キネマ探偵カレイドミステリー (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 799
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048927048

感想・レビュー・書評

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  • ビブリア古書堂は古書に纏わる話だが、
    こちらは映画に纏わる物語。
    ビブリアの三上さんがオススメしているし、
    イラストをスカイエマさんが描かれていて
    更に内容が面白そうだったので購入してみた。

    こういう話によく出てくる、一つの事柄に
    卓越したクセのあるキャラクターが
    この本では嗄井戸(すごい名前(笑))だが、
    クセはあるが結構可愛い少しヘタレな人物で
    嫌味がないし、好感が持てる。
    映画に関しても、世間的によく知られているような
    映画を取り上げているし、内容も分かりやすい。
    事件の流れは若干予想しやすい流れだが、
    まだまだ色々な話が読んでみたいと思えた。
    是非、続いてシリーズ化して欲しいなと思う。

    それにしても、ビブリアに出てくる本もだが、
    今回の映画も有名だけれど改めてじっくり
    見た事がないかもしれない…というラインナップで
    これを機にゆっくり見てみたいと感じさせられた。

  • 映画に関係した事件の謎を解く、ひきこもりシネフィル探偵。

    「逢魔奇縁のパラダイス座」(ニュー・シネマ・パラダイス)2 … すべてがちょっとわかりやすすぎた。
    「断崖絶壁の劇場演説」(独裁者)2 … ひねりがなかった。
    「不可能密室の幽霊少女」(ブレア・ウィッチ・プロジェクト)3 … ラストあたりで言う●●トリックが成立してない。JK束で加点。
    「一期一会のカーテンコール」(セブン)3 … 見立ての題材が曖昧すぎる。

    総じてトリックはかなり軽め。探偵と助手ふたりの絡み(友情)がメイン。題材となった映画はネタバレへの考慮かサラッとしか触れられていないところに好感が持てた。

  • 初読み作家さんでした。
    連作短編という形でしたが、どの物語もテンポ良く小気味良く展開されていきました。
    所謂、安楽椅子探偵の部類に入るのかと思いますが、面白く読みました。

  • 映画をネタにした事件もの。このレーベル読むの久々なんだが、読みづらっ!と感じてしまったのは自分がもう若くないからなのか、本読むの久々すぎて慣れていないのか、それとも中身が大して面白くないからなのか。
    映画をモチーフにした事件を安楽椅子探偵が映画になぞらえて解決していく構図は、文章だとどうしても解説メイン、悪くいうと説教臭くなってしまってあまり解決までの爽快感は味わえんなぁ。。。というのが正直な感想。ラストも危機に陥る主人公を家から出られないはずの探偵が助けに来るという、ど定番の流れだったし、友情芽生えてるのはわかったから、そこまでくどくしなくていいんやで、という幕切。このくどさがこのレーベルがターゲットにしている層向けなのか。

  • 登場人物の設定は主要な三人、それぞれに面白いと思います。束がとても気になります。面白い娘です。
    謎自体、そして謎解きよりも、映画の話におおく期待していましたが、その点では少々物足りなさがありました。もっと映画に寄せて話が展開してくれるものを期待していました。しかし、本筋の謎から言うと、バランスのとれた感じかもしれません。
    読後に何か物足りなさを感じたのはなぜなのか、自分でもよく分かっていませんが、研究室内での部分が少ないからなのかな、話の発端なのに、ということかな。
    きっと作者さんは書いていくうちにどんどん、うまくなっていく方のように思います。
    もうすこし読み続けてみようと思います。

  • 初めての斜線堂有紀作品。映画をモチーフに展開される短編は、目次で「セブン」を目にした時から後味の悪そうな結末を予想しながら読み進めるもののそこにあったのは青春時代の友情にふんわりと包まれた結末だった。

  • 軽く読める。ミステリとしては陳腐。嗄井戸と奈緒崎の関係性に萌えられるかどうか。圧倒的映画知識と言えるほどまで披瀝されないからなあ。せめてポンポさんくらいはかましてくれないと。
    p333「威圧感の分だと消防車もすぐにやってくることだろう。」の文意がとれない。急にここだけ引っかかる。

  • ――

     この物語はフィクションですってば。


     そのひとことの為にその映画を観る、みたいなことって、ありません?
     って、題材が題材なもんだから気取って映画を例に採りましたけど正直そんなに観てないから好例思い浮かばないや。みんな見て! これが馬脚よ!
     こういうときひねり出すのはあれ、『ザ・マジックアワー』でデラさんがスクリーンに大写しになった佐藤浩市の姿を…あれ違う。村田さんがスクリーンの中のデラさんを…あれ?
     まぁ、あそこですよ。ベタだけどね!

     漫画や小説でも、そういうワンシーンってある。クライマックスというわけではないけれど、とても強く心に残っているシーン。
     ちょっと手近にあった『トーマの心臓』(漫画の方)を手に取ってみたんだけど、シュバルツ氏の「…わたしにキスした!」と云う台詞はもう完璧。

     と、まぁそういうシーンが、この作品の中にもあったわけです。
     正直なところミステリとしては粗いし、ビブリオミステリ的に云うならキネマミステリとしてもそこまで深くはないと思うんだけれど、やっぱり、そういうワンシーンがぎゅっと引き込んでくれて、しっかり読ませてくれる。


     事実は小説よりも奇なり≧映画より鮮やかな人生なんて、存在しないんじゃないのか?
     とはいえそれを、鮮やかすぎるほどに鮮やかな現実に対する緩衝材として設定するというのは、少しぞっとしたけれど形はよくわかる。

     けれどもっと単純に、フィクションなんだからこうでなくっちゃ、という想いが、フィクションならざる現実を救ってくれる。そういうこともあるし、そうだからこそこうやって連連、本を読んでいるのだとも云える…か?

     上手く云えないけど。
     上手く云えないことばかりだなぁ…まじで最後に上手く云えたのいつだねキミぃ…

     やれやれの、☆3.4

  • 「楽園とは探偵の不在なり」で斜線堂有紀さんをはじめて知った。2017年にデビューしたばかりということで、今ならまだ作品を読み尽くせそうと思い、デビュー作シリーズに手を出してみた。
    男前の探偵と平凡な助手とかわいい女子高生。ミス・マープル以上に部屋から一歩も出ないひきこもり探偵。
    マニアックな解説はあれど、なじみのある映画が多かった。映画愛にあふれていて、もういちど見たくなった。「ニュー・シネマ・パラダイス」とか「グラン・ブルー」とか。

  • テーマは興味惹かれるがなんかハマりきれず、続きはいいかな、という印象。単にキャラクターの魅力が足りない、もしくは私と合わない、のだとおもう

    2021.1.31
    10

著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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