ロシア紅茶の謎 (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061817883

感想・レビュー・書評

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  •  ロシア紅茶、飲んだことないから飲んでみたい。毒が入ってないやつがいいです。

     再読。国名シリーズ第一作目。
     表題作を含め、短編が六つ。短編も中編も長編も、難なく器用にこなすよなぁ、このひと。六編とも本格もの、らしいです、著者のことば曰く。なんだろう、「本格」っていう言葉の持つものがやっぱりどうしても、「論理的」「パズル的」っていうのがあって、有栖川の書くものは正直、そこまでではないっていう印象なんだなぁ。息が詰まらないもの、読んでて。だから読めるし、すげぇなって思うんだけど。
     火村が違和感を覚える切っ掛けって、すごい些細なんだよな。え、そこから? っていう。「ルーンの導き」とかな。ただ表題作に関しては、なんか急に必死になったなって気がした。容器がないってことに。確かにまあ必要なのは分かるんだけど、もうちょっとそこを重視してますってポーズを入れてほしかったなぁ。
     そういう感想を抱いたってことはつまり、再読といいつつ内容をきれいさっぱり全部忘れてたってことなんですがね。
     最後の、「八角形の罠」には挑戦状、入ってました。一応手を止めて考えましたが、犯人と共犯者に目星をつけたくらいで終わりました。これはあれだ、容疑者たちには凶器を隠しに行く術がない→共犯者がいる→可能性を考えてこの人しかいない。第二の被害者の最後の言葉から共犯者に向けての恨みだと推察→だとしたら第一の殺人の犯人はこのひと、煙草の銘柄が共犯者と一緒なのもまた何かあるんだろうなっていう誰でも考えられる流れ。
     「犯人を当てられただけでは痛くもかゆくもない」って有栖川ずっと言ってるので、一矢報いることすらできてないですな。第一の殺人の凶器の受け渡し方法と、第二の殺人の方法まで当ててこそだろう。
     抜粋は表題作より。


    「私は忘れないよ。君が命を賭けた最後のキスを」


     火村ってときどきすげぇこと、言うよな。

  • 国名シリーズ第一作品集。
    「動物園の暗号」1話目なので気合いを入れて推理に挑戦したのですが見事に解けませんでした。展開を楽しんだ。
    「屋根裏の散歩者」乱歩の禍々しさや奇怪さを引いてみた感じ。オチにニヤリとしました。
    「赤い稲妻」トリックはおもしろいけどあまり印象に残らなかった。
    「ルーンの導き」いろいろ推理するも、オチがいまいち。
    「ロシア紅茶の謎」ロシア紅茶というものを初めて知りました。ラストの火村先生のセリフは赤面もの。キザなお方でございます。
    「八角形の罠」おもしろかった。どうやら私は”劇団”とか”舞台”などが出てくるものが好きらしいことに気が付いた。

  • 『ロシア紅茶の謎』のあの台詞(読んだ人にはもちろん分かりますね!笑)で、火村先生に落ちました・・・か、格好いい!

  • 助教授の決め台詞が計算なのか天然なのかよく分からないところに注目(えー)

  • どの話も、トリックやネタに無理があるのでは。

  • 先日「鍵のかかった男」を読んで面白かったので、今更なのだから国名シリーズを読んでみようと。
    やはり時代を感じるが面白かった。

  • これも短編集
    綾辻行人さん好きだと、途中でクスッとなるお話がありますw

  • 久しぶりに読んで面白いミステリーが
    でてきましたなー。
    都合上国名シリーズしか
    今回は読まないけれども
    奇妙奇天烈事件が続く作品は好きだから
    楽しみ楽しみ。

    火村と有栖川のコンビが
    また凸凹で、火村がかなりとげがあって
    うちの好物でありますよ。

    出てくる事件は、奇怪で
    ミステリアスなものばかり。
    表題作は、どうやっても手詰まりだ、
    犯行手段わからんちんと思うことでしょう。

    手段がな、度肝を抜くのじゃよ。
    そこまでやるかって背筋が寒くなったわね。

    あとは屋根裏の出歯亀男が
    殺された事件も興味深かったかね。
    謎の暗号が面白かったです(笑)
    特に「太」の謎が解けると吹くことでしょう。
    ブフッ(笑)

    結構犯人が鬼なんだよね。
    でも、その先を追いかけないから
    ネチャネチャはしてないのよ。
    おっかないけどね。

  • 国名シリーズとしては第一弾になるようです♪トリックはなかなか分からなかったけど、二人の会話は楽しいし、短編集だからかサクサク進むストーリーでテンポ良く読めました。間もなく亡くなるというのに暗号を考える被害者は大変だ…というのは、他のミステリーやドラマでも時折思うことではありますが(*ノ∀`*)唯一、屋根裏の散歩者だけは「もしかして、あの形では…」と思えました♪ドラマも見ておけば良かったです。こちらもシリーズゆるりと追いかけたいです。

  • こちらも新本格派の代表格。有栖川 有栖氏の短編集。
    エラリイ・クイーンの作品スタイルと同じ、作中の登場人物がその作品を書いている、というスタイルをとっています。デビューの当時は大学生だった有栖くんですが、この作品ではまさしく推理小説を書いている職業作家になっています。
    しかし探偵役を務めるのは、彼ではなく、大学時代からの連れの犯罪心理学者火村氏。推理小説家とはいえ、実際の事件となると、てんでだめな有栖くん。ふたりで掛け合い漫才をやりながら事件を解決していくのは、推理の域を超えて楽しい物です。
    内容としては、過去いろんな「探偵小説」ででてきたトリックを用いた、お手本のような短編が集まっています。
    新・本格派の作品ってどんなだろ?と思っている方には、ちょうど読みやすくとっつきやすい作品なのではないでしょうか。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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