マグダラで眠れ (電撃文庫 は 8-18)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.82
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本棚登録 : 706
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048867283

作品紹介・あらすじ

『狼と香辛料』の支倉凍砂が放つ新シリーズついに開幕!
眠らない錬金術師クースラと白い修道女フェネシスが紡ぐ、その「先」の世界を目指すファンタジー

感想・レビュー・書評

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  •  「狼と香辛料」と同様に中世な世界観での、錬金術師のお話。
     ファンタジー要素はほとんどなし。剣も魔法も無しに、言葉の駆け引きだけで緊張感を演出する作風は相変わらず見事だと思う。化学な蘊蓄も好し。

  • 錬金術師クースラが左遷させられた先での騒動に巻き込まれる話.どこまでも自分の探求に純粋で周りからはネジが外れているように思われる錬金術師が,しかしとても筋の通った行動論理で動いていく.そうした彼らの行動を散々解説した上での,最後のクースラとフェネシスのやり取りと逆転劇はうまいと思った.
    地に足の着いた世界観と,1つ1つの行動に地の文で解説を載っける支倉テイストは健在.錬金術師といっても魔法や魔術ではなく科学的に鉄の純度を高めたり合金を作ったりするのが仕事で,その辺りの冶金の解説は割とガチ.
    一箇所,台詞でクースラの名前が間違っているが,ただの誤植か何かの伏線か(初版).いずれにせよ,クースラの秘密などまだまだ明らかな胃成っていない伏線があるので,次巻も期待.

  • 狼と香辛料の作者らしい雰囲気のあるファンタジー小説。

    盛り上がりがないといえばそうだけど。この安定感は流石だなと思えた。

    錬金術師の思想や行動原理が読んでいて好感が持てたし、それに裏付けされた行動も納得できた。

    ただ一巻は長いプロローグ的な位置づけな気がするし、今のままだと設定が活かされてないとこもあると思うので続刊に期待。

    SFになっていたかもしれなかったみたいなのでそれはそれで読んで見たかった気もするけどねー

  • 良くも悪くも、狼と香辛料と似ている。狼と香辛料ではヒロイン(ホロ)が主人公(ロレンス)と比べて頭が良かったが、その頭脳の部分を主人公(フェネシス)に移したようなもん。あとは、主題が経済学から冶金に変わっている。 序盤だからか話はあまり進まなかったが、最後にかけての展開は引き込まれるものがあり、さすがの一言。 残念な点は、1、恋愛的な駆け引きがなくなった(ロレンスとホロの恋愛駆け引き的なものが無い)、2、冶金のネタが経済学のネタに比べて残念(作者の専門性があるのだろうが)。

  • ライトノベル

  • 錬金術師と修道女が出てくる話。
    だいぶん宗教臭さがあるんが気に入らん。

  • クースラがほどよく不真面目なのが良い感じ。狼と香辛料の主人公は真面目だったからなー。ウェランドも中々に粗野で不穏で良いな。初対面の少女に対してすごい態度だけど。フェネシスは終盤まで世間知らずで見栄っ張りで根はイイコちゃんでっていう、あまり好きではないタイプだった。秘密が明かされてからもあまり好感度上がってないけど。イジメたくなるのわかるが庇護欲は掻き立てられない。冶金の話はちょっと難しいけど面白い。

  • 錬金術士は実際には研究者であるという視点が、現実感を感じさせて面白かった。最初の登場で感じたよりもクースラの凄腕さがあまり感じられない展開も、現実的な泥臭さが感じられて、悪く言えば頼りない、よく言えば日々の努力の積み重ねの上に築き上げられた実力といったところか。ウェランドの要領よい立ち回りと、クースラの真面目さというか要領の悪さの対比が面白いというか、クースラ視点で読んでいる時のストレスの元(?)にもなっていて、それが話の展開を余計に気にさせている気がする。

