日本の照明はまぶしすぎる 節電生活の賢い照明術 (角川oneテーマ21 C 208)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047103009

作品紹介・あらすじ

本当に必要な明るさとは?光を観察する6大ポイント。これだけは知っておきたい快適な光の味わい方。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の照明は高度成長期と共に明るくなったが、まぶしくなりすぎている。
    もっと暗くしてかすかな明かるさを楽しもうと主張する。
    家庭でできるアイデアを提案しているので、家の電気を消してろうそくで遊んでみよっと。 

  • 照明デザイナーによる日本の照明の「これから」の提案。
    「お腹いっぱいの光」ではなく「おいしい光」を、という言い方が腑に落ちる。光量だけを求めるのではなく、色や明暗の組合せを楽しむべきという意味だ。
    2011年の3.11以降の節電モードの中で書かれた本なのて、消費電力についての話題も欠けてはいない。闇雲にLEDにするのではなく、蛍光灯の光量を1/4にした電球を使えば、安く美味しくなるという。美味しさの観点では、まだ白熱灯に歩があるようだ。

  • 日本の照明が、いかに明るさ一辺倒で生活に入り込んで来たことが分かる。また、欧米先進国では、戦前から、その推奨照度が一律に上がって来ていることは、一種の豊かさの象徴であったり、作業効率化に根ざした変化であったのではと感じる。著者は、もっと照明の持つ演出効果を活用することやまぶしすぎる照明の弊害など、とても面白い視点で照明を語っている。

  • 賢いかどうかは人の判断でしょう

  • 201212読了。

  • 高度成長期、蛍光灯のまばゆい光が日本人にとって豊かさの象徴であった。今や、無駄な光と必要な光の峻別の時代。震災時、街が暗いと感じた人もいたと思うが、慣れればかえって居心地がよいと感じた人も。見方を変えれば夜も昼も明るいなんてもったいない。著者は照明デザイナー。過剰な光を取り除いて心地よい暗さの提案をしていくことこそが果たすべき役割と言う。おなかいっぱいの光。おいしい光。おなかいっぱいでもおいしいとはいえない。

  • かつて日本の照明はろうそくがにない、
    和服の裾をそっと照らしてきました。

    それなのに、
    いまや夜なのかどうかわからないくらい
    こうこうと照らす照明ばかりです

    もっと、おちついた光を
    社会にも家庭にも
    とおもいました。

  • 発売当初から気になっていた本。
    昔から、北欧のルイスポールセン社に見られるような、
    北欧の暖かくて美しいデザインの照明には、とても興味があった。
    けれど、自分の国、日本の照明事情について考えたことは今まで
    一度もなかったし、この明るさが当たり前である分、明るすぎると
    感じたこともなかった。

    しかし、東日本大震災が起きて、原発事故も起こり、節電を人々が
    意識し始めたこのタイミングで、わたしたちが改めて、というか
    ほぼ初めて「照明の在り方」や「わたしたちの生活と照明のつながり」、
    ついて考えることは至極当然のことで、しいては「震災後の日本を
    どう生きるか」にもつながった。本書はそれを助長するかなり重要な
    一冊であるように思う。

    本書で、著者のいう「闇があるからこその光」という考え方が新しかった。
    今まで、わたし自身「光があるところには闇がある」と考えていた節があるが、「光よりも、闇をどう生かすか」が実はより大切なんだ、という考えに行き着くことはなかった。

