検証平城京の政変と内乱 (学研新書 68)

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  • 学研プラス
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  • / ISBN・EAN: 9784054044401

感想・レビュー・書評

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  • 遠山先生の本、大学の時に読んだことあったような……?(気のせいか)
    とにかく読みやすく、わかりやすい。各事件の概要、ドキュメント(流れ)、真相に迫る、という流れで進んでいくので、
    あまり詳しくなくても理解しやすい1冊。

    しかし奈良時代、本当にドロドロ。平安に負けないくらいのドロドロさである。両親が異母兄弟とか、本当に血すごかったんだろうなと思ってしまう……。
    この辺りって、学校でもやっても面白いと思うんだけどやっぱりダメなのかなぁ。(笑)

    長屋王、恵美押勝、宇佐八幡神託事件など、聞いたことはあったけどそこまで深く知らなかったことばかりだったから、非常に面白かった。
    聖武天皇の、「娘婿に一旦皇位を継がせて、その後に孫息子に継がせる」=中継ぎ方式を、
    娘の称徳が引き継ぐんだけど、それがまた
    中継ぎを道鏡にしたかったっていうのが皮肉。

  • 奈良時代は中継ぎの時代
    草壁皇子即位までの中継ぎが持統天皇
    草壁薨去後は文武天皇が即位したと思うとすぐ崩御
    首皇子即位まで中継ぎが元明・元正天皇
    光明皇后の皇子没後、新田部親王の子道租王が即位まで中継ぎが阿倍内親王=孝謙天皇
    聖武天皇崩御後、廃太子し大炊王が淳仁天皇となるが太政天皇(孝謙)と仲たがいして廃され、次の他戸親王が即位までの中継ぎが道鏡法王(≒天皇)
    他戸親王が即位まで中継ぎが光仁天皇
    中継ぎ多すぎる(と、此処まで本の感想ではないww)

    読みやすい!こんなに分かりやすい奈良時代本は無い!
    学者さんが此処まで書くのか!あ!H郷先生も学者か!

    遠山先生は文武天皇に繋がる皇統を中心に桓武帝迄の
    政変を紐解こう説いている(個人の感想)(´・ω・`)

    長屋王:聖武天皇の発作的な行動力は怖い
    広嗣:玄昉らを依怙贔屓する聖武天皇は怖い
    奈良麻呂:孝謙天皇の自儘なえこひいきは怖い
    仲麻呂:孝謙天皇の発作的な怒りは怖い
    道鏡:孝謙天皇の押しつけ寵愛って怖い
    井上内親王:桓武を取り巻く野心家って怖い

  • 奈良時代に起きた、長屋王の変から氷上川継の乱までの6つの事件を章立てでそれぞれ概要、展開、検証の3段構えで、また、それらに関わる8つの出来事がコラムで紹介されています。この著者は軽めの語り口と独自の視点が最大の特徴なのですが、軽さと憶測の域を出ない論説(ただし、説得力は充分にあります)は好みの分かれるところかもしれません。ですが、学者さんの著書であるにもかかわらず、気軽に読めてわかり易く、定説に囚われないその切り口は、歴史を空想する楽しみを与えてくれますので、私は好きです。

  • [ 内容 ]
    平城京を舞台にして起きた政変や内乱を、徹底的に読み直し、従来の通説や解釈にとにかく疑問をぶつけてみた。
    するとそこには、藤原氏の陰謀、天皇系統の対立ではすまされない真相が…。
    平城京の謎解きの決定版登場。

    [ 目次 ]
    第1章 左大臣の犯罪―長屋王の変
    第2章 「我こそは大忠臣なり!」―藤原広嗣の乱
    第3章 戒厳令の夜に―橘奈良麻呂の変
    第4章 正一位太政大臣、湖畔に死す―恵美押勝の乱
    第5章 「道鏡を天皇にせよ!」―宇佐八幡神託事件
    第6章 狙われた新天皇―氷上川継謀反事件

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    [ 参考となる書評 ]

  • 読みやすい。ただ僕の知識が余りに不足しているので、申し訳ないです。意識されているのでしょうがちょっと週刊誌の内幕記事ぽい書き方をされていて敷居が低かったです。と言って下品ではなく品位有る内容と想いました。
    同時に読んでいた「平城京遷都」の終章、素描風にとある箇所が本書につながるのですね。

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著者プロフィール

遠山美都男

1957年、東京都生まれ。学習院大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科に進み、博士(史学)を取得。専門は日本古代史。『壬申の乱』『白村江』『天皇誕生』『蘇我氏四代』『大化改新と蘇我氏』ほか著書多数。

「2022年 『新版 大化改新 「乙巳の変」の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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