- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048733960
作品紹介・あらすじ
きーちゃん。ありがとうきーちゃん。ぜえんぶ、きーちゃんのおかげ。神様、きーちゃんをあたしにくださって、ほんとにほんっとに、ありがとうございます。黄金の時。すべてのものが輝いて見える時。それは、愛すべき夫が作ってくれた幸せな世界。何よりも大事な世界が、あの日から崩れはじめた-。待望の書き下ろし長編。
感想・レビュー・書評
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幸せな女性と鬱屈した毎日を送る青年、両方の視点から描かれる心理ホラーです。
きっかけは些細な事で、客観的に見てどうでもいい逆恨みなんですが、でもなんか、その説明のつかないイライラや、八つ当たりしてしまいたい気持ちも分かってしまい、だからこそ登場人物の飛躍した行動も余計に怖いなぁと感じてしまうのかもしれません。
ラストは決して大団円ではないのですが、この物語にはその方がふさわしいのかもしれません。 -
【推薦文】
夫に依存気味の主婦であり作家である「あきら」と大学受験に失敗し東京で浪人生活を送る「裕司」。些細なことからあきらに憎しみを転嫁させた裕司が小さな嫌がらせをし、そこから日常は歪み始める。物語から香る狂気にぞくりとさせられるのではないでしょうか。
(推薦者:機械知能システム学科 B3)
【配架場所】
大岡山: B1F-一般図書 913.6/A -
一人が幸福なとき、他の誰かは不幸である、という当たり前のことがその2人がかかわりを持つことで立場が逆転していく。
なかなかよくできたストーリーだとは思ったけど、好きな小説ではなかったかなー
ただ、裕司のお母さんみたいな人はいそうで怖いな; -
読みやすかった。感情移入がしやいすようなしにくいような主人公であった。ハッピーエンドなのにどこか気味悪さを残す作品。
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凄く読みやすくて一気に読んじゃいました。読みやすくて、というより読者を引き込むという感じでしたが。まずこの本、装丁がとても可愛いんです。パステルカラーでいかにも幸せが詰まってそう、みたいな雰囲気で。だけど見事にそれは裏切られました。
はっきり言って怖かったです。もうありえないくらいに。登場人物に感情移入しすぎたかもしれない・・・。幸せの絶頂から不幸のどん底まで一直線に落ちるその感覚、言い様のない恐怖に包まれる日々、それが体に纏わりついてる感じで未だに怖さが抜けません。一人の人をそれこそ依存してしまうくらいに愛するということは、私の目にはもう幸せというより恐怖としてしか映りません。それほど価値観が変わってしまった気がします。
運命の流れに逆らう事、運命の分岐点で自分の選択をする事、それはただ流されるよりも大変だけど、とても意味がある事のように思います。あきらが流されたままじゃなくて、祐次が流れに逆らう事ができて本当によかった。自分の選択に秘められてる無限の可能性が見えた気もしました。後味は悪いけど、とても圧倒させられる作品でした。 -
少女小説っぽいくどい語り口が好き。このお話には男女の主人公が一人ずついるけど、どちらの人物も好きになれなかった。男には腹が立つし、女は怖かった。
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何年かぶりに読んだ新井素子作品は
やっぱり新井素子作品でシタ。
好みはさておき、ある意味すごいデス。 -
前半が酷いな。後半はなんとか盛り上がって一気に読めた。
昔好きだった作家が劣化していくのは寂しい。