    これから、わたしも一人の生活者として、自分を取り巻く光や闇、
    照明を調節しながら心地よい居住空間を作り上げていきたいと思った。

    普段、当たり前だからこそ気付けなかった大切さを教えてもらった本。
    著者に共感するところが多かったのか、既にかなりのお気に入り。

  • 私もこのジャンルの仕事をしているので、つくづく思うことを専業のプロとして本にしてくれている。ここには書かれていないが、「光は、影があってこそ生きる」ということを日本人はこの30年ほど忘れているんだと思う。谷崎潤一郎の『陰影礼賛』も基本的にはそのことを書いているし、誰もが知っているだろうが、トイレは落ち着く場所である。それは、光の強さが心地よいからである。
    後書きで、著者は、2011年3月11日東京ビックサイトの「ライティング・フェア2011」の会場で東日本大震災を味わったという。私もその場所にいて、「ビックサイトは丈夫だから安全だ」と感じながらも、灯りの展示会場で明るすぎる製品を展示している場を襲った暗闇のような地震と電力問題が発生したことは私も著者と同じ感想を持った。ここまでの光は必要なのか?と。
    5章までの内容については今更学ぶことはほとんどないが、6章の「電球ソムリエ」という概念は面白い。ワインのソムリエに比して電球を解説するのだが、そこにワインと同じように決まった「テイスティングコメント」を用意するべきだという。それぞれが、それぞれに「明るい」「明るすぎる」というのではなく、決まった用語を使い解説するという。著者の9分類はまだまだ検討の余地があるとしても、なかなか有意義な提案であると思う。馬鹿の一つ覚えで「明るいからいい」と言ってる人々に教えてあげたいものだ。
    ちなみに我が家のリビングは16畳だが、4WのLED電球2球の8Wしか付いていない。それで困ったことは一度もないのである。

  • 最近思ってたことがそのままタイトルになってたので
    図書館で思わず手にとってしまった。

    個人的関心から言えば、
    中身は第1章が9割で、
    とりあえず第1章に書いてあることは
    世の多くの人に分かってもらいたいと感じた。

    <目次>
    第1章 日本の家は明るすぎる
    日本の家はまぶしすぎる!
    オフィスの照明を見直すべき時期
    まぶしすぎる照明環境から「おいしい光」へ
    街から光が消えた!
    安価なソーラーガーデンライトを使って
    感覚が研ぎ澄まされる「薄明視」
    「調光器」を使って、時間の流れを実感
    キーワードは「LED×調光」
    いま考えるべき「光の情操教育」
    暗くならない「ストレス社会」
    「復興の証し」となる光

    第2章 日本人と明かりの歴史
    夜における四つの光のシーン
    夜は一日の始まり?「夜先昼後論」
    提灯と行燈
    控えめな光と「粋の世界」
    茶の湯の「露地行燈」を現代に
    「空間トリップ」を演出する小さな光
    和室の照明「3Lの法則」
    密教寺院の”光の演出”
    銀座の夜を違った顔に演出するニューフェイス
    銀座のシンボル、照明灯の変遷

    第3章 世界各国の照明事情
    早かったアメリカのLED旋風
    新たな光源には新たなスタイルを!
    太陽の光を室内に!
    LEDのないビルは上海の建築に非ず!?
    上海を美しく演出する都市計画
    夜の長い北欧の人々の知恵
    パワーキャンドルのすすめ
    「ゆらめき照明」を効果的に楽しむ方法
    客をもてなす明かり
    街路灯の「昼の顔」
    夜の光にこだわる街路灯
    クーパーズバーグの窓辺のキャンドル

    第4章 ヒトは光にコントロールされている
    心地良く眠りに就くための照明術
    快適な睡眠を導く方法
    雨の朝を元気にしてくれるスポットライト
    朝の洗面台で気持ちを高める
    女性を「美人」に見せる照明術
    「バスライト」の癒し効果
    フライングソファでリラックス
    食べ物をおいしく見せる照明
    目に優しくテレビを見る方法
    音楽と照明によるリラクゼーション
    新聞などの細かい字を読みやすくする
    ご主人を優しく迎える「おかえりライト」
    防犯用自動点灯&消灯ライト
    住空間では蛍光灯ではなく白熱電球を!

    第5章 今すぐに出来る光のダイエット
    エコロジーな「多灯分散」
    節電を楽しむ心の余裕
    夜モードの目に最適の常夜灯
    一〇〇円で実践できる「光のダイエット」
    「光の衣替え」で省エネ
    ハードな仕事や受験勉強を乗り切る照明
    照明も電気も使わない暑さ対策
    内装を白くする効果は絶大!
    大学時代に学んだお手軽照明テクニック
    光の価値はプライスレス

    第6章 光の味わい方を知る
    光を求めて街へ出よう
    ナイトライトツアーのための七つ道具
    光を観察する五つのポイント
    光を生かすための「闇」
    見つける「美暗」、つくる「美暗」
    ワインの世界と照明の世界
    明るさ・暗さのテイスティングコメント
    LED電球元年と電球ソムリエ
    電球の基礎知識

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