「頭がいい」とは、文脈力である。

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048839082

感想・レビュー・書評

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  • 社会を生きていく能力を「文脈力」という切り口で論じている。いい内容だった。

    頭のよさとは、現実の社会を生きていく上での様々な局面における判断や対応のあり方。現実の意味をきちんとつかまえるために、周辺のさまざまな脈絡をつかまえることができること。
    丸暗記(Dランク)、話をかいつまんで要点を話すことができる(Cランク)、知識や情報を組み合わせて新たなアイデアを出せる(Bランク)、膨大な経験知を基にして新しいものを生み出せる(Aランク)のステップがある。
    知識を自分の頭で再構築して、自分の言葉で話したり書いたりする訓練を行うこと。
    記憶の連続性が自己一貫性を培い、様々な活力の基になる。いい記憶をつなぎ合わせることが自己肯定力になる。感覚を記憶し、思い出す。
    これ以上考えてもどうにもならないことは削ぎ落とし、いろんな意味を持っていることについて深く考え、記憶に残す。忘れるからこそ新しいものを取り入れることができる。

  • 自分の中で全てにおいて流れというものを把握しよう、という本。

  • 読んでいて「なるほどな」と思うのだが、たぶん一日もすれば忘れてしまうだろう。例えがうますぎて、その時は分かったと思うのだが、残らない。さらっと読めて、さらっと終わる。それこそ三色ボールペンがいるかもしれない。

  • これまでわからなかったことが理解できるようになると
    意味をつかまえたときのすっきり冴えわたった感覚になり幸福に繋がる。

    人間は意味を食べて生きている。
    たとえば千円と五千円のワイン。目隠しするとワインの違いがわからないことが
    多い。変わらないなら千円のワインを飲めばいいかというと、そうはならない。
    それは五千円のワインには付加価値がある。意味を尊重しているからこそ、
    値段の差がある。

    数学が苦手な人は、自分が頭がわるいと思い込みがち。数学の存在するがゆえに、
    自分が不幸に思えてならない。しかしあるレベルまではわかる問題があって、
    そこまでは理解していたはず。一番の不幸はわからなくなって挫折感を
    味わってあきらめてしまいその先に進めなかったこと。
    ★意味をつかまえるトレーニングとして勉強は有益な方法

    こども社会の場合、運動神経のいい子がヒーロー。頭がいいというのは
    褒め言葉にならない。
    運動…現実に密着した能力
    勉強…現実遊離
    頭がいい=勉強ができることの意識のせいで頭がいいことを前向きに
    受け入れられない現実。
    現実の意味がきちんとつかまえられなければ、社会には通用しない。
    意味をつかまえるというのは、その事柄の内容だけでなく、
    相手の言っていることや考えていること、その場の状況をわかろうとすること。
    すなわち場の空気が読めること。それが頭がいい人の定義。

    因数分解そのものを日常で使うことはなくても、頭の中の操作としては必要。
    バラバラになっているものを取りまとめて、カッコに入れて考えていくことは、
    系統立てて物事を整理するひとつの方法として重要な思考。
    考え方のひとつとして把握していれば、必ずどこかで役に立つ。
    テストの点数だけではなく、確かに意味をつかんだという手ごたえ、
    充実感、達成感だ大事。何を目指して勉強しているのかあいまいだと、
    勉強も無駄になってしまう。単に記憶してそのまま再生するだけではなくて、
    自分の頭を通して再構築し、自分自身の言葉として話したり書いたりするような勉強
    、それが意味をつかまえる力を培い、意味を生み出す力となる。本来そういう力を
    開拓していくのが勉強

    3色ボールペン
    重要 青
    最も重要 赤
    面白い 緑

  • 良い本です。文脈力の大切さを教えられました。頭のいい人は、文章の組み立てがうまく、話でも人を引きつける力があります。その文脈力を身につけるためには、情報収集力が大切だと思います。
    本書では、場を読み、現実を捉え、自分にとって価値のある情報を得るための術を説いています。
    情報を得るためには、捨てる術も大切なのです。

  • 人間関係も文脈。

    これからは、少し意識してみようと思います。

  • 斉藤孝シリーズ☆第6弾フィナーレ☆

    「頭がいい」状態とはどういうときか、
    「頭がいい人」とはどのような人なのか、
    について詳しく書かれています。

    同じ著者の本を立て続けに読むと、
    書かれている表面的なことを覚えるより、
    こいつは何を言いたいのかと言う本質に迫れるので楽しい。

    とどのつまり、
    「沿いつつずらす」が人間関係を構築する肝

    これを全ての著書内でゆってました。


    斉藤孝の特徴
    ・何かにつけて、○○力と定義したがる
    ・ひとつの本にたくさんの情報が入っていて、お腹いっぱい
    (かつ、寄り道いっぱいで、意識しないと大変)
    ・学者(研究者)肌である
    ・自分が開発した3色ボールペンに誇りを持っている
    ・太字だけ読んでも理解できる
    (ただ、意図的な太字なので、たまに不都合)

    よし、読みきったー

  • この著者は声に出して読みたい日本語や三色ボールペンで有名だが、私は本作は当たり前といえば当たり前という内容が多いと感じた。また、文脈力をつけるという筋で進んでいるのに、進むにつれてだんだん文脈が無くなってきている気がする。
    第1章を読んでみて、「知らないことが多い」と感じた人は読んでも得るものはあると思うが、そうでない人には微妙かもしれない。

  • £1

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

齋藤孝の作品

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