緑幻想: グリーン・レクイエム2 (講談社文庫 あ 23-4)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061853669

作品紹介・あらすじ

ショパンのノクターンとともに死んだあの緑の髪の少女明日香が生きていた。果してそれは単なる植物人間なのか?それとも、この世のすべてのものと心をかよわせることができる生命体なのか?明日香の新たな魂が綴る真実の愛の力で、緑の地球にいま、驚天動地の現象が始まる…。

感想・レビュー・書評

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  • 新井素子の初期短編『グリーン・レクイエム』の続編。前作の設定を膨らませ、壮大なSF長編に仕立て上げた。

    植物人間という設定には、どんなにSF的なディティールを詰めても、ふわふわとしたファンタジー感から逃れられず、前作同様、正直オジサン世代の自分にはあまり感情移入できるところがなかった。読む人を選ぶと思われる作風だ。まぁそもそも文体からしてそういう作家と言われればそれまでだけど……。それでも興味があるのでまだ幾つか読みたいと思っている。本作については、若書きにも関わらず物語の完成度は高く、やはり作者の才能を示すに十分なタイトルだ。植物と人間の関係について真正面から向かい合い、壮大な愛のストーリーにまとめ上げている。静かなレクイエムが聞こえてくるような読後感の良さにすべてが救われる一品。

  • グリンレクイエムの続き

    やっぱりみんな狂ってる。てか狂わされてる。

    グリーンレクイエム読んだ時も思ったけど、なんか「ぼくの地球を守って」が浮かんぶんだよね。

  • 【再読】グリーン・レクイエムの続編。
    どうしようもない絶望と激しい復讐とそこはかとない愛のお話。
    その愛の大きさに圧倒されて読んだ後の「決して投函されない手紙2」。
    なんだか途方に暮れそうになる彼の話。
    とんでもないカラクリで物語は一気にSF的に引き締まった気がした。
    それでいて最後まで明日香の思い、愛を語るから、読後感はなんとはくふんわりしている。
    それでいて、切ないのは私が人間だからなのかな。

  • グリーンレクイエムという小説の続編にあたるが、一作目の存在を知らずにいきなり読んだ。
    特に内容理解に支障はなくスムーズに読めた。

    死んでしまった宇宙人の少女をめぐる恋愛や逃亡劇が繰り広げられる物語ではあるが、終始アクションや謎は存在しなく、ほんわかした情緒ある文章が続く。
    どちらかというと殺伐としてたり、あっという落ちがある話の方が好きだが、これはこれでかなり楽しめた。

  • ある時代に流行した本・作家かな?

  • 「グリーンレクイエム」のその後のお話。

    異星の住人vs地球人、植物vs人間、自然vs生物、男vs女、親vs子…この世の中には、いろんな存在の対立が見られる。‘異星人vs地球人’は、今のところフィクション世界の中の対立ではあるけれども。

    この世の中の対立構造は、個人レベルのものから宇宙規模に至るものまでいろいろあるけれど、全ては‘異物嫌悪’から発生するのではないだろうか?‘嫌悪’という言葉が強すぎるとすれば、不理解とでもいおうか。

    自分ではないもの、自分とは違うものを理解するには、相応の努力が必要だけれど、その努力を怠ってしまう結果、対立する存在が生まれてしまう。

    この物語には、そんな対立の発生をストップさせるヒント、もしかしたら唯一のものかもしれないカギが記されています。物語の主題からは外れるけれど、常日頃思う「なぜ人と人との争いがなくならないのか?」という疑問にも、ひとつの答えが見えます。

    この世が「自分ではないものを愛する」って気持ちで満たされたらば…そんな幻想を、願いとともに抱かせてくれる物語。

  • 本当に、忘れた頃にでてきたグリーンレクイエムの続編。
    嬉しかったなぁ〜
    少し前作とトーンが違う気もしますが…時間のせいですかね?

  • 以前読んだ時は、物語の大きさにただただ圧倒された。
    その頃から大分月日が経って、物事の分別のつく年齢になったつもりで再読してみたけれど、
    ・・・完敗です。

    私は何をどうしても動物や植物を犠牲にする人間でしかないけれど、せめてそのことを忘れずに生きたいと、そう思います。

  • 「グリーンレクイエム」の続編。いやぁ、まさかこういう続きがあるとは・・・。わかるんですが信彦くんがかわいそうだなぁと思いましたよ。夢子ちゃんの激しさが結構好きでした。

  • 『グリーン・レクイエム』の続編。泣けた。

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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