- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048735957
感想・レビュー・書評
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ドラマがきっかけで購入した。ドラマとは別のお話。文学的香りもするし、イマドキの小学生の話もする。だけどこの作品の一番根底には小学校6年生の雨ちゃんが持つ、これでもかというほどしんとした孤独だと思う。秀作。
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案外いい。
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ドラマも見ていないのですが、この小説、現在放映中のテレビドラマの原作なのですね。
帯には『柳 美里 初の怪談!』の文字が踊っていました。
でも、柳美里を未読の私には他の作品と比べようもありませんでした。
それで、怪談だと思って何の予備知識もなく本書に突入。
ほんとうに何とも比較しようがないのですが、ただ『怪談』を期待していた私には、最初、かなり期待はずれでした。
少女の独白が大部分を占める文体は読みやすいものです。
どんどんと先へ読めるけれど、作中に出てくる昔話のように、かなり早い段階で話の先が見えていました。
この先に何が起こるのか、といった期待感、恐怖感はともに限りなく低いのです。それなのに、後半部分は作中にどっぷり引き込まれてしまっていました。
限りある日々の中で綴られる父と子の愛。
少女の救いようのない孤独がとても悲しい。
父と子の愛情深ければが深いほど、少女の孤独も深まっていく。そんな悲しさが透明感溢れる筆致で描かれていました。
少女が持つ父親のイメージはフォーレの『夢のあとに』。
『さみしい』と心を開いて打ち明けられる人間を、ただの一人も持たない少女の孤独と悲哀が胸を打ちます。
この作品、『怪談』という言葉を帯に使って欲しくなかったですね。
ラストの三行が、少女の位置を的確に表現していて秀逸でした。
――ここに在るものと、ここの無いものの只中に、
知ることと、知らないことの只中に、
少女はたったひとりで立っていた。――
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金曜ナイトドラマで深夜にやっていて、面白かったので買いました。私も朝晴さんみたいなお父さんが欲しいっ!
朝晴さんと雨ちゃんとの掛け合いが本当にかわいくてニマニマします。