“朝顔" ヒカルが地球にいたころ……(6) (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047286009

作品紹介・あらすじ

「ぼくと朝ちゃんの最初の約束を、ぼくの代わりに叶えてほしい」-ヒカルにそう頼み込まれてしまった是光。犬猿の仲の朝衣と関わるのは気が進まないながらも、しぶしぶ"約束"を果たそうとするが、拒絶する朝衣と喧嘩を繰り返す内に、何故か二人が恋仲だと噂になり-?帝門家の権力争いを制そうとする朝衣の、本当の目的とは一体何なのか。また対立候補として現れた一朱も、葵や朝衣を標的に、災いの種をまき始め…。大人気学園ロマンス、第6巻。

感想・レビュー・書評

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  • 今回のヒロインは朝顔の宮。

    この小説の元ネタである源氏物語では、朝顔の斎院と呼ばれ、源氏の求愛を受けながらも拒み通し、知的な斎院として登場しています。このお話では斎賀朝衣さんですね。

    私自身は、朝顔の宮って、本当はすごく激しく愛されたい、だけど叶わなかった時の自分の心の痛みや衝撃の激しさに耐えられない、脆い女性だと思っています。もしくは意地っ張りだと。それだけならきっと、それで済んでいたのでしょうに。そういう自分が外からどう見えるか、よく解って。その想像がなお、彼女を打ち据えてしまう。そういうタイプの女性だと思うのです。

    このお話でもそうですね。そういうところは六条御息所や藤壺とも似てるけど。もっと硬質な何かを持ってるのが朝顔の宮。確信犯的に光源氏に身を許している藤壺とはちょっと違います。それが出来るなら彼女はもっと楽だから。

    もしこのシリーズも同様の相手とヒカルくんが愛し合っていたなら、ラストの字合わせのメンバーは凄みがありましたね。私は朝顔姫のおばあさま、大好きになりましたけど。

    是光くんと女の子たちの話はどうでもいいや。予想してた通りの展開で、葵さんと朝衣さんは、ちゃんと喧嘩してるほうが未来があっていいし。
    この話の主役は「途上」それに尽きます。

  • 一人背負い続けた約束。
    幼い頃から自分以外には見せない顔を知っていたからこそ、どんな手を使ってでも護り抜こうとしたのだろう。
    どんどん複雑になる人間関係だが、こればかりは時間が解決してくれるだろ。

  • ヒカルが泣けないのなら自分も泣かないと決めていた朝衣が健気。葵を軽蔑しながら守っていてもどろどろさより切ない。他の子たちと同列にならない為にヒカルに恋はしないと決めていた朝衣がほどけていく様子が儚かった。葵と朝衣は三角関係として嫌な風にならないのも良いな。帆夏の恋愛しか頭にない風な所はやっぱり苦手。

  •  ヒカル・シリーズ6巻は「朝顔」編。
     ジゴロ源氏の求愛(というより求ム性愛のようにも思うが)を退け続けた女を著者はどう味付けし調理していくのか?。

     それは、何とも不器用な少女の可憐な姿を刻み出す。真っ直ぐな想いは美しいと直球で攻めてくる物語。
     野村美月さんという作家が好きなんだなぁ、と感じさせる第6巻である。

  • ブルータス、おまえもか!

    ということぐらいしか、印象に残らない巻……

  • 話が少し進む。
    ハーレム化はかなり進む。

  • 評価:☆4.5

    今回の心残りはタイトル通りに朝衣ちゃん。

    ついに本気を出した花里ちゃん、挿絵可愛いじゃねぇか・・・正直今までモブ扱いしてましたごめんなさいw

    朝ちゃんが握っている、秋になると変化は隠せなくなるヒカルの残した罪の証ってこれはもしかしてお腹の中に子供がいるということなのかな?

    エプロン姿の帆夏が眩しい・・・!
    少しの間距離を置いた方がいいと言っていても家の前に来てしまったり・・・いやー初々しくていいですねぇ。

    ヒカルを愛していた朝ちゃんが取った道は、恋人になるのではなく、傍で寄り添い支えること。
    明らかに無理をしている朝ちゃんの姿は辛いものがあったけど、朝ちゃんもヒカルも、そして織女のことも救った是光が熱かった!
    子供のころはツチノコ探しとか、ヒカルと可愛い約束をしていた朝ちゃんが、少し戻ってきたように感じてじーんときた。
    雌の顔してる朝ちゃんいいゾ^~これ。

    しかし遂に朝ちゃんも陥落か・・・どこまで行くんだ是光ハーレムww

  • 『ヒカルが地球にいたころ・・・・・・』6冊目。
    やっぱりそうか、な展開でした。やっぱり朝ちゃんはあんまりすきじゃないかなぁ・・・どっちかというと月夜子先輩のほうがすき(笑)このシリーズ最強のツンデレは帆夏ちゃんだけどねぇ、ほんとかわいいわぁ、この子wあとはやっぱりみちるちゃんが気になります!それにひいなちゃんも謎だし・・・

  • やっぱり野村美月はわかっていらっしゃる。「はい。女の子のえっちぃ描写を書いてみたからここで萌えてください」。…誰がそんな明確な誘導にひっかかるものか。巷に溢れかえっている萌え描写、言葉を換えるところの「常套手段」に、近頃の目を肥やした読者は食いつきやしないのだ。ゆえに、肉体的な接触を通じない、精神的な触れ合いを以て「間接的」に「ライトノベル」における恋愛を描いてみせた作者の手法には脱帽を余儀なくされた。それから本書における帆夏の振る舞いには、終始頬のゆるみを抑えることができなかった。…あれはヤバイ。久しぶりに「萌え」というものを実感、否、痛感させられた。…いや、だって、マジで半端なかったもの…。(←) くわえて、朝ちゃん攻略おめでとう。ついに朝ちゃんをパーティーにくわえることができたね。敵に回すと恐ろしい反面、味方になるとこれ以上に頼もしいキャラはそうはいないよ…。広い意味で大きな戦力補強だね。

  • また順番が前後してしまった(末摘花より先になった)のですが、
    久々の「ヒカル」。
    今回は久々に1巻からの重要キャラ・朝ちゃん(笑)のお話とあって、
    良かった!
    一見正反対なのに、抱えてるものが1巻のヒロインにして彼女と
    対を成してるような気がする葵ちゃんと重なる部分があります。
    朝ちゃんと葵ちゃんがお互い抱いてた感情も、重なっていた部分が
    あるんでないかな。

    個人的には、式部さんに楽しみにしておりますが
    (彼女以外はあくまで是光はヒカルを抜きにはできない存在だけど
    彼女だけはヒカルの存在を入れる必要がない…と言えるのかと
    いう気もしてきたが。是光の良い変化を思うに)
    どうなるかな?

    それはそうと、書いてて気が付きましたが、是光って、名前が
    是「光」。光源氏の親友の名前ということのほうが有名ですが
    彼にも何かありそうな…てのが次回の「空蝉」以降で語られそうな。
    先に「末摘花」を読みたいですが!

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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