- Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061589308
作品紹介・あらすじ
日本を深く愛しつづけたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。1890年に来日以来、日本の物語や民間信仰、風習等を通して、西洋至上主義に捉われることなく日本を理解しようと務め、数多くの秀れた作品を残した。本巻は八雲の作品の中でも「耳なし芳一」「轆轤首」「雪女」等、一般に親しまれている怪談・奇談42篇を、気鋭のハーン研究者達の新訳で収録。さらに巻末にこれらの原拠30篇も翻刻した。
感想・レビュー・書評
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先日、出雲に旅行に行く機会があり、小泉八雲記念館と併設の旧居を参観。昨今は日本の多様な美しさや西洋とは異なる社会観に注目が集まって日本観光ブームだそうだが、約百年前のラフカディオ・ハーンはその嚆矢だったと言っていいだろう。もっとも、彼が愛したような庭を持つ家は、もうそうそうないけれど。その高名な著作“Kwaidan”にしても、単なる怪奇譚ではなく、日本人の死生観や、社会風俗を伝える話を選んでおり、その観点で読み返すとなるほどと思わせるチョイスだ。
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原拠が巻末に収録されている。
ぞっとするような怖さはないけれど、日本らしい情緒あふれる物語集になっている。 -
物理や時の流れを優に超えてくる念の強さに驚くばかり。小泉八雲が原典から手を入れてるとは知らなかった。私は元々、仏像や地獄を中心に仏教世界に興味を持っているけど、今回の怪談への関心をきっかけに、根底に共通しているのは「異界への好奇心」なんだと気付いた。
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昼の明るい時間帯に読むことをオススメします。
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20171027
小泉八雲の怪談・奇談を集めた作品。原典となる古典を英語で著した小泉八雲の作品を、さらに気鋭の研究者たちが現代語訳したものである。
古来から日本に伝わる幽霊の話が中心となる。仏教思想の影響が強く、輪廻する魂が幽霊となり、昔から人々を怖がらせた。また、神道の影響もあると思われ、八百万の物に魂が宿っていると怪談は教えてくれる。
小泉八雲の「恐怖」に対する考え方も面白い。一元論的な考え方の持ち主で、恐怖の対象となる事象に対して、各々が持つ経験や感覚のフィルターをかける事で恐怖が生まれるのだと言う。超常現象も実際にあるものでは無いが、人がそれを増幅するから、その事象はあるのだ。信じる人たちを無下に軽蔑する必要はない。
松江にて遭遇した小泉八雲
日本人よりも日本を見つめた外国人はどう怪談を作り上げたか。
松江ビアへるんを契機に、ラフカディオハーンを知りたい。 -
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物理や時の流れを優に超えてくる念の強さに驚くばかり。小泉八雲が原典から手を入れてるとは知らなかった。私は元々、仏像や地獄を中心に仏教世界に興味を持っているけど、今回の怪談への関心をきっかけに、根底に共通しているのは「異界への好奇心」なんだと気付いた。
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carib song,田辺剛「サウダージ」つながりで。題材にとられたのは「お貞の話」。その他に、「夢応の鯉魚」「果心居士の話」も読む。お貞の話は、ヨーロッパに舞台を移しつつも、忠実に漫画化したのだなあと思った。夢応の鯉魚は、荘子の胡蝶の夢の味わいといったところか。果心居士については、幻術に彩られた奇譚の味わい。
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妖怪系の先駆けらしい。げげげのきたろうが好きな人はどうぞ