ヴぁんぷ!IV (電撃文庫 な 9-27)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.89
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本棚登録 : 431
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048671736

作品紹介・あらすじ

3年ぶりだね、日本の紳士淑女諸君!お待たせしてしまったねえ。ふむ、諸君との友愛関係を祈り、今宵は吸血鬼と人間の関わりについて話すとしよう。ドイツ南部にて発生した、村人達の集団失踪事件。我々の『組織』はその事件について会議を開く事になったのだが-時を同じくして、ミヒャエル君がある決意を胸にグローワース島を飛び出したようだ。当然ながら、そんな彼を追って我が娘のフェレットも島を飛び出し…そのまま若い男女の甘酸っぱい追走劇になれば良かったのだがね。人間と吸血鬼の男女。この組み合わせが生むのは果たして悲劇かロマンス…過去と現在の物語の中で、君達がそれぞれの思いを抱いてくれれば幸いだ。

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベル

  • 今回も濃密で痛快な活劇が楽しめました!

    とにかく飽きさせない展開。これには舌を巻きます。
    エンターテイメントに飢えてるなーという方に手に取って欲しい、そんな一冊です。

  • “帽子のツバを深く押し下げ、ファニーから瞳が完全に見えぬようにし、口元だけで薄く笑う。
    「彼は周りの全てを受け入れる代わりに、自分自身が見えていません。なんということでしょうね。一人の少女に抱く思いを除けば……物凄く、自分の優先順位が低いんですよ。だからこそ、人間から見た常識を超えた私達のような存在も簡単に受け入れてしまうんでしょうね」
    「難しい事はよくわかんないよ。でも、悪い奴じゃないと思うよ?」
    「もちろん!彼は吸血鬼にとって尊き存在にも、唾棄すべき存在にも成り得るでしょうね。相手が人間であろうが吸血鬼であろうが、分け隔て無く受け入れ、誰とでも友になれる」
    「いいことじゃない。あと5歳くらい若くて女の子なら良かったのになあ」
    一体どこが唾棄すべき存在なのかと言いたげなファニーの言葉に、ドゥーはクスクスと笑いながら言葉を続ける。
    「友達になれば、後ろから簡単に刺し殺せますからねえ」
    「……どうしてそう最低な発想をするかなあ」
    「それに、彼は何もかもを受け入れすぎます。愛想のいい善人というものは、善人過ぎるが故に、偽善者ではないかと疑われ、嫌われるという事もあるのですよ。腹黒い者であればあるほど、相手を自分の鏡として見ますからねえ」
    別に楽しい事などない言葉の筈なのに、ドゥーは愉快で堪らないとでも言うように笑いながら、ゆっくりと立ち上がる。
    「正直、彼が立っているのは非常に危うい境界線です。人間と吸血鬼という存在の間に渡された小さく細く、風が吹くだけで壊れてしまいそうな橋。それが彼ですよ」”[P.257]

    フェレットが可愛い。
    フェレットが可愛い!
    イラストの藍色さんが格好良い。
    ここでもでてくるネブラ。
    ロアさん怖い。
    キャラクター辞典の探偵と助手が気になる。
    レリックの話は次巻読めますかね。