  • うーん、結局ケモミミだなんて、なんか、そっから離れようよとか言いたくなるのですが、まあ、それはあまり重要じゃない、んだろうな。
    もし、十分に下準備ができていたなら、狼と香辛料の中にも入っていたかもしれない要素を、別のストーリーでということらしく、ネリ金術の話と。精錬という作業は、不純物を除くと言えばわかったような気になるけれど、根本的な困難というのは、鉱石のほとんどは金属の酸化物である中、これを還元してやらなきゃならないってところにあって、故に、目的の金属よりも酸素にくっついてくれそうな何かを常に必要とするわけですが、何しろ、大気中に酸素ってのは山ほどあるんで、酸素とくっつきやすいようなものは既にくっついているというのが「神の摂理」だよなぁ、なんて思ったり。
    (そう、だから後書きで、「あれは亜鉛じゃなくて酸化物なんだ」という趣旨のことを言ってるのは、ここで話してる錬成の程度は「まだまだだね」ってなことだったり)
    まあ、でも、蒸留も錬金術的には重要な要素なんだろうなと思うのは、eau de vie(つまり、ブランデーとか)にしろ、アクアヴィットという語にしろ、usquebaughという語にしろ、「生命の水」ってな命名の仕方ってのは、優れて「賢者の石」的な趣を感じさせているからですね。
    (あれ?本編と関係ねえや)

  • 「狼と香辛料」の支倉凍砂の2作目。
    この人の中世ヨーロッパ風世界観は割と好きです。
    世界史や化学に詳しければ、もっと楽しめるのかなぁ…?と思うのですが。

    真っ白な修道女は「とある魔術」シリーズみたいですね(こちらは未読ですが)。
    幼いところも似てますが、性格は違うかな。
    前作の画風よりも、この作品の画風の方が私の好みなんですが、細かい部分で文章と違ってたりするのが気になる…なんて(苦笑)。
    カラー挿絵のところは、書いてある文章と違う場面だよなぁ…なんて思うのですが、私だけ?

    また、続きが読みたいです。

  • 火薬でも発見したかと。

    中世風の世界を強調するかのように、史実の出来事の名前置き換えをやってる作品。少しだけファンタジー。
    その少しだけファンタジーの部分がラストの大きなネタになってはいるが。

    うむ。ちょっと2巻以降も読んでみようと思った。

  • タイトルが印象的に山場の決め台詞になっていて、ぐっときた。
    主人公たちの一筋縄でいかないところや、作り込まれた世界観が魅力的。
    今後も期待。

  • 錬金術師の印象変わったわ

  • 錬金術師クースラと白い修道女フェネシスが紡ぐお話です。

    狼と香辛料の作者ということで、何気なく手にとって読んでみました。
    やはり下調べがきっちりされているので、読んでいて面白いです。

    前作は経済の話が入ってきてたけど、今作は錬金術のお話が入ってます。
    調べ方がきっちりしていて、世界感に違和感なく馴染んでます。

    下調べがきちんとされていると、
    物語が濃くなるし読んでいて引き込まれるなーと改めて思った作品です。
    続きがきになりますね。

  • なんというか消化不良な感じ。まだ一巻だから次巻に期待

  • 設定が気になってなんとなく購入。
    狼と香辛料は一巻だけ読んでいます。

    『異端』と疎まれ、蔑まれながら、自分の夢『マグダラ』の為に命を掛ける錬金術師たちのお話。
    世界観はとても好きなのですが、状況がわかりにくいところも多々あります。
    一から十まで説明しない、というのが魅力の一つだとは思うのですが、登場人物たちと、自分の立場や価値観が違いすぎて理解が追いつかない、のだと思います。
    主人公も好き嫌いが分かれそうな雰囲気。個人的にはクースラもウェランドも近くにはいて欲しくないタイプだなとは思いますが好きですし(笑)ヒロインのフェネシスも嫌味がなくて可愛いと思います。
    ただ、一人も『善人』がいないのがリアルですが、荒みます(笑)

    しかし、硬派で埃っぽい、『綺麗じゃない』世界観は読み応えがあります。
    冶金の工程や工房の描写はわくわくします。
    人を選びそうな気がしますが、地味だけど骨太の物語を読みたい、という時には最適かと。
    挿絵のライトさがむしろ浮いている気がするほど、硬いです(笑)
    続きも読んでみようと思います。

