幻惑の死と使途 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
3.46
  • (81)
  • (172)
  • (436)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 1577
感想 : 135
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819870

作品紹介・あらすじ

「諸君が、一度でも私の名を叫べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」-自信に満ちたせりふと共にあらゆる状況からの脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が、衆人環視の状況の中で殺害された。さらに、彼はなんと遺体となってまで、最後にして最大の奇跡を行う!?犀川・西之園師弟が明かす驚愕の真実。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 森作品を改めて好きになる瞬間を味わう。
    自分の見ているものが何なのか、
    それは見せる側の思惑も大いに絡み見る側の思惑も大いに関係する

    わたしの「名前」があるから
    その「名前」をどうおもわれたいかという思惑が発生し、
    その「名前」に対して「どうみえるか」という結果が現れる
    それは思惑と結果が一致するほどに見せる側の思惑には当てはまるけど、
    そこに見せる側の「そのもの」は見えづらくなってしまっていることもあるだろう

    「こうおもわれたい」というものは
    家族に対して、会社の同僚に対して、学生時代の友人に対して、
    親友に対して、恋人に対して、長い時間をかけて隣に寄り添う人に対してでかわってくる
    どれも本質でもあり、どれも本質からかけ離れているともいえる

    「わたし」という人間について「どうみえたいか」
    それが成功した部分もあるし、それに苦しむこともある
    見せる側の思惑と一致していることで悩むこともあるし、
    見る側のイメージに助けられることもある
    こればっかりは人と人がからみあうその空間におこるイリュージョンなのでしょう

    名前、ミスディレクション、イリュージョン、どれも印象に残るもの

    それにしても久しぶりの読書で、一気に読んでしまった。
    600ページ弱あるのに、意外なほどにすんなり読める内容だった

  • 再読。

    この巻はミステリ部分とラブコメ部分のバランスが絶妙であらためてシリーズで一番好きだなあと思ったことであるよ。

  • 珍しくロマンチックというか、感情に訴えるような展開だったように思える。これまでの作品よりもじれったさを感じたが、それはわくわくよりもイライラが強くてちょっと不思議な感覚。でもやっぱり面白い。
    できればこの二人は、くっつかないでずっとおっかけっこをしててほしいなぁ。

  • 既読
    文庫版

  • 再読要。

  • 素晴らしい真相! 清水紘治先生のファンは必読(笑)。

    ただ、「ガッチャマン云々」は艶消しだつたし、その後の萌絵の独白がダメを押してしまつてゐたことなどが残念。

  • これまでに比べると動機とかまで含めてしっくりと読めた気はする。

  • マジック。殺人の動機。結末良。

  • S&Mシリーズ6作目。面白かったー!今回は珍しく事件が動機も含めて解決した感じ。犀川先生によると、動機なんて、事件に関係ない人のために用意された幻想なのですが。「人が死ぬことによって失われるものは、その人間の思考である」「すべてのものに名前がある、ということにさえ気づけば、あとは簡単なんだ」「どんな法律も人格を裁くことはできない。名前を裁くんだよ」

  • 夏のレプリカと同時進行で読破。マジシャンを扱った事件なのでトリックも奇抜なもの、かと思いきや、常人には予測しにくい犯人の目的がとても印象的で、タイトルの死の使途という部分に合点が行く物語。後に別のシリーズで活躍するあのキャラクタが登場し、先にそっちを読んでいた僕としてはびっくり。

全135件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森博嗣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×