- Amazon.co.jp ・マンガ (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047274747
感想・レビュー・書評
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マンガの大きな役割の一つに「風刺」というものがある。いや、漫画の役割とはそれだけだ、とまでかつて手塚治虫は言ったことがある。
それならば、この大震災の時にマンガがその役割を果たさなかったとすれば、それは漫画の劣化以外のなにものでもないだろう。残念ながら漫画は臆病にもあまり役割を果たさなかった。これから果たすのだ、という意見もあるかもしれない。充分な準備をした後、大震災の「真実」をこれから見せていくのだ、と。しかし、それはもう映画や小説やテレビが始めている。「風刺」という以上、本当にいち早く作品を作らなければならない。特に3-4月の間に、TVが原発報道一色に固まっていた時期、本屋に行っても原発関連の本は数えるぐらいにしかなかった時期、一番知りたいと思っていた時に情報が届かなかった時期に、漫画だから語れる「一目でわかる情報」を届けなければならなかった。
しりあがり寿は朝日で四コマ漫画を持っている。また月刊誌なども持っていた。そして彼はなんだかよく分からない時期に、良く分からないまま、しかしほとんど時々だがその「本質」を描き出した。そういう意味で彼の仕事は貴重だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
震災後、いま何をどう感じてるか最も知りたい人の描いた本がやっと出た。
いつだったか何かで「死ぬのは怖いけど、死ぬことをずっと考えていれば、最後は笑って死ねる気がします」と言っていた、しりあがり寿 氏。やっぱりこの人は漫画を描いていた。
いつもどおりの、軽いタッチと少ない言葉で、ひょいっと時空を超えている。主観と客観を併せ持ち、さらに俯瞰した視線は、単純な二元論をもたない。
4コマで笑い、短編に胸を打たれる。被災地を訪れてから朝日新聞に寄稿された文章も掲載されているが、読んだら惚れてしまうので気をつけたほうがいい。 -
2011.03.11から始まった日々
2011.03.14朝日新聞夕刊の「地球防衛家のヒトビト」から
2011.07.12月刊コミックビーム8月号の「そらとみず」まで収録
2011.08.05に発刊
なぜ?この設定、でも妙に納得させられる「川下り双子のオヤジ」
どうか、どうぞと、祈らずにはいられなかった「そらとみず」
手にすることができて、よかった-
「祈らずにはいられなかった「そらとみず」」
泣きそうになりました、、、
しりあがり寿は、単に小器用なクリエーターだと思われているかも知れませ...「祈らずにはいられなかった「そらとみず」」
泣きそうになりました、、、
しりあがり寿は、単に小器用なクリエーターだと思われているかも知れませんが、この作品でシッカリ芯の通った表現者だと認識されたと思います。2013/02/05 -
nyancomaruさん
>この作品でシッカリ芯の通った表現者だと認識されたと思います。
そうですね。
この1冊で様々な表現を見ることが...nyancomaruさん
>この作品でシッカリ芯の通った表現者だと認識されたと思います。
そうですね。
この1冊で様々な表現を見ることができました。
しりあがり寿氏が、現場に行って見て経験したことを、
「地球防衛家のヒトビト」を通して現したり、大胆な描き方で伝えようとした「希望」
「そらとみず」・・・泣きましたよ
2013/02/08 -
2013/03/02
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読んで欲しいです。。。
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双子のオヤジに泣かされるなんて思わんかった。
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ギャグマンガ家さんと認識していました。本質を知らない人にはギャグはできないと想っていました。予想通りです。見かけ以上に、深いと想いました。
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あの日=3.11からのマンガ。
読んでよかった。
それしか、言えない。
(2012.10.22読了)-
「それしか、言えない」
それで充分なんじゃないですか?現実の隙間を見るコトが出来て!「それしか、言えない」
それで充分なんじゃないですか?現実の隙間を見るコトが出来て!2012/12/10
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当時の気持ちがよみがえってくる。
防衛家の家族がTVの前で手を取り合い刻々と伝えられる被害状況に目を閉じて何も言えなくなるあの4コマ。たった4枚の絵で当時のわたしたちの気持ちを実感として見せてくれる。
防衛家以外の作品も。
これを読んで思い出したのは、朝日新聞の朝刊と夕刊ではっきりと違っていたこと。朝刊の山田家はあの日常を全く変えなかった。
いつものとおり、おばあさんは辛辣でまつこさんは抜けていてののちゃんはちゃっかりしていて。
あの一家の日常を変えないで続けてくれたことに毎日感謝したものだ。
どちらも凄い漫画だと思う。 -
賛否はあるだろうが、作家たる人が、この時に言わねばならないと思ったことを、ちゃんと表現してくれた点に感銘した。
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巨大すぎる悲劇を「時事ネタ」として扱うことから逃げなかった
なおかつそれをあたりさわりのない内容としてまとめきった
「あたりさわりのなさ」がこれほど偉大に見えたことはない