  • 6月6日読了。図書館。

  • 第1巻を読破。

    この方の前シリーズ「狼と香辛料」は読んだことはなくて。

    今回は新作ということで手に取り、冒頭数ページとあらすじを読んで買ってみました。

    イラストも私好みでしたし。

    で、おもしろかったですー(*´▽`)

    途中までは「おいおい、なんだこのイカレた連中」とか思っていたのですが、読み進めていくうちに夢中になってしまいました。

    〈眠らない錬金術師〉と呼ばれるクースラと、真っ白い修道女フェネシス。

    利用しようとする者と監視する者。

    最初は錬金術師に対して偏見と恐怖心を持っていたフェネシスだけれど、なぜか冶金の手伝いをさせられるようになって。

    というか、本当によくだまされる女の子だww

    そしてウェランドの術中にハマっていきそうで、クースラもさぞかしおもしろくないだろうなあ。

    なんかそういう子どもっぽいところとか、ついほだされそうになりますね。

    けれど彼ら錬金術師の素行がね(;^-^)

    毒殺やら暗殺やら不穏すぎる。

    苦笑

    実際に殺っちゃったのかは不明ですけれど。

    恋人だったはずの女性を目の前で殺されたクースラ。

    けれど彼は恋人を失って悲しいと思うよりも、解体されていくかつての人であったモノを見て、鉄の精錬方法を考えていて。

    自分の目的(夢、もしくはマグダラ)のためには、神への冒涜もモラルもひょいっと飛び越えてしまう人間。

    それが錬金術師。

    読んでいて、そして読み終わったあとこう思いました。

    「こいつら、本当にばかだなあ……」と。

    決して馬鹿にしているわけではなくて。

    うらやましいとか、そういうプラスな意味。

    ああ、うん、これだな。

    頭のいいバカ。

    そんな感じです。

    素行不良はちと困るけれど、正直うらやましいと思ったりもしました。



    そういえば、クースラは〈眠らない錬金術師〉と言われているけれど、本当なのかしらん?

    確かに寝ているシーンとか、睡魔に襲われているシーンはなかったけれども。

    ただの二つ名なんだろうでしょうけれど。

    苦笑

    さて、おもしろかったので第2巻も買おうと思います。

    次はどんな事件が起きるのか楽しみです。

  • 錬金術師が主人公のファンタジー。詳しく調べてあって骨組みはよくできていると思ったが、ストーリーはあまり面白くなかった……。

  • 「狼と香辛料」の次作品。
    前作は商売人から見た経済の話だったが、今回は科学的な話。
    でも、どちらも根底にあるのは如何にして人の心理を読み解くかということにあるのかなと感じる。

    登場人物の多くが騙してなんぼの方たちばかりで、読後ちょっと心が捻くれそうになりました。
    特に今回の主人公が愛を語るとかできるのか心配です。ましてや惚気たりしたら、ちょっとした世界崩壊並みです。

  • ライトノベルと言うほどライトな話ではないです。途中までキャラの性格も内容も殺伐としすぎていて、まったく感情移入出来なかったのですが、後半の話の流れは楽しめました。続きがあると思うので徐々に良くなっていくとは思うのですが、今のところ登場人物の誰も幸せな境遇に無いのが読んでて辛い所です。全体的な感想としてはそこそこ楽しめました。

  • 狼と香辛料の作者、支倉凍砂さんの新シリーズ。
    香辛料にはずいぶんと楽しませてもらったので購入。

    1巻(の前半)は世界観の説明に重きを置いたプロローグ巻、という感じでした。
    退屈に思う人もいるかもしれませんが、個人的には続きが気になりました。

    キャラの心理描写が丁寧だから感情移入できる。
    相変わらずの台詞の応酬が小気味良い。
    これからクースラとフェネシスが仲良くなっていくのかと思うと楽しみでしょうがないw

    小難しいところもあって一回読んだだけではいまいち分からないところもあったりするけど、教会やら異端やらの話は香辛料の世界と被っているので割とすんなり入ってきたかな。

    とりあえず続刊に期待( ̄∀ ̄)

  • 支倉さんの新シリーズ。
    やはりまったりゆったり安心して読めますね。好き。
    錬金術師とか協会とか騎士団とか…たまらん。
    まだまだ始まったばかりなので、これからに期待!

