DOUBLES!! -ダブルス- (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2015年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048652629
作品紹介・あらすじ
プレースタイルも真逆で、お互いのことが何から何まで気に食わない駆と琢磨。そんな二人に、「ダブルス組んでみろ」と部長命令が下り――。部活に青春の全てを捧げる、熱血テニス物語!
感想・レビュー・書評
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この本はとても面白い。テニスのルールを知らなくてもサクサク読める。青春物語でもあり、青春物語が好きという方にもおすすめだ。シリーズ物だから何回読み返しても面白く感じる。是非読んで欲しい。
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ダブルスは、単なる二人じゃない。
熱い話だった。私は部活で軟式をしていたので、ダブルスの経験もあるし、硬式もちょっとだけしたことがあるので、違いもなんとなくわかる。一方で、私は駆みたいに軟式から硬式に移行したわけでもないし、ハードヒッターだったわけでもない。琢磨みたいに自分の技術に絶対の自信があったわけでもないし、それを頼みに相手を引っ張ったこともない。相手に失望したことはない、そこまで燃え上がる試合を経験したことはない。でも、知っている。ダブルスが足し算じゃなくて、掛け算になること。すごくわかると思った。続きものなので、このペアを追っていけるのが楽しみ。 -
うん、やっぱり王道って面白い。
『なぎなた男子』を読んで気になった作者を読む2作品目。
個人的好みの部活モノで、しかも題名からして王道展開を予想させる本作。
いやあ、ほんとに青春王道そのもので、やっぱりこう言うのって大好き。
『ダブルス』とか『バッテリー』とか題名見ただけで、これは二人の登場人物が反発しながらも、本当の○○になっていく物語なんだろうなと予想が付く。
それがスポーツの勝負が絡んだ青春物語ならば、これはもう面白くないはずがない!
ここではテニスのダブルスの、互いにダブルスにトラウマを抱える高校生二人がちゃんと互いを信頼して、"ダブルス"になるまでを描いて、いや青春だよなあ。
いいなあ。
『なぎなた男子』ではあまり試合の勝ち負けの部分は描かれなかったんだけど、ダブルスでは試合の緊張感がとてもいい。
ぎりぎりの戦いのなかで芽生える相方への想いと信頼と、勝負に掛ける想い。
それは自分たちの戦いだけでなく、先輩や女子部の戦いも含めて、そう言う勝負の厳しさと負けた悔しさと勝つ喜びを、読んでて痛いほど感じることが出来る。
ハイライトはやっぱりラストの試合場面。
故障を抱えながらもちゃんとダブルスになれた彼らの戦いに涙が出る。
また一つ優れた青春物語を見つけた。
と言うわけで、ちょっとこの作者に注目してみようかな。
ちなみに作者の名前『天沢』と聞くとどうしても某「耳を澄ませば」を思い出す。
うん、青春だ(笑) -
【「――もっと、オレを頼れよ」テニスに青春をかける、二人の夏が始まる。 】
天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。
練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。
高校の名門テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突してばかり。プレースタイルも真逆で、初めてコートで向かい合ったときからお互いのことが気に食わない。
だけどある日突然、「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下り――。
喧嘩ばかりの凸凹コンビが、練習と敗北を重ねる中で徐々に成長し、絆を深めていく熱血部活テニス物語! 少年たちの、世界で一番暑い夏が始まる。 -
テニス青春もの。
中学時代、パートナーに試合で裏切られた駆とプレーヤーの技能が違い過ぎてパートナーを見限っている琢磨。
高校ではシングルスをプレーするつもりが、部長に命じられダブルスを組むはめに。
“パートナー”を信頼していない2人のテニスプレーヤーは本物のペアとなれるか?
☆登場人物の熱さに対して、地の文が訥々としている。それが独特の雰囲気になっている。
☆試合シーンがしっかり書かれていて(私は素人ですが…)経験者はさらに楽しめる。
☆主人公たちのまわりの友人・知人に対する思いが、成長によって別の見方を考えるようになる。
☆ど真ん中の青春小説でした。
☆ダブルスのs とシングルスのs は、違う意味を持っているという説が良かった。 -
自分がテニス部ということもあってとても引き込まれた。ここ最近で1番好きな本に出会えた。
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それぞれトラウマを抱えた二人のテニス部員がダブルスを組む話。ありがちな青春部活ものといえばそうだけれど、さわやかで読み心地がよい。
2016/10/25 -
中学で軟式テニス部長を務め最後のダブルスでトラウマを抱えた男の子と、上手いあまりにパートナーに満足できず孤独となった男の子が高校の硬式テニス部で出会い、ダブルスを組む話。私自身が軟式テニス経験者なので、後衛がラリーを続けて前衛がチャンスを掴むとか、うまく決まった時のよっしゃあって気持ちとか体感できたけど、用語とルールの説明がそんなに上手くなく、未経験者はあまり楽しめないんじゃないかと思った。日々の練習に試合、先輩からのアドバイス、部活仲間での買い出し、校内合宿と高校の硬式テニス部の青春がきゅっと詰まっている。
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この作者の小説は2冊目。最初に読んだサマーランサーの方が好き、かな。
三人称と一人称の入り交じった文体が肌に合わなかったり、登場人物の多さに少し散らかった印象を受けたり。学園部活モノである以上関わる人が多いのは当然なんだけど、それを持て余しているように見えてしまって。なので終盤の佐藤先輩の試合なんかも、事前に一度名前が出ているとはいえ、そこに辿り着くまでの段階で思い入れを築くのが難しかったので今ひとつ感情移入できなかった……。
後半になって増えてくるテニス用語の乱れ打ちも入り込めなかった理由の一つかもしれない。スマッシュコートで得た知識で戦いました。