拝啓、十年後の君へ。 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048922074
感想・レビュー・書評
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10年前の思い描いていた自分と今の自分。笑ってしまうくらい全然違っていて、悩むこともある。そんな時に助けてくれるのが過去の自分と意図せずして出会う小学校時代の友達。
小学生の時の友達なんて忘れてしまう人も多いが忘れてしまってもまた再び出会える奇跡はとても特別なものなのではないだろうか。大切なものは友達だと再認識させられた
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小学1年生の時に埋めたタイムカプセルが、全員集まって掘り起こすのが面倒だからと郵送で送られて来る所から始まります。十年前の自分からの手紙を受け取った彼らは何を想うのか。最初の千尋と最後の耀が気になりながら、二人目に入った時繋がりがなかったので、耀までランダムに選ばれた人を書いてるの?とちょっとテンション下がりました。でも読み進めていくうちにだんだんと繋がりが見えて来て楽しめました。ただなんとなく、高校生・大学生が描かれてる割には皆子供っぽいかな、と感じました。
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6人のことなった“想い”が、タイムカプセルを通して繋がっていることが美しいと感じた。
最後の場面で、小学校の頃の約束を信じてきた2人が出会えて本当に良かった。
1人1人が抱えているそれぞれの事情が鮮明に描かれていて、とても面白いです。 -
この本の初版発行は6月25日ですが,表紙通り春を感じさせる作品でした.一概に恋愛小説ということはできませんが,そういった側面が大きかったように思います.登場人物の6人,それぞれに個性があって,それぞれに物語があるので,作者(天沢夏月さん)はどんな人生を歩んできたんだろうと気になりました.
十年前の自分を考えてみて,自分は十年先のことなんて考えていなかっただろうなってそう思います.この登場人物たちの高校での状況は,自分の分岐が違えばそうなっていたかもしれないようなものばかりです.だから,自分がこんな状況ならどうするだろう?自分は前を向いて歩けるだろうか?そう思いもしました.
本を読んでいるときは楽しかったし,物語にのめり込みましたが,ふとその集中が途切れると,自分はどうなんだろうと考えされられていました.自分を振り返ったり,自分の未来を考えるのにも良い作品だと思います(こんなこと感じたの自分だけでしょうが). -
【「タイムカプセル」によって繋がる、迷える高校生6人の青春物語】
十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。
嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少
女を、今も想い続けている耀。
十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。