愚者と愚者 (上) 野蛮な飢えた神々の叛乱

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737197

感想・レビュー・書評

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  • 性的マイノリティへの差別から、思わぬ戦友の裏切り。
    動揺が広がる中、軍の組織や集団の秩序を守る為には、示しを付けなければならない時がある。
    そこに個人の心情で干渉することは許されない。
    そして彼等が戦場で生きる以上、それは命取りになるものだ。
    最後まで自分を貫いた俊哉と、冷徹であろうと努力する海人。
    生きる為の冷然な強さは、いつか幸せを呼ぶのだろうか。

  • また少し失速してきました。
    どこかで加速しないかなぁ。

  • 孤児部隊の司令官として強大な力を手に入れ、九竜シティを統治した海人だったが、戦局は次々と変化し、彼に安息を許さない。
    利権、主義の対立。差別と裏切り。マイノリティーを一掃しようとする集団と、対抗する集団。
    混沌とした世界を、海人は、椿子は生きる。
    あまりにも簡単に人が死に、破壊されるのに、渇いた筆致はさらりとしていて重さを感じない。残虐な世界はフィクションであることがはっきりしていて、その前提がそのままエンターテイメントの力になっている。

  • 海人を含む登場人物の豪快な性格がほんまにいい!
    緻密に組まれた戦争ストーリーと、出てくる女の子がみんなかっこいい。
    有事だからこそ、人間としての本質を楽しもうとしてる姿がおもしろい。
    常陸軍の孤児部隊に読み書きを覚えさせようとするくだりは、
    キューバ革命をどことなく彷彿とさせます。

  • 裸者と裸者の続編。上下とも読了。作者お亡くなりなので続きが読めないのがとても残念。

  • <b>ファリドは決断したのだ。俊哉にではなく、おれに忠誠をつくすと。そして自分の決断に脅えつつ、現場へ急行している。戦場で決断するとはそういうことだ。夜も昼も自分の決断に脅え続ける日々だ。</b><br>
    (P.335)

  • 皆愛おしい。
    覇者と覇者に続かないことが残念でなりません。
    ご冥福を心よりお祈りします。

  • なんといいますか。(←)あ、漢字だらけなので漢字好きじゃない人は読み飽きると思いますよ。(笑)高いですよね。上下だし。

  • 2006/11/08

著者プロフィール

1948年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。2003年『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。07年10月逝去。

「2022年 『Memories of the never happened1 ロビンソンの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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