拝啓、十年後の君へ。 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 436
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048922074

感想・レビュー・書評

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  • 【一話】
    タイムカプセルが郵送されてくるの斬新だった。
    みんなで掘り起こすものだけど、もしかして今は郵送方式も多いのかな?
    千尋の初恋が甘酸っぱくて良いなぁ。
    タイムカプセル見て喧嘩別れになってしまったアキラくんを今でも想ってて、先輩と付き合いつつも恋愛として好きになれなかったのがまた切なくて良い。
    松島先輩は、なんとなく気づいてたのかもね。
    埋められないあと少しの距離というか、薄い壁というか。

    【ニ話】
    桐原くん、サッカー続けるようで良かった。
    河川敷でずっと一緒にサッカー見てた女の子のおかげだね。
    まさかお互いチラ見してて、認識し合ってたとは(笑)
    あの女の子が声かけたタイミングは偶然だったのかな?
    深刻な雰囲気察して声かけたんじゃないのかなー、なんて。

    【三話】
    ここにきて1話と繋がったー!
    染谷くんと千尋。
    まさか染谷くんの机越しの文通相手が千尋だったとは。
    そして、小学校のときに自由帳見せ合うくらい仲良くしてた相手が千尋か。

    【四話】
    桐原くんが河川敷で会った女の子、美夏だったんか!
    あのときは、美夏にこんなことが起こってると思わなかったよ…。
    美夏のお話が一番あるあるで共感出来た。
    いじめ問題、誰でも一度は経験するよね。
    でも、美夏はすごい!
    悪縁断ち切って、親友の桃子と仲直りするなんて凄い勇気だよ。

    【五話】
    学生時代にヒッキーになったことは無いけど、社会人になって失業期間中、守屋ちゃんと似たような状況になったことあるから読んでて刺さりまくった。
    というか、守屋ちゃんと矢神くんがここで接点持つとは。
    3月にタイムカプセル送る感じだから、矢神くん、千尋との約束に間に合うかな?

    【六話】
    矢神くんと千尋が会えて良かった〜!
    矢神くんがなかなか会いに行かないから焦れたわ。
    でも、だいぶ千尋への想い拗らせてたから、まあ許す(笑)
    ほんとあそこまで拗らせてると愛だね。
    千尋との別れがトラウマになってたのといじめもあってのヒッキー時代だったのか。
    そこから這い上がったの凄い。
    石川ちゃんも一途で良い子だけど、それでも、揺らがず千尋を想い続けてる矢神くんが最高だった。

    めちゃくちゃ良い青春小説だった。
    6編すべて最高だった!

  • 10年前の思い描いていた自分と今の自分。笑ってしまうくらい全然違っていて、悩むこともある。そんな時に助けてくれるのが過去の自分と意図せずして出会う小学校時代の友達。
    小学生の時の友達なんて忘れてしまう人も多いが忘れてしまってもまた再び出会える奇跡はとても特別なものなのではないだろうか。大切なものは友達だと再認識させられた

  • 小学1年生の時に埋めたタイムカプセルが、全員集まって掘り起こすのが面倒だからと郵送で送られて来る所から始まります。十年前の自分からの手紙を受け取った彼らは何を想うのか。最初の千尋と最後の耀が気になりながら、二人目に入った時繋がりがなかったので、耀までランダムに選ばれた人を書いてるの?とちょっとテンション下がりました。でも読み進めていくうちにだんだんと繋がりが見えて来て楽しめました。ただなんとなく、高校生・大学生が描かれてる割には皆子供っぽいかな、と感じました。

  • 6人のことなった“想い”が、タイムカプセルを通して繋がっていることが美しいと感じた。

    最後の場面で、小学校の頃の約束を信じてきた2人が出会えて本当に良かった。

    1人1人が抱えているそれぞれの事情が鮮明に描かれていて、とても面白いです。

  • この本の初版発行は6月25日ですが,表紙通り春を感じさせる作品でした.一概に恋愛小説ということはできませんが,そういった側面が大きかったように思います.登場人物の6人,それぞれに個性があって,それぞれに物語があるので,作者(天沢夏月さん)はどんな人生を歩んできたんだろうと気になりました.

    十年前の自分を考えてみて,自分は十年先のことなんて考えていなかっただろうなってそう思います.この登場人物たちの高校での状況は,自分の分岐が違えばそうなっていたかもしれないようなものばかりです.だから,自分がこんな状況ならどうするだろう?自分は前を向いて歩けるだろうか?そう思いもしました.

    本を読んでいるときは楽しかったし,物語にのめり込みましたが,ふとその集中が途切れると,自分はどうなんだろうと考えされられていました.自分を振り返ったり,自分の未来を考えるのにも良い作品だと思います(こんなこと感じたの自分だけでしょうが).

  • 【「タイムカプセル」によって繋がる、迷える高校生6人の青春物語】

     十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。
     嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少
    女を、今も想い続けている耀。
     十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。

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著者プロフィール

「サマーランサー」にて第19回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>を受賞し、デビュー。瑞々しい感性で描かれる青春小説に定評がある気鋭の作家。

「2020年 『17歳のラリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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