- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061598270
感想・レビュー・書評
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面白いし、歴史の縦横の線が重なりあって一つの事象が発生すると思わせる内容であるのは確か。だが何故だろう(以下個人的感想なので信憑性は皆無)面白い捉え方であるが故に胡散臭い。そして斬新であるが故に画一的な捉え方にも見える。澁澤龍彦や荒俣宏の本をごった煮で読んでるみたい。
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1/22 読了。
平々凡々なタイトルの500倍面白い本。 -
長らく読んでみたいと思っていた、高山宏『奇想天外・英文学講義』を求めて本屋の棚を見ていると絶版らしかった。「しまった買っておけば・・・」と思っていたところ、軽く調べていて今は学術文庫に入っていることがわかった。喜んでこちらを購入。とあるAmazonレビューによると『奇想天外~』の時とちょっと内容が違う(語り口が違う? もっと毒が強い?)というようなことも書いてあったが、主旨は大きくは変わっていないだろう、という希望的観測のもと読んでみる。
「ピクチャレスク」「マニエリスム」といった言葉に対して高山先生の定義づけがされていく。これらの言葉に自分なりのイメージを持っていない状態で読んだのでとても教育的なものとして終始受け止めた。参照したと思われる文献が次から次へと登場し、さながら面白い見世物を見ているような心地である。劇場を一種の機械仕掛けの見世物として見る視点や、ニュートン「光学」が文学に与えた影響などに対する考察など、とても興味深く読んだ。英文学史をかじったことのある人なら、興味を持って読めるだろうと思う。
参考文献も多数登場するが、人物もたくさん登場する。碩学の英文学者たちの名前が出てくるたびに、他の書物へと想像が飛んでいく。由良君美が出てきたら四方田犬彦『先生とわたし』を思い出すし、小池滋が出てくれば、シャーロック・ホームズの全集とかを思い出すし、柳瀬尚紀が出てくればやっぱりジョイスを思い出すし、といった具合である。仏文学とかに比べたらなんか地味な印象もある英文学(勝手な思い込み?)だが、英文学の世界にも怪物学者はいろいろいるのだと、改めて思った。高山先生曰く”超”英文学者たちである。
著者の語りにはとてもクセがあり、そこが気にかかる人はけっこういるかもしれない。「これをやっているのは私だけだ」とか「こういう方法をこそとらずして何とする」というような言い回しが頻出するので、「もう~ わかりましたよ先生(笑)」という感じになる。鉄道の駅の名前を全部暗唱して得意がるような子供みたいなところがあるような? でもこの文献の渉猟の仕方は、少年のような心がないと無理なのではないか(笑)という気もする。 -
パット見何の関係もなさそうな2つものが実は重なり合っていたり、科学的発明が詩の表現に彩りを与えることになったり、絵画が実は人間の“物の見方”に深い影響を与えていたり…。
少なくともこれは他の本と比べて異質と言わざるを得ない。ニュートンがかなり頻繁に出てくるので、『ニュートンの宗教』なども併せて読みたい。 -
ニュートンがプリズムで太陽光線を七色に分光できると述べた
『光学(オプティックス)』発表後、色の区別が進んで、
同じ赤でも、それまでレッドだけだったのが、
ヴァーミリオン、スカーレットなど、
濃度の差異を表現する単語がどんどん増えて、
18世紀は詩人たちの形容表現が複雑化していった……など、
目からウロコ落ちまくり!
一見何の関係もなさそうな二つのものが、
実は一つである、あるいは密接な関わりを持っている、
ということを、たくさん教えてくれます。 -
知的レベルの高さに、アホな自分には難儀した一冊だったけど、その分ゆっくりと味わうように読んで大満足。さらに、その内容は目からウロコもので、必読の一冊だと思う。
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すごく面白かったです。
ピクチャレスク!! -
著者の本を読むのは初めて。
私程度の知識と理解力では、たぶん理解できてない部分も多いだろうと思うのだが、それでも結構夢中であっという間に読んだ。
独特の、傲慢ともいえる語り口に、怒りを覚える人もいるだろうなと思うが、世代や専門や知的レベルがあまりにも自分とかけなはれているのと、彼自身が認めている相手には敬意を払っているのがわかるので、個人的には面白さが勝った。
本筋と関係ないけど、独壇場がもともとは独「擅」場だったことに初めて気がついた。
他の本も読みたいのだが、、、松丸にあるかな。 -
文学の枠を超えた超英文学講義。タイトルは地味だが中身は極彩色。高山氏の著作は手に入るものが少ないが、興味を持ったならまずこれ。
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(講談社学術文庫) 高山 宏 (文庫 - 2007/7/11)
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