わくらば追慕抄

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.68
  • (25)
  • (54)
  • (57)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 283
感想 : 84
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739375

作品紹介・あらすじ

人や物の「記憶」を読み取れるという不思議な力をもった姉の鈴音と、お転婆で姉想いの妹ワッコ。固い絆で結ばれた二人の前に現れた謎の女は、鈴音と同じ力を悪用して他人の過去を暴き立てていた。女の名は御堂吹雪-その冷たい怒りと憎しみに満ちたまなざしが鈴音に向けられて…。今は遠い昭和30年代を舞台に、人の優しさと生きる哀しみをノスタルジックに描く、昭和事件簿「わくらば」シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • わくらば、続編、一気読み。
    姉妹の活躍をたくさん読みたいけれど、それは体の弱い姉鈴音の具合を悪くするから悩ましい…と心配してしまうほど、朱川湊人さんが描く昭和の東京にどっぷり浸れて、楽しめた。
    過去や真実がはっきりすることばかりがよいわけではない。やむに止まれぬ事情を抱えた、戦後を生きた人々。
    それにしても、生き生きと描かれる、お転婆の妹と、慈愛に満ちた姉。脇役の刑事もいい味を出していて、男性の作家の手によるものとは驚く。
    朱川さんの他の作品はこれから読もうと思う。楽しみができて嬉しい。
    不思議で、少し怖くて、でも優しい、そんなお話を読みたい時に最適。

  • 面白いのですがこの本が出たのが2009年で今は2017年…。
    薔薇姫とのあれこれが明かされる日がいつになるのか…。

  • 今更ながら出ていることに気付いた「わくらば日記」の続編。読んだは良いものの、前作ほどのノスタルジーを感じず。

  • 続編を希望していたが、出てみるとなんか物足りない。
    パターン化された物語に安心感はあるのだが、、、、、

  • わくらば日記の続編。ちょっと切ない物語ですが、なんかホッコリします。良かった。
    更なる続編を期待しても良いのか?と思える終わり方でしたが、続編は無いみたいで残念です。

  • わくらば日記の続編です。前回のシンとした空気を踏襲していて、朱川湊人だなあという昭和の哀愁が漂っています。
    新キャラクター「薔薇姫」というダークサイド鈴音とともいうべき、同じく感応能力を持った女性も出てきます。色々伏線残しているという事はさらに続編狙っている感じですね。期待しています。

  • わくらばシリーズ第二作。
    久しぶりに再読したが、前作より事件内容がソフトになった気がする。
    代わりに『薔薇姫』なる謎の人物が登場。
    和歌子の姉・鈴音と同じ力を持つが邪悪な心で邪悪な動機で力を使い、何故か鈴音に激しい憎悪の感情を見せる。
    一体どんな因縁があり、二人の関係はどうなるのか。
    知りたいがいまだに続編の出る様子はなし。
    姉妹の父親が不在の理由や、鈴音がどのように儚い生涯を終えるのか、茜や神楽のその後など、決着がつかないままなのは、やはり不満が残る。

  • 本当に底から悪い人間はいませんか
    身内に手を出されたら
    そんなこと考えられません

  • わくらば続編。
    各エピソードはテンポ良く読みやすくて、前作同様気軽に楽しめる一冊です。神楽さんがどんどん萌キャラ化しているような気がしますがより親しみのある形で登場してくれて嬉しいです。

    いろいろな謎が登場した一冊なので気になったまま終わる点もありますが、さらに続編があるんだなと思うので楽しみです。

  • 高校生になった和歌子と「見える」姉さま、鈴音のお話、続章。

    今回は冒頭から、鈴音の過去を知ると思われる謎の黒ずくめの美女、薔薇姫が現れる。

    過去を過去のものとして忘れ去ることを許さない薔薇姫は、鈴音と同じ「見える」能力を駆使して、茜の過去を暴き、苦しめる。

    そんな過去に苦しむ茜は新興宗教に手を出してしまい、和歌子たちに助け出される。

    「その人の過去を知る事は必ずしも幸せをもたらすとは限らない」その事が、今回はとても心に残った。

    薔薇姫と鈴音の関係は?
    和歌子たちの父親とは?

    謎はまだまだあるので先が楽しみです。

全84件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朱川湊人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×