江戸のまんが (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 58
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596030

作品紹介・あらすじ

漫画の起源は江戸時代にあった!寄せ絵、文字絵、鳥羽絵、大津絵、北斎漫画。次々と飛び出す笑いと驚き。庶民の生活に根ざし、大衆文化として開花した江戸の漫画。それは、洒落と諷刺を巧みな表現法をもって図像化した、時代の息吹を伝える貴重な史料である。江戸期の代表的な作品百余点を厳選し、人々の日常と時代の意外な相貌を探る異色の評論集。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの通り江戸のマンガ文化について、様々な事例を取り上げて紹介してあります。
    ただ、本書ではマンガをかなり広い意味で定義されており、現代的なマンガだけでなく戯画などの簡略化した、独特の画風の作品なども数多く紹介されています。

    【こんな人におすすめ】
    マンガが好きな人
    浮世絵が好きな人
    江戸のマンガ文化について興味のある人

  • この時代にこの絵を見ていた
    人たちの姿が思い浮かびそうです。
    ユーモアのある図柄に
    きっと笑っていたのでしょうね。

    その中には
    なかなかおっかない絵もあります。
    そう、地獄に落ちていった者たちの絵です。
    まさに地獄絵図。

    これはどうあがいても絶望な絵ばかりです。
    つまり、悪いことはするなよ
    といっているようです。

    で、なかなか面白いのが
    ちょっぴりお下品なおトイレの絵です。
    上級武士の用足しをそばで覗いて鼻をつまむ
    下級武士たち。

    つまりひねり出すのは上下関係なく
    いっしょだということですね。

    基本的にはこっけいなものが多いですが
    1点だけ、いわゆる春画(比較的ライトなもの)
    がまぎれています。

    今こうして読んでも
    すごく興味深いですよね。

  • 江戸文化の面白さが広がる.挿絵を見ていて感じるワクワク感は当時の人と同じであろうか?
    抽出されたセンスの良さは現代のものにもまったく劣るものではない.

  • <閲覧スタッフより>
    マンガの興りの大きな流れは江戸時代にあった。庶民の暮らしが安定し、娯楽や大衆文化が飛躍的に開花した江戸期の図像、図版の面白さを紹介しています。

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    所在記号:文庫||726.1||シイ
    資料番号:10152386
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  • 日本独特の文化だとしてCoolJapanの代表のように語られることが多くなった「マンガ・アニメ」ですが、それが決して戦後数十年の歴史なのではなく、江戸時代の「漫画」の数々の歴史を見るときに、奥深さを感じます。考えてみれば浮世絵はマンガティックな顔をしています。北斎漫画は有名ですが、歌川広重の五十三次にも楽しい絵があるようです。それらが明治以降の批判精神に飛んだ挿絵に流れていっているように思います。政治への風刺精神もなかなか日本で盛んだったのですね。もともと平安時代の鳥羽絵と呼ばれていたという鳥獣人物戯画から始まる日本漫画史は本格的です。

  • 隙があって妄想する要素があるからこそ面白い。北斎は変態。

  • まーもーつまり…江戸時代にたいがい遊び尽くしちゃったのか?

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著者プロフィール

2018年12月現在
漫画・諷刺画研究家/元 帝京平成大学教授

「2018年 『日本の漫画本300年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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