- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047353497
作品紹介・あらすじ
消えゆく文明を記し続けた旅人、イザベラ・バード。
山形から秋田へ向かう道のりの過酷さから、
脊椎の古傷が悪化し、激しい痛みが襲いはじめる。
旅の中断を申し出るガイド・伊藤に、バードは自身の過去を語り始めるーー。
彼女は何故、命の危険を冒してまで、旅を続け、市井の人々の暮らしに寄り添い続けたのか?
大人気、日本発見紀行。金髪の冒険家の生き様に迫る、第5巻。
感想・レビュー・書評
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秋田に向かう前、旅は過酷さを増す。
そんな中、バードさんが背中に持病を抱えつつも、何故このような過酷な旅を選ぶようになったのか、その元となる過去の出来事が語られる。
しかし、あの時代にバードさんより更に前に女性冒険家がいたとは…。
ハワイのキラウエア火山、沈没寸前の嵐の船旅…数々の危険な旅路に圧倒される。
2021.1.7詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治初期に日本を旅した女性冒険家イザベラ・バードの手記(?)をコミカライズした「ふしぎの国のバード」の1〜5巻を一気読みしました。
開国、文明開花、そして西洋文化の流入。西洋に追いつかなければ、と日本人が思っていた時代。
今、調査しなければ、古来からの日本の文化が失われてしまう、というモチベーションで、横浜から蝦夷地へ、通訳を1人連れただけの身軽だけど危険な旅をした女性冒険家がいたなんて知りませんでした。
いや、聞いたことはあったのかもしれないけれど、ふーん、と右から左に抜けちゃっていた情報だったのかもしれません。
戦後日本の高度成長期の後の世界を生きている私たちは、なんだか昔から日本は文化的にも成熟していた、と思いがち、いや、思いたい、となっていたのかもしれませんね。
ま、そんな高尚な意図を持って読み始めたわけではないのですが、非常に、非常に、非常に驚かされました。たかだか150年前の日本の文化に、こんなふうに触れることができるのはありがたいなーと。
現在、10巻まで出ているようなので、続きも読もうと思ってます。
なんなら、イザベラ・バードさんの著書も読んでみたいと思っています。
5巻で一旦止まったのは、古本屋さんに5巻までしかなかったから(笑)。
6巻以降は電子書籍でポチッとする予定。 -
伊藤の過去話に続けて
この巻ではバードさんがなぜ
過酷な冒険の旅を続けるのかが
昔の闘病から描かれます。
病気のせいで気鬱になっていたのを
救ってくれたのが旅という療養だったのね。
そして元気になったら旅を再開
…なのに、ああもう〜
伊藤がマリーズとの板挟みに!
ふたりの旅は終わりなのかしらん。 -
バードが冒険家になった経緯の話。
うつ病だったんですね。
痛みが続くのは本当に気が滅入るし、治る見込みもないとなれば余計気が塞がり鬱のせいで神経痛も悪くなる悪循環。
でもだからって痛いのに旅に出るというのは勇気のいる行動だと思います。
最初は効果を感じてなかったけど、より刺激的な旅をすることにより非日常を感じたのが良かったんでしょう。
安全性はない訳だから良いんだからは分からないけど、バードにとっては性に合っていたというか。
だからこそ日本での旅も背中が痛くても続ける気マンマンなわけで。
鶴吉がマリーズのところに行くと言い出したけど、行って欲しくないなぁ。
かと言ってマリーズを黙らせる方法も分からないけど… -
山形から秋田へ抜ける道中と、日本へ旅に出る前の、世界をめぐる旅を始めるきっかけになったバードの回想が描かれる。自分との契約について伊藤が隠していたことを知らされ、そしてそれを終わらせざるを得ない可能性を示されるラスト。再三に渡り、バードの命に関わるような旅程に苦言を呈す伊藤と、危険な旅の中でこそ自分の命が燃えると譲らないバード。貧しい民として選択の余地のない自分と比べて、安全な道も選択肢としてあるのに、あえて危険を選ぶバードを苦々しく思っていた面もあったのでは、と示唆される。旅をするきっかけになったビショップ医師の「運命はいつも自分自身の意志の中にあるものですから」、なぜ旅を続けるのかというバードの問いに「わからない人には説明してもわからないし、わかる人には言葉なんて必要ないものよ」と答えたカープ、ハワイの現地ガイドの「私達 死 すぐそばにある だから楽しく生きる いじけている暇ないよ」という言葉が印象に残る。
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本当に面白い。6巻へ
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東京府麹町英国大使館 本来の能力を発揮したいのに_我慢を強いられ_それにより神経が衰弱し_背中の痛みが増長されている 大丈夫!運命はいつも_自分自身の意志の中にあるものですから そういうことはね_わからない人には説明しても理解されないし_わかる人には言葉なんて必要ないものなのよ 女神ペレ_誰より美しい_誰より恐い_女神ペレよく怒る_マグマ村襲う_みんな死ぬ_良い人も_悪い人も_私達_死_直ぐ側にある_だから楽しく生きる_いじけてる暇ないヨ 養生_健康を保つということです 滋養強壮には肉が一番です 死が側にあってはじめて_生きる意味を感じられるの 私にとっては_旅こそ命そのものなの_全てを捧げるものがある_それは何より幸せなことなのよ
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イザベラ・バード(後にビショップへ改姓)の時代からかなり前に、解剖学すらあった筈の英国でも、治療用のコルセットや妖しい薬品など、如何はしい医療器具が満載なのであった。
サンドウィッチ諸島へ行く女性探検家の人と、イザベラ・バードさんは、地図が読めるのであった。
バードさんは何とか言ひながら、ちゃんとしたウエメセでインディジニアスパーソンのカルチャー(ハワイに馬が昔からゐたか問題は無視するとして)をガン見しつつ、「蛮習」を蔑視しもする。
いろいろあったので、伊藤さんは何とか思ひとどまらせるやうに働くが。かう言ふので伊藤鶴吉さんが
「秋津島で異人のおばさんを死なすわけにはいかんのです」
へ、I・バードさんは西原理恵子先生張りに
「おばちゃん馬鹿だから聞く耳持たないの」
をやる。ただ、I・バードさんは土佐で鍛へられた丈夫な女性ではなく、神経症を病み、背骨の病気を患ひ、経験則で医療のなんかができる程度の虚弱体質も持つといふアレな方である。困ったものである。