百蛇堂 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823440

感想・レビュー・書評

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  • 怖くて気持ち悪くて、ちょっと苦手でした。誤解しないでください、褒め言葉です。本の世界に入り過ぎちゃって暗いところが怖くなったり。

  • 「蛇棺葬」は実は三津田信三の元に送られてきた、龍巳美乃歩の随筆であった。現行を読んだ三津田にも怪現象が起こり、それから逃れるために龍巳や彼の生家にまで調査に行くという話。
     三津田信三を主人公とする「作者シリーズ」は、単に主人公の名前を作者名にするだけでなく、著者の執筆の状況や裏話など、おそらく作家の実体験を交えて書くため、(多少は脚色が混じっているにせよ)どういう思いで作品を作ったかなどを興味深く読めるのが楽しいのだが、虚実を取り混ぜることにより作者や読者がいる「現実」に、小説の中の怪異が侵食してくるような薄気味悪さを感じさせる。
     蛇棺葬でも取り上げられた、人間消失トリックに関しては本作では新たな謎解きが示される。
     しかし、子供の美乃歩が体験した怪異については明かされないし、本作の大事なトリックについても科学的な根拠というよりはオカルトによるものだしで、全てがきっちり推理によって導かれるものではない。
     また、「民は美乃歩によって殴り殺されたのではないか?」という疑問についても触れていなかった。
     ホラーとミステリーを混ぜているためであろう。
     主人公三津田が龍巳の家に行く時の描写がとても怖かった。

  • 前作読んで時間が結構空いてたので、忘れてた部分が結構あった。

    今回もストーリーの中でも現実と非現実の境目が分からなくなる部分があって、読んでて実際の現実と非現実が分からなくなった!

    このシリーズはこれで終わりみたいだが、新しくシリーズがぜひ読みたい!!

  • 作家・三津田信三に託された実話怪談の原稿。読んだ者には忌わしいあれが現れて…忽然と姿を消す。不可能状況で頻発する児童連続失踪事件と「あの原稿は世に出してはいけない」という龍巳の言葉は何を意味するのか?葬り去られるべきものが世に出たことで謎と怪異が続発!そしてラストに待つ衝撃の結末。(裏表紙)

    『蛇棺葬』の続刊にて「作家三部作」シリーズの完結編。
    だからと言うわけではないのかもしれないけれど、ある意味大変に豪華な展開だ。とあるレギュラーの扱いにはほんとに驚いた。
    内容も、過去を振り返る前作と違い、現在進行形で進んでいくので臨場感がある。
    残念なのは、謎の一つ一つに答えが出なかったこと。あと引く怖さを狙ったのかなぁ。

  • 『蛇棺葬』の続編。
    ☆4.4評価で四捨五入☆4つ
    20190624 読了

    主人公の親友2人の存在が頼もしい。
    某女性キャラは伏線の拾い忘れ?
    それともわざと拾わず謎を残したまま、
    他の作品で 簡素に明かされるのだろうか。
    ちょっとモヤモヤが残った。
    某ページは文字が勝手に蠢きそうでガン見(笑)
    二転三転するストーリーも楽しめた。
    マーモウドンのその後が気になる。

  • 2017.05.20

    『蛇棺葬』を読み終えた後、記憶が新しいうちに『百蛇堂』を読み始めてよかった。
    前作もなかなかのボリュームで読み終えるまでに時間がかかったけど、これはさらに分厚くて驚いた。けど2日で読み終えた。
    いきなりわけのわからないまま百蛇堂に足を踏み入れたりするのはよくわからなかった。
    結局、龍巳の怪しい娘はなんだったの??義母?マモウドンなの?
    編集者Lは?どこへ?
    飛鳥の妹はあすか・あすかなの?
    いろいろと断片的に人間関係やら因習やらなんやらかんやら内容が盛り込まれすぎててよくわからないままの部分もあったりしてまたそれが百物語感があって怖いです。
    百物語といえばなにかと作中に登場する『百物語の中の物語』も書籍化してほしいです。


    ずるっ、ずるっ、ずる…
    全体的にやっぱり怖かった〜!
    三田さんの小説はほんとドンピシャで好みです。


    次は『作者不詳』を読む予定。

  • 悪くはない…のだけど、やや中弛み感があった。全体を通じての謎は興味深いし仕掛けが気になるから投げ出す気にはならないんだけど、一気に読ませるような勢いにかける気がする。
    この現実よりホラーテイストの作品はどれ好きな系統のやつだけにちょっと残念。

  • ホラーなんだけどその法則の中での謎解きみたいなのがある話って好きです(^o^)

  • 怖さで言えば、前作よりこっち。でも、雰囲気は前作の方がベター。

    結局は好みの問題だが、民俗学的興味もある前作の方が自分の好み。
    それにしても、編集者Lはどうしたのか?同僚編集者は何故あのようや結末を迎えなければならなかったのか、未だ分かりません。ホラーだからいいのでしょうか。

    アナグラムには迂闊にも気付かなかったが、◯◯だということには、何となく気づきました。マーモンドも餌としてはあの量でいいのでしょうか。
    腑に落ちないことが多々あるので、楽しんで読んだのですが、星は標準の三つにします。

  • 「蛇棺葬」の続きで既刊を読んでないとなんのことやらわからないと思う。やっぱり、ホラー?ミステリー??
    ところ変わって現代、著者名と同姓同名の人物が主人公で著者の人間関係やらホラー系の書籍やらの事実が織り込まれている模様。
    本作のホラー箇所よりも、本作中の怪談をネットで調べてあらすじ読んだ方が恐かった(笑)

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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