    “「あああああああ!あああああああ!」
    少し離れた山道上でも、絶叫を上げ続ける男が一人。
    だが、彼は『食鬼人<イーター>』ではなく——吸血鬼の『組織』の幹部の一人だった。
    『灰色』を冠する日本人、佐藤一郎。
    外見からすると普通の人間にしか見えない彼は、事件に巻き込まれた一般人であるかのように『食鬼人』の執拗な攻撃の中を逃げまどう。
    「なんでッ!私がッ!こんな目にッ!ああああ!来なきゃ良かったッ!屋敷で待っていればよかった!」
    そんな事を言いながら、周囲に迫る剣や銃弾を次々と紙一重で避け続ける。
    吸血鬼から見ても十分に素晴らしい動きなのだが、本人はそれに気付いているのかいないのか、『ひいい』と情けない悲鳴を上げつつ躱し続けた。
    「あぶッ……」
    目の前に迫った剣を、瞬時に体を霧と変化させて擦り抜けさせる。その刃が後ろから迫っていた別の『食鬼人』の体にぶつかり、同士討ちの形となる。
    「ら、ラッキー!」
    涙目になりながら、ただ逃げるだけで次々と敵の群を翻弄していく日本人。
    その姿を遠目に見て、別の幹部が特に助けようともせず呟き合う。
    「一郎ってさ、普通に吸血鬼として凄くないか?」
    「卑屈過ぎてそれに気付いてないのが難点だけどねえ」
    「これも前世のお導き……ナモナモ」「クワセロ!クワセロ!」”[P.384]

  •  図書館で借りました

     吸血鬼物。コメディ&シリアス。
     シリーズ物。

     今回は、人間ミヒャエルと吸血鬼フェレットの物語。

     ひどくいい加減な「組織」の全貌が明らかに。。
     ブラックホールに、鮫に、ティラノザウルスに・・・。
     それらまで、吸血鬼にひとくくりなのか~。
     自分は狼と思いこんでいるチワワ。
     そんななかでも異彩を放てる子爵(息子に地位譲っても、いまだにこの呼び名がふさわしいよな)の血液姿。

     カオスな組織。組織に名前はない。幹部だけで百人。全部合わせて二万人。

     うあぁー、組織の人で、露骨に悪役気味なのがいる。
     資本主義の力という技を使う。大富豪。
     金で人を叩くのはわかるけれど、「これが資本の力」といって、札束とコインで壁を構成。物理的に身を守る。
     なんて・・・嫌なキャラクター(笑
     

  • 時間がかかってしまいましたが本日読了。

    新キャラが多く一気読みしないとつらい面もありますが、飽きさせず駆け抜けるように読めました。

    巻末のキャラ辞典には未登場の組織のメンバーも見られ、辞典だけでも成田先生らしい個性的なキャラの面が伺えたので登場が楽しみです!

    元々成田先生の書くカップルが好きなのですが、今巻のミヒャエルとフェレットの関係、特にフェレットの内面が可愛くて可愛くて!

    キャラとしてはお兄さんのレリックが好きなので次巻では彼の活躍が見れたらなと思います。
    あとはゲルハルトとドロシーの過去も…


    2012.01.10

  • ミヒャエルとフェレットはかなりアツい感じだけどレリックとヒルダってどうなんだろ~??と最近思う。次の巻にそのへん期待。
    あと、ミヒャエルが餓鬼がえっている件について。巻末見て勘違いじゃないことを確信しました。今のミヒャエル幼いけど好きだな~活字と合ってる気がする

  • フェレット可愛いなと思いました。人間のほうが怖いんだなぁ。

  • 2010/8

  • 吸血鬼なのに明るすぎる!

  • 今回は島からちょっと離れて組織の集まり中心。分厚いが退屈しない。面白かった。幹部達個性的すぎだ。集団を形成する罪悪感のない悪意と戦う。しかしミヒャエルは天然に最強だなぁ。フェレットと進展しそうな・・・? そしてお兄様の方がちょっと置き去り気味。子爵とドロシーの恋話が寸止めに・・・。気になる。エンターテイナーなドゥーが面白い。色々最低なんだけど。「組織」って懐広いよね・・・。

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著者プロフィール

東京都生まれ埼玉出身の小説家。『デュラララ!!』『バッカーノ!』『Fate/strange Fake』(すべて電撃文庫)などを執筆。小説以外にも『デッドマウント・デスプレイ』(スクウェア・エニックス)などの漫画原作のほか、ゲームシナリオやドラマ原作など多種多様な作品を手掛ける。

「2023年 『シャークロアシリーズ 炬島のパンドラシャーク〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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