- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048793018
感想・レビュー・書評
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オスカー・ワイルド作
「幸福の王子」の現代版。
満月の夜だけ会話ができる脳死患者が
主人公、昴に臓器を託した、その理由とは…詳細をみるコメント1件をすべて表示-
leotaso5さんこの本読みたかった!!思い出させてくれてありがとー!この本読みたかった!!思い出させてくれてありがとー!2011/04/29
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脳死と判定されていながら、月夜だけ話が出来る葉月は、暴走族元幹部の高村昴に、自分の臓器を、必要としている人達のもとへ運んでもらう事を頼む。
昴は自分を追う暴走族から身を隠しながら、彼女の望みを叶えてあげる事が出来るのか…と言うストーリーで、童話「幸福の王子」がモチーフになっています。
悲しく孤独な物語で、葉月の登場場面はとても印象的。
葉月の身の上や、臓器提供を望む理由はとても切ないです。
ラストも余韻を感じさせるものでした。
文章が背伸びし過ぎで、ちょっと難解だったかな。
うまくぼやかすつもりが、単にあやふやにしかなっていなかったり…読みづらくて内容が伝わりにくかった。 -
面白い....んだけど、まとまり過ぎてるつーか、凝りすぎてるつーか、読後感がよくなかった。「あっそうなのね、やっぱり」という印象が先にたって、内容が霞んでもーた。
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いのちへの見方がどこか変わったきがする。切なかった
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第22回横溝正史ミステリ大賞。
暴走族のリーダー格・高村昴が主人公。脳死の少女の臓器を、それを必要としている人のもとへ運ぶはめになる。
臓器の行き先ごとにストーリーがあり、面白い。女子高生・貴子の元には角膜、OL・聡美の元には腎臓、高校時代の恩師には心臓を…。その背景には、幼児虐待や医療問題など社会的な面もありつつ、それに、暴走族のライバルとのバトル、それを追う刑事の執念、さらに脳死の少女の話と、昴自身の過去の話が絡み合って、後半は盛りだくさん。 -
どこか不気味でリアル
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110202購入. 110211読了
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読んでるとどんどん悲しみが蓄積されていく感じ。でも重たくはない。
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オスカーワイルドの『幸福な王子』を根底に据えた、ファンタジーでミスティックな小説。
「水の時計」は、この話の全体的なキーワードになっています。最後まで読まないとわからない、真意をじっくりと感じて欲しいです。
感じたのは、プロローグがちょっと長くてまだるっこしいこと。もうすこしすっきりとして欲しかった気がしますが、その波に乗れればするすると読み解けます。
概要を話すとネタバレにつながってしまうので、ぜひその手にとって、読んでみてください。 -
以前に読んだ「1/2の騎士」の作者のデビュー作。
ある奇跡と財産から、脳死状態であるにもかかわらず意思の疎通が図ることができる少女。彼女の願いをうけ、少年は彼女の臓器を提供できる患者の元へ届ける。
「幸福の王子」のオマージュですね。それぞれの章がそういう構成に。そして最終的に彼女の正体というか少年との関係とかが明らかに・・・という。
やっぱデビュー作だけあっていろんなところが粗削りというか読みづらいところはあるものの、細かい伏線なんかも作用してなかなかにおもしろい。
しかしこれを読んでから1/2の騎士を思い出すと・・・文章力がえらく上達しているなあ・・・と。話の作りとかいろんなところが格段に読みやすくなってる。