  • 錬金術師、それは忌み嫌われる異端者たち。「眠らない錬金術師」と呼ばれる青年・クースラとウェランドは、戦争前線の工房に送られることとなった。前線なら好きなだけ実験ができると喜んでいた2人だが、工房では「監視役」だという修道女フェネシスが待っていた――。
    1巻ということで登場人物紹介&小手調べ編という印象。
    この作品での錬金術はファンタジーではなく、科学的なリアル錬金術です。錬金術師が嫌われる理由や権力者に利用される立場も、宗教や戦争・経済などと絡めて説明されており、現実的な感じでした。
    登場人物はクセが強く、夢を叶えるためなら手段を選ばなさすぎる主人公と、純粋だけど生きる希望を持てないヒロインと、読んでいてそんな2人の対比にヒリヒリしました。どう頑張っても一般人の枠からはみ出ようもない私にはヒリヒリが強すぎました(笑)

  • わざわざ獣耳にこだわる必要はない気もしたが、普通の人間と違うというのに適した+好み なら作者の棋風なのでいいのではと

  • 『狼と香辛料』と同じく「剣も魔法も無いファンタジー」ノベル。鉱物のプロフェッショナルである「錬金術師」の主人公•クースラと同僚•ウェランドが、知識と技術をもって自分の夢を追いかける物語。
    …が、さっぱり爽やかな話ではありません。毒殺、暗殺、権力組織の内部抗争、騙し合い。少々綺麗事で済まない世界が広がっています。
    ただ…それらをかい潜り、ひたすらに夢を追いかける姿には眩しさを感じてしまいます。


    物語の途中で明かされるヒロイン•フェネシスの秘密、著者の変わらぬ「嗜好」にはついつい笑ってしまいました…自分も大好きですが。(2巻表紙ではバレバレですけどね。)

  • 三分の二くらいのところで挫折しそうになったのだが、その先が面白かった。やっぱり、途中で投げ出さないで読むことで面白い本に出会えることもあるな。

  • 支倉凍砂先生の新刊!

    今更ながらワクワクしながら、手に取りました

    数ページ読み、やっぱり丁寧に作り込まれてるな、と。
    キャラに関して作り込まれてる作品は数多くあろうとも、ここまで丁寧に世界観を作り込まれてる作品はなかなかないんじゃないのかな、と思う。
    特に、ライトノベルというジャンルにおいては

    今回は錬金術(注・ハガレン的なものではない)が主人公の物語
    錬金術について、下調べというかその時代に合わせて丁寧にかかれているなぁと
    狼と香辛料のときもそうだったけど、世界観がしっかりしてるから、読み手としても安心して読める

    次の巻を早く読みたいなぁと思った

  • 「狼と香辛料」の支倉先生の新作。

    時代的には前作と似たような中世の趣なんだけど、今回は金勘定ではなくで冶金に着眼してはぐれの錬金術師というのが主人公。
    それに修道士の女の子と仲間?の錬金術師が絡むという感じ。

    全体の話の流れは前作っぽく、街の勢力争いに巻き込まれた主人公が知識を生かして難局を凌ぐというもの。

    前作では神の化身たる彼女が陰に陽に主人公を助けておりましたが今作はまだただのお荷物という感じ。次回作以降で本領発揮か?

    主人公がはぐれを気取っている割にはどこから見てもいい人にしか見えないのが残念。(友人も含めて)

    修道士の生い立ちも含めて、おなじ食材で違う料理を食べさせられた気分というとちょっと厳しいか?

  • 狼と香辛料、中世好きにはたまらんね。製錬の描写が地味だけどそこがいい。この方のあくまでもリアル志向なファンタジー路線は好き。

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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、電撃文庫『狼と香辛料』にて2006年にデビュー。

「2023年 『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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