東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる (ファミ通文庫)

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  • エンターブレイン
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047277205

感想・レビュー・書評

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  • 『東雲侑子は短編小説をあいしている』の続編。
    タイトルが異なり、2としなかったのに好感が持てます。
    作者自身もあとがきで述べていますが、前巻で女子高生ながら小説家として
    細々と作品を発表している東雲は感情の起伏に乏しく、長編を書く事で壁を感じていました。
    しかも題材を恋愛にと定めたので、そうした感情も分らず、
    同じ図書委員で雑誌から小説家と知った主人公の少年に形だけでもと請い、つきあい始めます。
    主人公も幼い頃に秀才の兄の恋人に恋人と考えず(幼さですね)恋をし、
    やがて真実を認識することで感情を殺すことが多くなっていました。
    似ている様ないない様な2人は交流を深めることでやがて互いを意識するようになり、
    一旦は関係が解消されかけたものの、それを繋ぎ止めたのは少女の書き起した小説でした。
    少年は初恋の傷から何時しか解放され、少女へと向かい始めた事を認め、
    改めて交際を申し出る。。。そこまでが前巻の内容でした。


    本巻では更に少年に横恋慕する少女が登場することで、
    少女の心に今迄無かったものを芽生えさせます。。
    しかしその感情への戸惑いが、少年との仲をぎこちなくさせてしまい、
    少年も又少女の心が見えず己の感情をもてあまし。。。

    短編小説への拘りを持つ少女が更に新たに歩み出す事が題名からも覗えますが、
    それ以上に印象的だったのは章間に挟まれる少女の小説の一片です。
    『いとしくにくい』と己の心情を吐露した短編小説の文筆は
    本編の雰囲気とは異なり、それが一層少女の揺れる感情を印象付けて感じられます。
    話自体はかの『文学少女』シリーズの様に奇抜な人物も展開もありません。
    しかし、個人的にはそこに逆に人間味を覚え、好感を抱きました。

    タイトルは1文字増えましたが、次はどの様に1文字増やすのか、
    それをどの様に内容へと投影するのか注目しています。

  • 全巻が素晴らしすぎたことが原因の蛇足感はぬぐえないが、それでもかなりの良書。憎らしいほどに純愛小説。ただ、ここまで二人の関係に焦点の全てを当てた作品だったのに、劇薬としてサブヒロインを入れたことになんとなくの違和感。それにしても、この「いとしくにくい」滅茶苦茶売れるだろうな。

  • 1巻よりもおもしろかった。
    物語に起伏が出たし、主人公とヒロイン二人のもやもやした感じがすごくよく出ていると思う。
    東雲の書く小説の本編との絡み方も濃くなっており、描写する必要性がしっかりとあった印象。(1巻ではなくてもいいと感じていた)
    ☆は3をつけたが、4に限りなく近い3ということで。
    ただ、前巻の終わり方からこのように続くのは、蛇足のように感じてしまう部分もある。別の話として読めば……というのも無理がある話か。

  • 待っていた期待を裏切らない作品だった。

    ヒロインの作家という点が上手く使われていて良かった。

    続きが読みたい作品。

  • ☆4.3

    お互いに不器用で、初々しくて、もどかしいけど、可愛い。
    今回はそれに、女の子その他大勢が関わり、少し賑やかになりました。

    相手が何を考えているのか。
    どうしたらいいのか。
    人付き合いをしていく上で心情を汲み取る事は大切ですが、中々上手くいかないもの。
    好きな相手に対しては尚更。
    そんな悩みであったり、自分の気持ちに対する疑問が積み重なり、すれ違いが起きてしまう。
    なんとももどかしい恋愛模様に少し懐かしさを感じながら、感情移入しながら読んでいました。

    展開としてはベタだけど、読み進める手が止まりませんでした。
    あとがきによると続編が出そうなので期待しています。

  • 完全に森崎ビンゴさんのファンになりました。派手なアクションなんてない。魔法も異能も超能力もない。淡々と日常を描いてゆく。不器用で、読んでいてもどかしい、だけど目が話せない、そんな本でした。読み終わったときのホッと息をついたときのあの満足感はよかった。最後の東雲の一言がなんとも愛らしい。一巻と同様、素晴らしいお話でした。

  • いじらしくて、こそばゆくて、もどかしすぎるの三権分立

  • いい。相手が何を考えているか分からずに不安になるという心境が初めての体験として初初しく書かれていて、自身の高校時代を時折思い出したりもしつつ感情移入しながら読んだ。東雲の長編恋愛小説も読んでみたい、あの幻想的な短編の描写を見る限り、とても美しいものになると思う。また、章の冒頭ごとに出てくる東雲の書いたものは、そういえば野村先生の文学少女とかのものに雰囲気が似てるなとも感じた。続編タイプのものではないけれど、短編の語り部を変えてのアフターストーリーなどが出ると嬉しい。

  • 出てくる人がみんなまっすぐで
    楽しくて綺麗で切なくて


    読んでて気持ちいいのだけれど悲しい

  • 超純愛物語、まさかの続編。1作目が素晴らしすぎて読む前から蛇足臭がしてたけど、これはこれでアリ。

    前回からどうなるかと思ったら相変わらずつかず離れずみたいな状態だった二人。さらに東雲はスランプに陥ってしまう。
    そんな中新キャラ・喜多川が登場。彼女は三並に積極的にからんでいき・・・

    今回も三並と東雲の距離感がたまらない。どうなるのかどうなるのかとハラハラしながらページをめくった。
    これが本当の青春なのか、恋愛なのか。私には無縁すぎてもう・・・

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著者プロフィール

2002年にファミ通文庫でデビュー。主な著作に『三月、七日。』シリーズ、『東雲侑子』シリーズ(ファミ通文庫)。『デビルメイクライ』シリーズや『鬼武者Soul』などのゲームシナリオの他、漫画原作も手がける。

「2016年 『この恋と、その未来。 ―三年目 そして― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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