作った」ものではなく、「いのち」から言葉が「生まれてくる」とき、それは自ずと詩になっていく。人生の困難にあるとき、ぼくたちを救うのは「作る」力だけではなく、さらにいえば「作る」力よりも「生む」ちからだ。
○君にたくさんの本を読んでほしいとは思っていない。でも簡単に「読み終わらない本」には出会ってほしい。そして、君を変えるだけでない変わっていく君と共に「生きて」くれるような本に出会ってほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
というわけで「ブクログ Best User Award 2023」においてBronzeを受賞されたまことさんのおすすめ本『読み終わらない本』を読んでみました
ちなみに、ほんとちなみになんですがひまわりめろんさんはSilverでしたちなみに
で本の内容等々についてはそれこそまこっさんのレビューを読んで頂きたい
で、ワタクシがこの本を読んで思ったことはまことさん「らしい」本だなってことでした
もちろんこの「らしい」というのはひまわりめろんが勝手に思うイメージに過ぎません
しかしながら決して短くない期間フォローしフォローされる関係として多くのレビューを読み、どんな本を読んでいるか知り、どんな本に高評価を与えるかを知っている関係性であるなかで思う「らしい」ですのでそれなりの説得力があるのではないかと思います
別にぜんぜん違ってもいいのです別に
またまことさんが選んだ本て知ってるからそう思ったんじゃねでもいいのです
答え合わせはいらんのです
2023年の一冊をを選ぶということをブクログさんがどう捉えているのかわかりませんが、これって真摯に向き合えば向き合うほど相当な苦行です(一冊だけ選べてあーた)
そしてこの苦行はひたすらに自分自身と向き合う作業です
つまりこの一冊はどうしたって自己を投影したものにならざるを得ないのです
そしてなんかちょっといいこと言っていますがほぼほぼkuma0504さんの受け売りです
要するにこの『読み終わらない本』とはまことさん自身であり、まことさんの運命の一冊候補であり
まことさんを知る手がかりとなる一冊なのですよ
で、この一冊を読んでみてまことさんがどんな人だと思ったのか?ってことになるわけですが…うんそれはまぁいいじゃない(そこまで考えてなかったらしい)
ちなみに、ほんとちなみになんですがおびのりさんが自己を投影して選んだおすすめ本は木原音瀬さんの『箱の中』ですちなみに
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2024/03/04
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めろんさん、関係ないことから書きますが、今やレビューを読むのが苦行でしかない。一気に遠視になった。一時的かどうか、しばらく様子見ですが、この...めろんさん、関係ないことから書きますが、今やレビューを読むのが苦行でしかない。一気に遠視になった。一時的かどうか、しばらく様子見ですが、この後楊令伝にコメントした後は、他の方のいいね返しはやめます(←ここで言っても仕方ない)。
で、呼ばれたようなので少しコメントすると、去年受賞者コメント送る際にスタッフに向けて(のつもりで)「選びたくないと言っているわけじゃなくて、我々読書家にとって、一冊選ぶのはかなりの苦行です。受賞者の多くは、年末にBest3をマイリストで発表しているわけだから、せめてBest3にして、そこに200字ではなく、思いっきり書かせてくれたら嬉しい。それが今は無理というのならば、無理矢理選ぶ準備はします」と返事をしたら、一切返事は返ってこなくて、私も、無理矢理選ぶことはなく終わったわけです。
今年のコメントフォームには、「無理矢理選びたくない人は、その旨書いてください」という意味の但し書きがついていましたね。私の言いたかったのは、そんなことじゃなかったのですが、ブクログスタッフもお忙しいので、丁寧に対応するお時間がないと判断して、私は今年は無理矢理選んだというわけです。
ブクログスタッフに幾つか質問しても、提案しても、丁寧に応える余裕はないと思われますから、これからもしない方が賢明かと老婆心ながら思います。2024/03/04 -
クマさん
もう!命削ってまでコメントしなくて大丈夫ですよ!(そこまでじゃないか)
わいはねブクログスタッフさんに関してはね読書のプロの人...クマさん
もう!命削ってまでコメントしなくて大丈夫ですよ!(そこまでじゃないか)
わいはねブクログスタッフさんに関してはね読書のプロの人たちだと信じたいところがあってね
きっとこの苦行を強いてる裏側にちゃんと意味を見出してると信じたいんですよね
そんなにきちんと相手してくれなくてもいいんです
だって無料でシステム使わせてもらってるんだもん
ただな〜、なんていうか一生懸命悩んだ結果がただの一票として集計されて終わり、そのまま載せられて終わりってのは少し悲しいかな〜なんて思ったり
わがままだなw2024/03/04
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2023年初版。著者が青少年に向けて、本を読むということを手紙の形で伝えようとする本です。文章には優しさや愛が溢れています。著者よりも長く生きている私は、読み終わらない読み返したい本と出会うより一冊でも多くの本を読むことに注力しています。心も血を流すと言うのは、そうだなあと思えました。詩を書くということに興味を持ちました。青少年が読むと大きな影響を受けるでしょう。でも、もっと高齢の人にとっても読書に対する認識を変えることに意味のある本だと思います。
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私の本 第1回 若松英輔さん ▶︎▷01 | 小説丸(2018/06/04)
https://shosetsu-maru.com/interviews/watashinohon/1-1
「読み終わらない本」 若松 英輔[ノンフィクション] - KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/322107000854/ -
改めて慈しむことの大切さを、噛み締めた一冊…。対人への向かい方を、また、精進していこうと、思えました。
著者の書物はまた、手にとりたいですし、様々な、書籍に触れていこうと、思いました -
エッセイストで詩人の若松英輔が若い人に向けた書簡の形で自分が影響を受けた本や著者について話し、それがどのように自分の思想を作っていったかを書いた本。
序盤と最後はとても良かったが、途中は少し言葉遊びのように感じてしまった部分がある。
それでも心の動きを大切にする著者らしく、温かみに溢れる読書エッセイであった。 -
青少年に向けた大人からの手紙という感じの
本。
いわゆる、最近はやった君はどう生きるかと同じ感じの
本。
詩を書くこと、言葉を紡ぐことの大事さを説いている感じですが。少し自分にはあまり響かなかったかなと思いました。 -
昨今、よくメディアにも登場する若松氏。読み終わらない本は手元に置いてあるだけでよい。また、かなしみ、いつくしむ、おもうなど、漢字に置き変えるとその意味合いも微妙に変わってくるなどを、深く探究されていた。一番印象に残ったのは思考ではなく、思索することの意味合い。人生への解答がないことは、生きていてわかってきたとは思うが、芯を支える部分を見失わないようにしたいと云うべきだろうか。詩を書いてほしいということをしきりに語りかけていた。それは生きていく上で必要になるものであると。ブームにのるだけではなく、自らがそう思うようになった時、詩にも触れていきたいと思った。
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自由とは、自らに由る。
この本の言うところによる、読み終わらない本とは、この本の事でもあるかも。