妖魔夜行しかばね綺譚 (角川スニーカー文庫 52-11 シェアード・ワールド・ノベルズ)
- KADOKAWA (1998年10月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044152116
作品紹介・あらすじ
日本の探偵小説の祖黒石香玉の幻の怪談本が存在するという噂が出版界に流れた。その名は『屍綺譚』。彼の研究者や書評家が誰よりも先にその本を手に入れようとするなか、作家の芦野健太郎がついにその本を入手。しかしその直後、芦野は謎の死を遂げる。それ以後『屍綺譚』を手にした人間が次々と怪死体となって発見されるのだった…!!高井信の表題作と山本弘「悪意の連鎖」に加え、妖魔初登場の安田均の短篇を収録した豪華版、登場。
感想・レビュー・書評
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妖魔夜行の小説シリーズで、一番好きな本です。
表題作の「しかばね奇譚」は、どーしようもないビブリオ・マニアが被害者。呆れるしかないマニアの人々を、それでも助けないといけなくて張り込みする妖怪達のウンザリぶりも面白い。
で……じつは、一番好きなのは、山本弘さんの短編「悪意の連鎖」です。棒のような物で人がめった打ちにされるという、連続事件が起きる。被害者の住んでいる地域も、職業も接点が見つけられない妖怪達。ひょんな所から見つかった、被害者達の「接点」は。
……でも、オタク業界というか、同人誌業界のネタが出るとは思っていませんでした。何回読んでも構成が巧みなこと、そしてラストシーン。日本特有の怖さに、奇妙な「ざまみろ」巻があって、不思議な話です。というか、上手いなぁ。
安田さんの初妖魔夜行短編も収録されていて(しかも、バー・うさぎの穴のマスターが動く、という珍しさ)豪華な一冊です。
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