名探偵も楽じゃない (講談社文庫 に 1-10)

著者 : 西村京太郎

• 講談社 (1982年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[たかさんの感想 · 2020年8月20日]

名探偵シリーズ4部作の第3作。
アメリカから｢エラリー・クイーン｣、イギリスから｢エルキュール・ポアロ｣、フランスから｢ムッシュー・メグレ｣、日本から｢明智小五郎｣が集結。ミステリーマニアの｢M・M・M｣のメンバー9人に唐突に現れた｢左文字京太郎｣が殺人事件に巻き込まれ、刑事の｢吉牟田｣と共に犯人を探す中、連続殺人が次々と起こる。
クローズド･サークル、名探偵4人は推理をせずにM・M・Mのメンバー、吉牟田、左文字京太郎が推理を進める。
読んでいて前半で怪しい人物に目星はつくが、最後の最後で動機がわかって、あっ、そういうこと、となった。
4人の名探偵さん、早く止めてよ！ってなる作品。
✩✩✩ 3.0

[風見さんの感想 · 2004年11月20日]

今回は四人よりも、左文字が推理を巡らすので、パロディ的な要素は薄い。真犯人は、多分こいつだろうなぁ、と思うのが犯人だったわけですが。こういう作品の作り方をする以上、その人物が犯人であるのが順当な流れだろう、という程度で、別に根拠があるわけでもない。ある意味、ミステリに擦れた読み方しかできなくなってしまったのだろうか。

著者プロフィール

一九三〇（昭和五）年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」