マジックミラー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061853904

作品紹介・あらすじ

双子の兄弟が殺人犯?しかし兄の妻が余呉湖畔で殺されたとき、兄は博多、弟は酒田にいてアリバイは完璧だった。やがて第二の殺人。兄弟のどちらかが被害者らしいが、死体からは頭と手首が失われていた。犯人の狙いはどこに?犯人の大トリック、多彩な伏線が、結末で読者を仰天させる、大型新鋭の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 犯人の検討は容易。
    ミステリ初心者でもわかる。
    ただ、そのアリバイ崩し(殺人手法)が難解。
    そちらに重きを置いたミステリなのね。

  • 有栖川有栖の『マジックミラー』を読了。初期のノンシリーズ作品。

    この作品には、オレが苦手と同時に嫌いでもある時刻表トリックが使われている。これまでミステリはだいぶ読んできたのだが、実は時刻表トリックは本作が初めて。今までは意図的に避けてきた。

    単刀直入に言ってしまえば、時刻表を見て推理するのがとてつもなく苦手。本文とは別に時刻表の参照図がいくつか載せられているのだが、見慣れていないせいなのかオレは時刻表というものが嫌いだ。どうしても途中から思考停止してしまう。結果的に、トリックが時刻表の穴を巧みに突いていたものだとしても、作家には申しわけないが完全には理解できていないのが本音である。ああ、実に情けない……。

    ならば何故そもそも読もうとしたのか?それは、まず一つに有栖川有栖の作品であるということ。個人的にはこれだけで十分に立派な理由なのだが、それとは別に、この作品ならではの理由もあった。

    海外のミステリ黄金期に活躍した作家の一人、ディクスン・カーの有名な作品に『三つの棺』というものがある。その作中に「フェル博士の密室講義」というものが出てくる。登場人物が、あらゆる不可能犯罪ミステリの密室トリックを分類してみせるという内容で、未だに様々な作品でちらほら名前が引用されることがあるほど有名。

    この密室講義に倣ったアリバイトリックの分類を、『マジックミラー』では「アリバイ講義」として試みている。文庫版あとがきには該当作品も紹介されていて、これから読む作品の指針にもなった。アリバイトリックも実に多種多様だ。

    推理はまともにできなかったが、ストーリーはだいぶ楽しめた。ラストも上手く終わらせているし、ダイアローグから既に騙されていたと気付かされる。しかし見事に騙された時のやられた感もまた、ミステリの醍醐味の一つであるからやめられない。

  • 年末整理の中、手を止め再読。有栖川さんの中では個人的にこれが一番。綾辻さん「十角館」、我孫子さん「殺戮にいたる病」に並んで本の楽しさを教えくれた一冊。描写が丁寧で、推理小説なのに暖かさが感じられる。またいつか読んでみよう。

  • いやはや、つっかれましたぁ!思えば最初からブレテないんですけどね(当然)。作者さんがとあるところで自信作と豪語!されていただけのことはありました、ほんとにw

  • 前に読んでいた。
    犯人は、まさか?やはり!という感じで読んでいく。
    そういうトリックだったのかと感心する。しかし、犯人の思いが凄いと思う。

  • 私の有栖川作品初体験はデビュー作の江神・有栖川コンビの『月光ゲーム』ではなく、火村・有栖川コンビの第1作の『46番目の密室』でもなく、このノンシリーズの作品だ。
    文庫派である私は単行本、ノベルスで刊行された作品が文庫落ちしてから読むのを習慣としている。この文庫落ちのスパンというのは3~4年が通例なのだが、東京創元社は概ねこの文庫化になるスパンが長く、しかもまちまち。『月光ゲーム』は単行本刊行後5年後で比較的早くはあった。

    余呉湖畔の別荘である女性が殺される。それは作家空知がずっと慕っていた女性だった。容疑者と思われた夫は事件当時福岡におり、またその双子の弟は新潟にいてそれぞれのアリバイは完璧だった。空知は亡くなった女性のため、その妹と一緒に独自に事件を調べる。
    やがて双子の片割れが頭と手首を切断された死体として発見される。

    時刻表トリックに双子の登場、そしてその片割れが頭と手首を切断された死体になるという、まさに本格ミステリ王道を行く設定だ。
    新本格組では法月綸太郎氏がクイーンの後継者としてデビューしたが、有栖川氏も熱心なクイーン信奉者であり、さらに自身国名シリーズまで出しているくらいだ。
    法月氏は早々に後期クイーン問題に直面し、悩める探偵となり、寡作家になってしまったが有栖川氏はデビュー以来着実に作品を刊行し、いまや現代本格ミステリの第一人者になっている。
    そんな彼の最初期の作品である本書にはなんと登場人物を介してのアリバイ講義が盛り込まれており、自らの知見の広さを披露するという度胸振りだ。基本的に私はアリバイトリック物のミステリはほとんど読んだことが無かったため、挙げられている作者は私の守備範囲ではないが、それでも興味が湧いた。

    そんなガチガチの本格ミステリを展開しながらも、お話としてもほんのりとしたペーソスが施されており、単なるパズル小説・トリック小説に終っていない。一番最初に「おっ」と思ったのはコーヒーか紅茶だったか、喫茶店で角砂糖を入れるところの何気ない描写。ここに他の新本格作家にはない情緒を感じた。
    そして最後の緊張感溢れるサプライズは映像的でドラマ化されても十分映えるシーンだ。いやむしろミステリドラマを意識したかのような演出だ。単純に関係者を集めて長々と推理を披露した上で犯人を名指しするというオーソドックスな本格ミステリが多い中、こういう演出は新鮮だった。そしてさらに仕掛けた作者の企み。これをフェアと取るかアンフェアと取るかはその人のミステリ嗜好によるだろうが、私は有りだと思った。

    新装版も刊行されたがそれもまた納得。時刻表ミステリは廃線や廃車となった車種もあるのですぐに時代の流れに風化されやすいが、現代本格ミステリの第一人者の初々しい頃に触れる意味でも、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。

  • 携帯もネットも無い時代のミステリ。
    時刻表トリックは苦手ですが、本書の根幹はそこではない。すごいというより呆気にとられる結末であった。

  • 良かったけど、時刻表トリックがどうしても苦手なので…
    私は『月光ゲーム』みたいなサスペンス系の方が好きかな。

  • やっぱり有栖川有栖は面白い。
    推理に必要な事柄をひとつひとつを丁寧に書かれるので
    安心して読めるというか。

    犯人は第一、第二の殺人ともに明らかなので
    どう成し遂げたか?を推理するもの。
    まあ、全然分からなかったけど。。

    でも、時刻表のトリックは
    あんなにうまくいくもんかなーと思った。

  •  えーっと。個人的にはイマイチ。
     んーっとね。
     最後、少しw( ▼o▼ )w オオォォ!! ってなったんだけど……。
     なんだか近頃、鉄道ミステリーとかいうのには、正直飽き飽きしてて……というよりは、推理小説に飽きているのかもしれないけれど。
     まぁ……なんつぅか……イマイチ。
     個人的には、推理小説よりも、ミステリーの方が好きかな……。
     いや、まぁ、推理小説も読まないことはないのだけれど……。
     やっぱり、推理小説のトリックそのものよりも、個人的には回りの人間に対する心理描写とか、そっちの方が好きだから、トリックのみで読ませようとする小説は苦手かな……。

     というわけで、個人的には微妙だったかも……(別にケンカは売ってないけど)
     難しいよね。小説って。

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

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